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辛いことから逃げずに頑張る人に贈る、心理学的サバイバル戦略【おしゃ呪解・お返事編】

こんにちは。服装心理カウンセラー・スタイリストの久野梨沙(@RisaHisano)です。
あなたに巻き付くファッションへの思い込み・・・「おしゃれの呪い」をばっさばさと解いていくこの企画、略して「おしゃ呪解」。
企画趣旨はこちら

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今回は、マシュマロから投げていただいたお悩みメッセージへのお返事編です。
今回取り上げるお悩みは、ファッションというより心理寄りのお悩みです。こちら。

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こちらは私のPodcast #おしゃれの呪いを解くラジオ   でも2回にわたって回答をお届けしています。音声で聞きたい方は以下からどうぞ。

このPodcastには大きな反響を頂きまして、私がやっているオンラインサロン 服装心理lab. の会員さんからも


「会社での異動でメンタルがやられたけれど、この回を聞いていたお陰で、全力で組織の上に助けを求められた」

「ストレスで身体症状が出始めていたのを、この回を聞いて『普通じゃない』と気づけて、カウンセリングを受ける一歩を踏み出せた」

と報告頂きまして。

こんなご時世なので、あらゆるところで逃げずに頑張っている人がいるはずと思い、ここにも公開しようと思いました。
しんどい誰かに届けー!間に合ってくれー!!

嫌な先輩や上司など、相性の悪い人間関係全般に有効な対処方法はあるのか

まず、コロネちゃんのお悩みで言うところの「先輩」、つまりこういう嫌な相手に対して、有効な対処法とか向き合い方があるかというと・・・・・・ないですよね・・・・・・。

だって、どう考えてもそういう言い方をするほうがが悪いですからね、やっぱり。このお悩みに書かれた文字通りの指導をしていたらそれはパワハラですよ。

もしコロネちゃんが本当に仕事上で何かミスをしていたとして、それを直してあげたいと思ってやっているのであったとしても、そんなキツい言い方をしたところで効果がないどころか、完全に悪影響ですよね。仕事のためにならず後輩の心を折ることしかできていない時点で、先輩の言い方は完全アウトです。

でもだからといって、先輩にコロナちゃんの立場から「そんな言い方しても業務改善は見込めませんのでアウトです」なんて言えないわけで。いや、万が一何かのチャンスがあって言えたとしても、それで先輩が言い方を変えてくれるかどうかも非常に微妙、っていうか多分無理。こういう人って指摘されたところで変われないパターンがほとんどですよね。

人は人を変えることはできない。変えられる可能性があるとしても、それは非常に難しいことだ、っていう前提にまずは立っておいた方が良いと思います。つまり、職場の嫌な相手が心を入れ替えてくれるような、そんな魔法のような対処法はない、ということ。

となると、その先輩と上手くやるためには自分を変えるしかないということに。が、それができていたらもうやっているわけで。例えば「先輩の嫌な言い方を気にしないようにする」とか? いやーそれも難しいですよね。

そうすると、このストレス源は延々残り続けることになります。じゃあ次は、「ストレス源は排除できないにしても、このストレスだけでも何とかならないのかね?」と考えていくことになります。

次善策として、ストレスへの対処法「コーピング」を 考えてみると

心理学では、ストレスへの対処法のことを「コーピング」と呼び、様々な研究がなされています。そしてそのコーピングには、「問題焦点型コーピング」と「情動焦点型コーピング」の2種類があります。

問題焦点型コーピングというのは、まさにストレス源に働きかけて直接解決する方法なんですが、前述の通り、今回の問題ではなかなか難しそうだぞ、と。

となると後者の情動焦点型コーピングということになるわけですが、これはストレスがもたらす不快感をなんとかして軽減させていきましょう、という方法です。例えばカラオケに行ったり友人と話したりする気晴らしなんかもこちらに含まれますし、瞑想とかいろんなリラクゼーション法もこちら。

コロネちゃんの場合にも、まずはこの情動焦点型コーピングで、溜まっている不快感情を少しでも取り除く、というのが直近で取れる対策だと思います。

でもやっぱり情動焦点型コーピングってのは限界があるんですよね。ストレス源がそこにあり続ける限り、不快感情は次々に沸き起こってくるんですから、どんなに気晴らししたところで限界があります。だんだん気晴らしも功を奏さなくなってくる。

じゃあどうするか。結局は一周回ってやっぱり問題解決型コーピングしかないよね、ということになるんですが、具体的には

「逃げる」の一択

です。

ストレス源である相手は変わらないわけですから。自分が相手から離れる。逃げるしかない。

ただ、逃げるって結構パワーが必要です。ですから、情動焦点型コーピングは、逃げるために最低限必要なパワーを取り戻すために使うイメージです。人に相談したり、ちょっと休んだりしてなんとか逃げるパワーを捻出して、素早く逃げる。

・・・・・・と、ここまで読み進めたあなたの中にこんな考えがよぎりませんでしたか?

「逃げてもいいのかな」
「逃げずに頑張るべきなんじゃないかな」

って。

「少しの辛いことで逃げてたらキリがない」なら、どれくらいまで我慢すべき?

「逃げずに頑張るべき」という思想の根底にあるのは、「辛くなる度に逃げてたらキリがない」とか「逃げても新しい職場にだって辛いことがあるだろうから、やっぱる逃げるべきでない」とかそういう考え方ですよね?

まぁ、そうですね。
確かに、まったく何も辛いことがない仕事を探そうと思って逃げたら、それは厳しいことになると思います。この配信でもお話ししましたが、「好きなだけでは仕事にはならず、人の役に立つことだけが仕事になる」ので、つまりどんな仕事でも嫌なことや辛いことはある、ということですから。

じゃあどこで「逃げる・逃げない」の線引きをすべきか。

私は、

「人生は、辛いことを最小化し、楽しいことを最大化するゲームだ」

と考えると、答えが出るんじゃないかと思っています。

「最小化」ですから、基本的にどこへいっても何をやっても、辛いことや苦労から完全に解放されることはない。でも、少しでも少なくなるように動くことはできる。楽しさも、最大化するように動く。この「辛いこと」「楽しいこと」のパラメーターが、自分の行動によって変化するわけです。

で、コロネちゃんの場合には、今、辛いことパラメーターが振り切っちゃってると思うんですよね。そうなると、他の職場に行った方が辛いことパラメーターが下がる可能性はかなり高いので、まずは逃げるという決断が取れるでしょう。

ここで大事なのは、この考え方を採用するためには、逃げるためのエネルギーだけでなく、自分にとって今辛さがどれくらいなのか、楽しさがどれくらいなのかを感じられる余力も必要だということ。コロネちゃんのように、何もなくても涙がつーっと流れてしまうような状態や、頭が真っ白になってしまうような状態になると、自分の今の感情を認識する余裕もなくなってしまうからです。

人生に勝ち負けもなにもないんだけど、「辛いことを最小化し、楽しいことを最大化する」目的だけが存在すると思えば、この場から逃げるという選択すら、その目的を達成するための戦略と考えることができるはず。そしてその戦略を的確にタイミング良く実行するためには、自分の感情に蓋をすることなど、あってはならないんです。

だって自分の感情だけが、唯一のコンパスなんだから。

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オンラインサロン「服装心理lab.」ではファッションだけでなく、こうした日常に役立つ心理学のことも学べます。おしゃれのことだけでなく、日常のたわいもない話や愚痴を言ったりできる、オンライン上の暖かい居場所です。

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ぜひ、あなたに巻き付く「おしゃれの呪い」もお寄せ下さい。心を込めて、その呪い、解かせて頂きます。
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久野梨沙|公認心理師・スタイリスト
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