良いスピーチの条件とは?~結婚式編~
フリーアナウンサーの広末リサです。
結婚式・イベント等でのMC、ナレーションを行っております。
すっかり秋になりブライダルシーズンになりましたので、今日は結婚式編でお送りしていきます!
みなさんは、「結婚式でスピーチをしてほしい」と頼まれた経験はありますか?
今はまだ経験がなくても、いつこの先頼まれるか分かりませんよね。
また、既に経験された方も、次に同じような機会があったらより良いスピーチをしたいと思うのではないでしょうか。
せっかくなのですから、新郎新婦にも喜んでもらえて、聞いていただける人の印象にも残る”名スピーチ”をしたい……ですよね!
私はこれまでに約300組の結婚式で司会をしてきた経験から、「このスピーチは素晴らしい!感動した!」と思えるものから、「これは残念なスピーチ……」と思えるものまで様々なスピーチを見てきました。
どういったスピーチなら聞き手の心に残り素晴らしいと思ってもらえるのでしょうか。残念なスピーチにならないためには何に気を付けるべきなのでしょうか。
これからお伝えするポイントを押さえれば、きっと感動を与えられる素晴らしいスピーチができますよ!
そもそも良いスピーチの条件とは何でしょう。
「適切な時間でおさめる」
スピーチの時間は3分~5分程度がおすすめです。
あまり短すぎると内容が薄くなりますしが、長すぎると結婚披露宴の限られた時間の中で進行に支障をきたします。
「声がきちんと聞こえる」
当たり前….と思うかも知れないのですが、話慣れていいない人に時々あるのが、恥ずかしいという気持ちからなのか声が小さくてよく聞こえないということがあります。
「新郎or新婦の人柄が伝わる」
当日は新郎新婦が主役です。スピーチを聞いた皆さんが”素敵な新郎or新婦なんだな”と思う内容にしたいものです!!
ですが、これが一番難しい。
ここからは、より良いスピーチをするための極意を以下の2つに分けてお伝えしていきます。
1.まずは情報収集
スピーチを頼まれたらまず情報収集です。
以下のようなことをあらかじめ新郎新婦に確認しておきます。
①結婚式の参加人数
②参加するゲストの属性(職場関係・友人・親族は参加するのか)
③スピーチをするタイミング(乾杯の前か後か)
④お相手の方のお名前
これらのことは最低限、把握しておいたほうが良いでしょう。
ではさっそく見ていきましょう!
①結婚式の参加人数
参加人数を把握するのは、当日慌てないようにするためです。
「50人くらいかな」と思っていて、当日100人の参加者だと知ったらそれだけで緊張してしまいませんか?
できるだけ当日の状況をイメージすることが落ち着いて話すためのコツでもあります。
②参加するゲストの属性
これも当日のイメージのために必要な情報です。
親族、友人、職場の上司、同僚とまんべんなく呼ぶ場合もあれば、職場関係は呼ばない方もいらっしゃいます。
また、親族が参加しない友人のみのカジュアルのパーティという場合も。その場合は話す内容も心構えも変わってくると思いませんか?
また、その中に自分が知っているゲストはどのくらいいるのか?誰がいるのか?それを知っておくこともポイントです。
ゲストの中に自分の知り合いがいれば、その人を味方にできるという安心感があります。
知らない人100人の前で喋るのと、90人は知らない人だけど10人は友達という場合では気持ちが大きく違うのではないでしょうか。
③スピーチをするタイミング
結婚式には大きく分けて3つのスピーチのタイミングがあります。
一つ目は、乾杯よりも前。
「主賓挨拶」とも言われ、新郎新婦から見て特に目上の方にお願いすることが多いです。
二つ目は、乾杯のタイミング。
スピーチの後に続けて「乾杯発声」を行っていただきます。
三つ目は、歓談中。
ゲストがお食事を召し上がっている際に行うものです。
一つ目と二つ目は、まだお食事が始まっていないことがほとんどのため、三つ目の歓談中に比べると緊張した雰囲気であることも多いです。
ゲスト全員の視線があなたに集中するようなイメージでいてください。
三つ目はゲストがお食事を召し上がりながら聞くため、比較的リラックスした雰囲気のことが多いです。
しかし、話し方や話す内容によってはスピーチ中にゲスト同士が喋ってしまい、せっかくのスピーチをよく聞いてもらえないということもありますので、注意が必要です。
④お相手の方のお名前
結婚式のスピーチで絶対に間違えてはいけないのは新郎新婦のお名前です!
職場の上司などの場合、普段苗字で呼んでいることが多いため下の名前で呼ぶことに慣れておらず名前を間違えるということも目にしたことがあります。
スピーチの最初に言葉に詰まり、直接新婦に対して「名前なんだっけ・・?」となり新婦が「〇〇子です」と仰ったなんてこともありましたよ。
尚、普段の呼び方で呼ぶほうが親しみを込められるから苗字やあだ名で呼びたい!
という人もいるでしょう。それは悪いことではありませんが少し距離感を感じます。
最初は下の名前で「〇〇さん(新郎)、〇〇さん(新婦)ご結婚おめでとうございます」と言ったうえで、「ここからは普段通り△△さん(苗字)で呼ばせて頂きますね」と言ったほうが良いでしょう。
では事前の下調べができたところで、肝心のスピーチ内容です。
2.構成&内容検討
スピーチの構成ですが、おすすめとしては
①お祝いの言葉
②新郎新婦との馴れ初め(第一印象、仲良くなったきっかけ)
③新郎新婦とのエピソード
④ふたりの交際を知った経緯と感想
⑤結びのメッセージ
という流れが、聞きやすく王道です。
この形にしておけば間違いはないので、どう書けばわからない場合まずはこの構成で作ってみることを推奨します。
それぞれについて、具体的にお話ししていきますね。
①お祝いの言葉
何はともあれ、まずはお祝いの言葉を一言。「〇〇さん、〇〇さん、ご結婚おめでとうございます」「ご両家の皆様にも心よりお祝い申し上げます」という感じ。
定番の言葉ですが必ず入れるべきです。
②自己紹介&新郎新婦との馴れ初め
次に聞いてくれているゲストに対してあなたは何者であるかを示す必要があります。
「私は新郎〇〇さんの職場の上司 ▲▲と申します。」
これだけではあっさりしすぎなので、職場の上司ならいつからの上司なのか、職場以外でもお付き合いがあるのか。
中学時代の友人ならクラスメイトなのか部活動のチームメイトなのか。
友人の場合には、仲良くなった経緯に触れても良いです。
併せて、新郎新婦の第一印象を入れられると、ぐっとゲストの興味を引くことができます。
ここでのポイントは簡潔に話すこと。
よく職場の上司の方で「私は新郎○○さんの上司の▲▲と申します。弊社の紹介をさせて頂きますと〜」と会社紹介をなさる方がいらっしゃいます。
誰もが知っているような有名企業の場合でない限り、会社の事業について紹介するのは良いことです。
しかし、この「会社紹介」であまり長い時間を使ってしまうと聞き手は冒頭からあなたについて『話が長そうな人』という印象を持ってしまいます。
そのため、ここはサラッと簡潔にまとめて、この後の新郎新婦とのエピソードを話す際に、必要になればより詳細に話せばよいのです。
また、あなたが話すべきは会社自体の事よりも新郎新婦がその会社の中でどんな役割を担っているかということであることを忘れずに。
友人同士であれば、「1年生の時クラスの席が前後で〇〇さん(新婦)の方から話しかけてくれて仲良くなり、高校3年間いつも一緒にいた」みたいな感じ。
この馴れ初め話は簡潔にこのくらいで充分です。
③新郎新婦とのエピソード
スピーチのメインと言っても良い部分!
ポイントは、ただ思い出話をするのではなく、そこから新郎新婦の人柄や特徴にも触れることです。
新郎新婦のことを知らない人にも「お相手の方は素敵な人なんだな」と思ってもらえると良いですね。
具体的にどういう事かというと、
例えば、あなたは新婦の大学時代の友人だとして以下のように話すとします。
このままでは、ただエピソードを話しただけで、新婦にとっては懐かしい思い出話かもしれませんが、聞いている立場になるとイマイチどんな新婦なのか伝わってこないと思いませんか。
これを、「新婦の人柄を伝えること」に重点を置いて書き直してみます。
どうでしょうか、エピソードから新婦の人柄が伝わってきませんか。
この話し方、難しく感じる方は新郎新婦のどんな一面を伝えたいかを先に思い浮かべてそこからエピソードを探す方法もおすすめです。
エピソードは一つに限らず、新郎新婦のことをよく知っているはずの人達に「へぇ〜そんな一面もあるのね!」というように更に新郎新婦のことを知ることができるような出来事を交えても楽しいスピーチになります。
いくつか思いつく人は、そんな「あなただからこそ知っている新郎新婦の一面」についての話を織り交ぜても良いでしょう。
この「あなただからこそ知っている」というのがポイントで、友人同士だからこそ知っている新郎新婦の良さや、職場の上司や同僚だからこそ知っている新郎新婦の仕事に対する姿勢を話すのです。
そういった話はみんなが知りたい話であり、新郎新婦本人も話をされて嬉しいと感じることが多いです。
よく新郎新婦のことを思い返してエピソードを掘り出しましょう!
④ふたりの交際を知った経緯・感想
ふたりの交際をいつ知ったのか、どう知らされたのか、そのシチュエーションも交えて話しましょう。
更にその時あなたはどんな印象を受けたかも併せて話すと良いです。
会社の上司ならこんな感じでしょうか
お相手に会ったことがある場合は、お相手の印象も交えながらこんな風に話すのはいかが。
あなたが2人の恋のキューピッドの場合は、なぜ2人を引き合わせることになったのか、交際に至った経緯を加えると興味深い内容になります。
⑤結びのメッセージ
いよいよスピーチも結びに向かいます。
結びのメッセージのパターンは以下が挙げられます。
(1)お相手へのお願いをする
(2)名言や格言を使う
(3)自分の結婚生活をもとにアドバイスをする
では1つずつ見ていきますよ!
(1)お相手へのお願いをする
いやみがなく綺麗に終わることができるのがこのパターン。スピーチ慣れしていない人にもおすすめです。
ポイントは上から目線にならずに、新郎新婦の特徴を引き立たせること。
(2)名言や格言を使う
これは、なぜその名言を使うの?という理由がとても大事です。
例えば、あなたも新郎新婦も全く野球に興味がないのにイチローさんの名言を使ったらどう思いますか?….かなり唐突感がありますよね。
名言などを使う場合には新郎新婦に関係することから持ってくるとよいでしょう。
こんな風に、新郎新婦とあなたとの共通点からフレーズなどを持ってくると、無理をしている感じがなく、聞き手の耳にも入ってきやすいです。
(3)自分の結婚生活をもとにアドバイスをする
職場の上司の方でよく見かけます。
「結婚生活の先輩としてアドバイスできるとしたら・・・」という言葉。
この方法、全然悪くはないですが自分の話ばかりにならないように気を付けてください。
「いいスピーチだったな」で終わるのか「なんだか何言ってるかよくわかんなかったな」で終わるのか。
最後のメッセージで決定づけられますので、結びのメッセージはとっても重要です!
いかがでしたか。
もうこれでスピーチを頼まれても怖くない!!というくらい自信がついた方もいらっしゃるのでは?
「こんなエピソードを話したいんだけどどうすれば上手く人柄を伝えられる?」
「良い結びのメッセージが思いつかない」
など、個別にご相談いただければアドバイス致します!
DM→twitter@RisaVoicer
最後までお読みいただきありがとうございます。
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