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北欧で最新のインタラクションデザインを学んできた話2019

はじめまして、こんにちは。クックパッドのデザイナーの田中りさこです。

7月にCIID(Copenhagen Institute of Interaction Design)というコペンハーゲンにある新しく国際的なデザイン専門学校がが主催するサマースクールに参加してきました。

そして、そこでの学びをCookpad Tech Kitchen #2 〜北欧で最新のインタラクションデザインを学んできた話2019〜で発表しました。

今回のnoteはそこで発表した内容の一部を書きます。

登壇資料

報告会での登壇資料はコチラです。


参加したデザインスクールについて

サマースクールは毎年各地で開催されていますが、私が参加したのはコペンハーゲンにある国連の施設で開催されました。1週間単位で多様なコースが用意されていて、そこから好きなものを選択して受講しました。

そこで私は「Design for Impact and Inclusion」というコースに参加しました。5日間の内容は、まずインクルーシブデザインについての講義があり、それからテーマに対してユーザーインタビューをして、プロトタイプを完成させるというコースでした。このコースでは特にユーザーインタビューに重きをおき、多くの時間を使いました。

学んだこと

私が5日間のサマースクールへ行き、学んできたことは次の2点です。

- 「インクルーシブデザイン」の理解
-
「インクルーシブデザイン」の実践

ここで私の学びの一部を以下少し詳しく説明していきたいと思います。

インクルーシブデザインとは

インクルーシブデザインとは、デザインプロセスにユーザーをインクルーシブする(巻き込む)ことを言います。
具体的には、デザインプロセスの中で(データからだけでなく)リアルなユーザーの声を聞いたり、一緒にアイデア出しをしたりして、デザインすることです。

ユーザーインタビューの大切さ

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今回の一番の学びはユーザーと対面で会話することは大事であると気づいたことです。
データだけではわからない今のユーザーのリアルを知ることは対面でしか得られないものだと感じました。
今回のようにそのユーザーに対しての理解が浅く、想像ができない場合には特に重要です。

インクルーシブデザインを実践しています

インクルーシブデザインを学んできたというと新しそうに聞こえますが、これはとても当たり前でとても大事なことを学んできたなと思っています。クックパッドでは日々の業務でもインクルーシブデザインを実践しています!

私は今、「おりょうりえほん」という食育の絵本を毎月お届けするサービスに関わっています。そのえほんチームでも先日Googleの提唱するデザインスプリントを実施しました。(クックパッドのデザインスプリントについての取り組みは下のブログにも紹介されています)



幼稚園生を持つ親御さんにデザインスプリントに参加していただき、一緒にアイデア出しからプロトタイプまでを完成させ、できあがったプロトタイプをユーザーインタビューして、検証しました。

私は子どもがいないので、小さな子どもを持つ親御さんの気持ちはわからず、想像もできないことも多いのが本音です。今回のスプリントで実際のユーザーを巻き込んで一緒にデザインしたことで、自分ではいいと思えなかったアイデアがおもしろいと言われたり、軽く流していた細かいフローが重要だったりと沢山の発見がありました。

CIIDに参加して、学んできたからこそ、改めて、今回のスプリントが有意義であったと感じることができました。

その人は本当にリアルなユーザーか?

しかし同時に、クックパッドは本当に正しくインクルーシブデザインできてるか?と考えました。

スプリントでインタビューにに来てくれるユーザーさんが予めセグメントされた人であることはわかっていますが、今回のWSでのヒアリングでも感じたのは、本当に巻き込みたいユーザーをインタビューによんでいるかを確かめる必要があるなと思いました。

というのも、今回はコペンハーゲンの移民を街にインクルーシブするにはどうしたらいいかという課題に対し、ユーザーインタビューで来てくれた方は英語もデンマーク語も流暢で、女性の難民の問題に関心があり10年以上もその問題について取り組んできていて、実際に自分も一員としてアーティストとコラボレーションをしているような方でした。彼女たちはまだ問題は残っているものの、ほんとうにこれが全移民の声を代表してインタビューするにふさわしい人なのか?と何度も疑問に思いました。

それは日々の業務でも言えることです。会社での検証では、そもそも恵比寿まで来訪してくださる方にインタビューしていること、目の前で開発関係者に質問されているから本音が言いにくいというユーザーの心理状況、スマホを触ってもらっているのは実際の電車内ではなく会議室であること、など色々な「リアルでない」状況であることに違和感を感じていました。

お互いのレンズを認識すること

しかし実は、本当に大事なことはユーザーの答えることが本音か建前かではなく、その状況をわかって情報を得るということだと思います。発表資料の「レンズを認識する」というのはユーザーがバイアスを持って検証に参加していること、自分がバイアスをもってそれを見ているというこの状況を認識するということです。ユーザーの言葉のありのままを信じるのではなく、それができた上で情報を選択して得ることに意味があると思います。

他の参加者の学び

報告会の登壇者はクックパッドから2人、freeeから1人でした。

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手はCIIDの文字を表しています。

この3人は全員参加したコースが異なり、自分が参加したコースの学びをそれぞれ発表しました。

参加者2:黒田 健太

クックパッドのエンジニアのくろけん(@MeInf_17)はインタラクションデザインの入門編コースに参加していました。インタラクションデザインとは何か、インタラクションデザインにおいてメタファーという要素が大切であるという学びを発表していました。

参加者3:春田 雅貴


freeeのデザイナーのはるたん(@hrtnde)はサービスデザインのコースに参加していました。海外でのワークショップらしく一旦まず外に出て見る、人に聞いてみる、プロトタイプおいて試しちゃう、怒られたら逃げる、などとにかく体を動かしてきたという話や、分野の違う人とのアイデア出しでの学びなど、ワークショップ中の裏話などを含めた語りがとてもおもしろかったです。

はるたんのnoteの記事で細かいことが載っているのでそちらもぜひどうぞ


CIIDにいってみたいなと考えている方へ

CIIDに参加している日本人も私が参加した週だけで9人で、年々人気が高まっているようでした。

私個人の意見ですが、参加してみてCIIDは次のような人にとって有意義だと思います。

-  デザイン思考などを本だけでしか学んだことのない人
- 海外でデザインのワークショップに参加したことのない人
- 国際的な問題に興味があってそれを議論してみたい人

デザインの勉強は日本でできることも多いですが、実際に体験して、色んな国の人(SDGsや国際的な問題に意識が高い人、デザイン思考に興味のある人)が一度に集まる場に参加できたことにとても良い機会を頂けたなと思っています。

さいごに

クックパッドからサマースクールに参加するのは今年で2年目です。社内で事前に公募があり今回は3人が参加しました。自分で手を挙げれば年齢や社歴に関係なく、チャンスを与えていただけるとてもいい会社はこちらです。

そしてそんなクックパッドではデザイナーを募集しています。

また、他の素敵なクックパッドデザイナーのnoteもぜひ読んでみてください!


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