サーキュラーエコノミー型ビジネスのヒント PaaS(製品のサービス化)
先日、下記のオンラインイベントに参加して、サーキュラーエコノミーの話を聞いてきました。これがすごく勉強になりましたので、内容をシェアしていきたいと思います!
※ヘッダーはオランダ政府 From a linear to a circular economyより引用
話を聞くまではサーキュラーエコノミーってすごく大事だろうと思いつつ、廃棄物を出さないようにするとか、資源を再活用するとか、今までのリサイクルをその延長線上でより強化するしかないのかな?と思ってました。
それが違うんです。サーキュラーエコノミーを実現させる、とても相性がいいビジネスモデルがあるそうです!
それが、
● PaaS=Product as a Service (製品のサービス化)であり、
具体的には
○ サブスクリプションモデル
○ リース
○ シェアリング
などだそうです!
※ Platform as a Service の PaaS は全く別物です。こっちの方がメジャーなので、製品のサービス化はだいぶ埋れてしまいそうですが…
1. PaaS(製品のサービス化)とは何か?
一言でいうと、「製品を売って終わりではなく、製品は完全に売り渡さずに、製品の一定期間の使用代を売る」ということです。
例えばレンタカーだと、お金を払う際に、製品を買っているのではなく、「車を運転して移動する」という機能(サービス)を買っています。(当たり前ですが!笑)
トヨタさんだとKINTOというサービスをもってますね。
家具や家電のサブスクリプションとしては、CLAS(クラス)などのサービスもあります。
2. PaaS がなぜサーキュラーエコノミーに有効なのか
そのPaaS、サーキュラーエコノミー や 資源の観点で何が良いかというと、1つの製品がより長くより多く使われて、さらに次の生産への資源が活用されやすいことなんです。
PaaSの場合、製品の所有権はお客様に渡るのではなく、事業者が持ち続けます。なので、事業者は何を考えるかというと
「きちんと製品をメンテナンスして、製品を長く使おう」
「そもそも開発時に、長く愛用できる設計をしよう」
ということなんです。
短期間だけ使って少し劣化してきたら、捨てるんじゃなくて、丁寧にメンテナンスして長く活用するのって大事ですよね。
しかも、故障してしまった製品もほぼ確実に事業者が回収をすることができます。
(所有権が事業者にあるので。)だから、きちんと故障品の資源を次の生産に活用できるというわけです。
壊れてるのにずっと倉庫に置いておいて資源が再活用されないままになったり、不適切な廃棄をされることがないということです!
▼ 家具・家電のサブスク CLAS の例
家具・家電って、ライフスタイルが変わると「まだ使えるけど要らなくなったな…」ってこともありますよね。 使用品だと人に売ったり譲渡したりしづらかったり、高く売れなかったり、譲渡も手間だったり、、、それならもう捨てるか、ということもあるのではないでしょうか。
シェアリングのものを必要な期間だけ借りて使う。
→必要なくなったら、返却
→事業者がメンテナンスして、別の人が借りる
→本当に使えなくなったらその資源を次の生産に回す
というサイクルで、製品が長く活用されるわけです。
もちろん、サービス提供者にとっての経済的メリット、消費者にとっての経済的メリット・柔軟な暮らしをできるメリット等、一般的なサブスクリプションモデルのメリットもありますし。
※ただし、輸送などにおいて環境負荷は生じるので、その点は従来の売り切りとの環境負荷の差は多少生じるそうです。
3. PaaS型ビジネス事例
(1) スーパー等の冷蔵冷凍棚
参加したイベントで紹介されていたのが、Panasonicの事例です。
食品小売業向けの冷蔵/冷凍設備を、「導入〜省エネ運用〜保守メンテ〜改装時の他店への移設」までトータル面を、月額のサービス利用料でサポートするそうです。いわば、冷蔵棚ではなく「冷やす」という機能/サービスを売っているということですね!
(2) 綺麗にした面積だけ課金されるロボット掃除機 (1㎡あたり約10円)
こちらはスウェーデンのElectroluxというメーカーのロボット掃除機です。まさにモノではなくサービスを売るということで、掃除した面積だけ課金されるそうです!(斬新!!)
国内サイトで買おうとすると、買い切りの価格しかでてこないので、現地のみのサービスかもしれませんが、とっても面白いと感じました!
以上、いかがだったでしょうか?
最後までお読みいただき、ありがとうございました。
サーキュラーエコノミーをビジネスに取り入れる1つのヒントとしての、PaaSについて参考になれば幸いです!
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