Attribution Reporting APIにおけるアトリビューションソース登録について
■Attribution Reporting APIとは
Attribution Reporting APIは、サードパーティークッキーを使用せずに「コンバージョン」と「インプレッションやクリックなどのイベント」を結びつける広告の効果測定の仕組みです。ユーザーのプライバシーが保護され、個々のユーザーの情報が匿名化される点が特徴です。
このAttribution Reporting APIはGoogleが提唱するPrivacy Sandboxの一部として開発されました。Privacy Sandboxは、プライバシー保護を重視したWeb広告の仕組みであり、ユーザーのプライバシーを保護しながら、効果的な広告ターゲティングを実現するプロジェクトです。
■アトリビューションソース登録
インプレッションやクリックなどのイベントが発生した場合、アトリビューションソースをブラウザに登録する必要があります。
●アトリビューションソースの種類
アトリビューションソースには2つ種類があり"navigation"と"event"の2種類に分かれます。
"navigation" ソース
"navigation"ソースは<a>タグをクリックをすることにより登録されるソースです。
<a href="https://advertiser.example/landing"
attributionsrc="https://adtech.example/attribution_source?my_ad_id=123">
click me
</a>
"event" ソース
"event"ソースは <img>タグや<script>タグで登録され、ユーザーの操作を必要としません
<img src="https://advertiser.example/pixel"
attributionsrc="https://adtech.example/attribution_source?my_ad_id=123">
<script src="https://advertiser.example/register-view"
attributionsrc="https://adtech.example/attribution_source?my_ad_id=123">
●登録リクエストのレスポンス
attributionsrcの記載されたURLにリクエストを送信すると、Attribution-Reporting-Register-Source ヘッダーに以下のようなデータが付与され返却されます。
{
"destination": "[site]",
"source_event_id": "[64-bit unsigned integer]",
"expiry": "[64-bit signed integer]",
"priority": "[64-bit signed integer]",
"event_report_window": "[64-bit signed integer]",
}
destination: 必須項目。該当のソースがトリガーされるであろうサイト(r例: 広告主のサイト)のオリジン
source_event_id: ソースに紐づくイベントレベルのデータを示す64ビットの符号なし整数型
expiry: ソースの登録からどれくらいの期間でソースのアトリビューションが無効になるかの数値。1日から30日まで設定することができる。
例: expiryが7日だった場合、イベントのソース登録から2週間でコンバージョンしたとしても無効である
priority: アトリビューションがトリガーした時に、ブラウザは対応するソースを探索する。複数ソースがあった場合にこの priorityの数値が最も大きいものを選択しレポートを生成する。
event_report_window: 登録からレポートがこのソース用に作成されるまでの秒数。最小値は3600秒(1時間)
これらの情報をユーザーのブラウザに保存しておき、トリガーが発生した時にレポート送信に使われます。
■出典
Attribution Reporting APIのGithubレポジトリ
Attribution Reporting - Privacy Sandbox | Google for Developers