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体に触れるための同意と作法
フェスでの性加害の件、同意なく誰かの身体に触れるのが男女問わずNGなのは当然だけど、仕事柄どうしてもお客様との距離が近くなりがちな私たちも、本当に色々気をつけなきゃな、と改めて。
特に体型の診断をするときとかね……。
FPSS(for*styleパーソナルスタイリストスクール)の授業で、「まずはちゃんとカウンセリングしようね」って 生徒に教えているのは、パーソナルスペースの広さには結構個人差があるし、さらにちゃんと信頼関係が築けているかどうかでも変わるから。
通常の関係性だったら絶対触れない心の奥底や身体に(言語的にであれ、身体的にであれ)触れる、というのは体型の診断も心理カウンセリングと同じこと。
だから、カウンセリングの世界で長年かけて培われてきた作法というか注意事項みたいなものは知っておいて然るべきだと思うんですよね。
一般的な会話と違って、体型診断を行うときには、基本的には体型の相談をしたい人が来るわけなので、体型の話をするのは当然ではあります。
とはいえ体型のことになんでも触れてよいかというとそんなわけはなく、お客様ご本人が意識していない箇所のことを指摘するのは(たとえ「褒め」でも)加害に繋がりかねないからやめようね、とも教えます。
これも結構大事で、 「褒めるんだったら大丈夫」「お客様に自信を持ってもらいたい」とかって思って、「顔が小さくてうらやましいです」とか「細くて良いですね」なんて言ってしまうスタイリストやアパレル販売員はとても多いんだけど、けど、「それを本人が聞いて嬉しいという確信はどこから?」という話で。
お客様から相談されていないこと、今議題に上がっていないことを話すこともまた、体に同意なく触ることと同じくらい加害性のあることなんですよね。
FPSSで教えている独自の体型診断を、体に触れずに採寸と計算だけでできるように改善していったのも、「触診は構造上どうしたって誤診が多くなるから」というのももちろんあるのですが、触られずに診断が済んだ方が、どう考えてもお客様にとって心地よいだろうと考えたことも大きかったのです。
そのおかげで、商業施設で診断イベントをするときにも主催者側に安心してもらえたり、女性向けのスタイリングをやりたいと考える男性スタイリストの養成がしやすかったりといった副産物もたくさんありました。
先日、とある媒体のインタビューを受けたときに「久野さんがパーソナルスタイリングをやるときに一番意識している事って何ですか?」って聞かれて
「私はこのお客様のことを何も知らない、と常に自戒することです」
って答えてきょとんとされてしまったんですけど(伝わらなかった…)、露出の高い服を着ているから触っていいなんてことはないし、体型の相談されたからって体型の話を何でもしていいわけではない。
「いちいち同意を取らなきゃいけないの?」
と聞かれたら、そうですね、としか答えようがないのです。相手がどう考えているかなんて、聞かなきゃわからないのですから。
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— 久野梨沙@書籍「最高にしっくり似合う服選び」発売中 (@RisaHisano) August 10, 2023
「人に変に思われているのでは」といった悩みって、他の誰でもない自分が自分のことをそう思ってるってだけだったりします。
とすると、自分のその価値観を変えなければ不安からは解放されないわけです。
詳しくはラジオで回答しました!https://t.co/733bltVj4Z pic.twitter.com/u1mW6AI9wy
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