忘れてしまったあの人の名前3（スリー）

人の名前忘れすぎやろ！と聞こえてくる。

人の名前を覚えるのはわりかし得意な方だったんでつ。。。
いつからか、人の名前を覚えるのが苦手になってました。とても悔しいしとても悲しい。

青森から新潟まで青春18切符を使って鈍行で行った時の話。

青森県から新潟まで鈍行で走ると大体7時間かかる。
青森福岡間を4日かけて往復したことがある僕にとってはさほどキツくはなく、むしろ｢乗り換え駅でご当地飯食える♪｣くらいのノリで、溜めてた小説を読みながら電車に乗っていた。

しかし、急な大雨によって電車は途中で止まってしまって、終電も終わり、山形県で立ち往生することになった。

新潟から飛行機で福岡に発つ予定だったので大荷物。改札を出て見渡しても明るい建物はなく、大雨なので身動きが取れない。

マップで近くにネカフェもホテルもなく、1キロ先にコンビニがあるだけ。
仕方ないので、びしょ濡れになりながらコンビニに行き、イートインスペースで時間をつぶしていた。

そんな時、｢泊めてあげようか？｣と話かけてくれた人がいた。確かその人は勤務終わりの店員さんだった気がする。

彼は東京で働いていたけど、上手くいかなくて地元に帰ってきたことや、元恋人がゲームで出会った人に奪われた話をしてくれた。可哀想に。

次の日の朝、駅まで車で送ってくれた。

思えば、僕が困難な状況に自ら飛び込むことが多いのは、そういう時に受け取った親切が忘れられないからなのかもしれない。

連絡先を交換しておけば、いつでもお返しができたのに。あの人の名前をもう忘れてしまった。