龍宮城のオタクが女王蜂のライヴに初参戦した話
⚠️注意⚠️
・元々龍宮城から入った初参戦オタクですので「○○くんに似ていた」等の感想を書き女王蜂のファンの方を不快にさせてしまう可能性があります。予めご了承ください。
・2階席からだったのでアヴちゃんの動きなどはあまり見えず、主に個人の感想を書き記しています。
このnoteを読む方は十二次元+01の公演を観ているという前提で書いているので、もし公演を観ていない方は下にあるSIAさんのnoteを読んでからこのnoteを読むことをオススメします。私より詳しく丁寧に書かれています。
・全曲に触れているわけではないのでご了承ください。
まえがき
遡って去年11月、龍宮城初舞台である音楽劇「秘密を持った少年たち」が千穐楽を迎えた頃。私は音楽劇を通して彼らにバチハマりしていた。彼らの演技、パフォーマンスに魅了され深みにはまっていくと同時に、「先生であるアヴちゃん、女王蜂のライヴに行った方が良いな」と義務感のようなものを感じ、申し込んだところ当たったので参戦。その時は学びに行ってみようという社会見学のような傍観者的な気持ちでいた。
女王蜂のファンでもあるFFさんに参戦することを話し、ジュリ扇を持たずに参戦するか悩んでいることを相談したら「りるちゃんだったらジュリ扇持ったほうが楽しめるんじゃない?」と言われたので真っ白なジュリ扇を購入し持っていった。
開演の直前にカンッと鳴る拍子木。急な音にビクッとしながらライヴがもう始まってしまうのかという事実に恐怖し心拍数が上がる。
客明が落とされ、幕が上がるとそこにはアヴちゃんが、いる…
本当にいる…
しかもあの白い戦闘服を着ている…
何回も携帯の画面越しに見ていたあの戦闘服…
セトリは以下の通りです。
FLAT
会場にギターの一音が響き渡り、あっという間に私達を包む。
Aメロに入る前のコンッ…という音が白黒の舞台に映えていて素敵だった。
アヴちゃんが歌いだしてから、涙が止まらなくなった。
この歌詞、すごく強烈でパーソナルでセンシティブ。
そうなんだ、女王蜂ってそんな曲を一曲目にぶつけてくるんだ。
そう感じた瞬間にもっと涙があふれてきた。
例えると鬼に顔を覗かれ頬をつままれ、脅かされて泣いている子供のような気持ちだった。
怖い。
ここまでパーソナルな部分をさらけ出して、でも負け知らずの最強。それが常人離れしていて怖い。
qbラジオ#6の4:30~くらいからでアヴちゃん自身が話していた「無防備なまま、感受性を表に出したまま歩いている」という言葉に納得した瞬間だった。
私本当に子供だ。アヴちゃんくらい生きる覚悟出来てない。アヴちゃんと対面することで自分の不完全さがはっきり分かってしまったのが不甲斐なくて泣いていた。
『ご清聴ありがとう』のお辞儀、あまりにも美して息をのんだ。
『主人公は病むか死ぬか恋に敗れるか』を皮肉たっぷりにくどく歌った後『ちょっと、判んないね』って寂しく歌ったあのアレンジが忘れられない。ありふれたものになんて「絶対なってやんない」んだろうな。
最後の無音の中『平坦な戦場』の力強い歌声でステージへの視界が開けたような気がした。
そうだ、ここは女王蜂の戦場。
無機質なモノクロのステージが色濃くくっきりとこの目に映る。
火炎
私にとっては龍宮城の火炎が記憶に新しいので、歌い出しは(KENTくん…)って思ってた。KENTの『それでも踊りたかった』はまだ完全には諦めていないからこその悔しさが出ていた気がしたが、アヴちゃんはもう諦めていて遺言として残したかのような歌い方に感じた。
私、カラオケで唯一歌っている女王蜂の曲が火炎で、普段歌っているからこそ余計に「私、偽物だ」と感じた。どれだけ歌っても偽物なんだ。アヴちゃんには敵わない。
そうだよな、とみたるで分担していたラップパートって本来一人なんだよな…改めてアヴちゃんすっっごいな…
周りは皆ジュリ扇を踊らせていたけど、私は生の女王蜂に感動しすぎて振れなかった。ずっとぎゅっとジュリ扇を握りしめていた。楽しむために持ってきた道具が自分の身を安心させる道具となるなんて。
HALF
歌に入る前のあのポーズ。戦闘態勢に入るヒーローみたいでかっこいい。誰かを守るヒーローというよりは己の為に闘い抜くヒーロー。
『突き進むひかり』のところ、アヴちゃんの表情なんかここから見えないはずなのに。
目に光が入っているのが私には見えた。
犬姫
『こっからここまで全部ちょうだい』の手の動きが豪快で決意があって素敵だったな。
KING BITCH
最近1番聴いてるかもしれないくらいヘビロテしていて、だからこそ生の歌声を聞けたことに本当に感動した。
回春・売春
...一人二役ッッッッ!?!?!?!?!?
...いたるんやん。ITARUくんやん。
私にとってはその感想しか出てこなくて、アヴちゃんのこれを見て真似たのかなって思った。そうか、ITARUくんはここを目指しているのか。ITARUくんにとってのゴールがハッキリ見えたような気がした。
いや、本人がこのアヴちゃんを見てどう思ったかは分からないけど。
この2曲は私達に向けてというよりも大切な2人の物語を丁寧に紐解いているのを私達が見守るという風に感じた。
だから私は静かに、ジュリ扇を握りしめ、噛み締めながら2人の物語を堪能した。
堕天
この言葉、私には龍宮城メンバーに言っているようにしか聞こえなかった。龍宮城オタクだからだと思うけど。
00当初、ツアーをやりながらも全力で生徒たちにぶつかっていたアヴちゃん先生。死ぬほど忙しい中でも自分を奮い立たせて皆と関わっていたんだろう。その愛はもし力を無くしたとしても注ぎ続ける、そんな意味のように勝手に捉えていた。
でも先生は「あの教室にいたら疲れなんか感じなかった」と言っていたから、先生は簡単に力尽きるなんてことはさらさら無いと思うけども。
『ジョークを考えるより茶化すことのほうが とても楽なのにそれを選べないひとたち』
で女王蜂のメンバーを一人一人指を指していた。かけがえのない仲間なんだなあ。同じ価値観を持ってずっと一緒に戦い抜いてきたんだ。だから今舞台の上で一緒に奏でているんだ。
最高にかっこいいなあ。
長台詞
ちょっと引っ込んでいた涙がここでまた止まらなくなる。私にはこの曲、黒瀬のこととしか思えない。
見える。
目の前にはあの頃の学生服を着た、黒瀬と天音。
さっきまで抱き締めていたはずの天音が一瞬にして灰となって散り、黒瀬は跪き呆然と灰を見つめている。
雪みたい。何も考えずそう思えればどんなに楽だったことか。
『忘れたくないなぁ...』掠れて消えていく声には悲しさや悔しさが何重にも折り重なっていた。
『暴れ回る心を』から畳み掛け、『私のターン!』が間髪入れずに落雷のようにヒールの音と共に落ちた。
奇跡は起こらない。
天音が蘇ることなんて無い。それならば自分は進んで悪者になろう。たとえ修羅の道であろうとも。私には黒瀬が白から黒へと変わっていくようにも見えた。
02
私、アヴちゃんの心の中に入った。
最初のパートから曲調が一変した時、ホールがどんどん地中に埋まっていくような、視界が段々と暗くなっていくような感覚だった。
アヴちゃんはあんな心の中でいつも勝ち続けてきたんだ。
最後の、背を向けてから振り返り「任しとき」
と台詞を吐くように言っていたその姿がとても美しくてかっこよかった。
アヴちゃんに感じた感じた印象は怖いだったが、ひとたび心の中に入ると優しさが私を迎え入れてくれた。イメージは、最初は『狂犬うろつくウチらの縄張り』なのだが、その縄張りに入れてくれるとqbラジオのライナーノーツで言っていた「怖かったでしょう〜🥲」のように包んでくれるという感じ?
※この記事とは関係無いですが、もしライナーノーツを聞いてない方は絶対に聞いた方がいいです
不思議と涙は止まっていた。
虻と蜂
この歌詞達が特に私に刺さった。先程までステージを掌握していた大きなアヴちゃんが、小さく、とても物悲しく見えた。
夜啼鶯
ライナーノーツで、ナイチンゲールに対して「でも歌えよ💢」と言っていたのを思い出しながら聴いていた。先程とはうってかわって怒りのようなもの。それとも覚悟?
黒幕
私、この曲も音楽劇『秘密を持った少年達』に重ねてしまい涙が止まらなくなる。
勝手に結びつけちゃってごめんなさいね。でも私の中のイメージソングのようなものなの。
音楽劇に対して元々こんな感想を持っていた。
『幕が上がるから 何もかも忘れたふりが出来るの』
音楽劇の昼公演で皆死んでいく様を見届けたのに、夜公演では何もかもなかったことになっていて、みんなが生きている、仲良く喋っている様子をこの歌詞は私に思い出させてくれる。
あの救えなさ、絶望感を思い出して無力だなって思い知らせてくれる。
メフィスト
絶対にぁゔちじゃない。そう思った。
あのぁゔちの今すぐ壊れてしまいそうだけど必死に光る姿ではなく、覚悟を持った絶対に倒れないアヴちゃん。
たしかに最後『わたしたちならば』と言っていた。誰に向けてのわたしたちなのだろう。
いや、私が考えるだけ無駄なのかもしれない。
BL
龍宮城オタクの私はれいくんの自己紹介曲!と真っ先に考えてしまった。
3:37~くらいから竹内黎くんがBLのパフォーマンスを披露しています。
今見直しても、あの時のれいくんヤバすぎ...と倒れてしまいますのでご注意を...
このれいくんの『なんで暗いの?』が全力で煽るような歌い方とても印象的だったが、それと比べてアヴちゃんの『なんで暗いの?』は結構サッと言っていて、言葉の裏に隠れているどっしりと構えた、余裕のような覚悟が決まっているうな、そんなアヴちゃんの姿が見えた。
油
この時ジュリ扇ぶん回して酔ったように夢中に踊っていた。初めての体験。なにこれ楽しい。
01
初日公演で披露された『01』の動画です。私は千穐楽翌日、この動画を見てまた泣きました。
「死んだらどうなる?」
ライヴ前、この曲を聴きながら歩いていた。死への漠然とした問いを続けながら聴いていた。
生で01を聴くまでは。
生の『死んだらどうなる?』は問いではない。答えが分かりきっている上での言葉だ。どうなるかの答えというより、「今どうする」かの答え。
『切るスイッチ見当たらなくなって どれくらいはじめからなかったか』の部分が強く心に残っている。悲しそうなアヴちゃん。アヴちゃんは決して弱くは無い。強いからこそ悲しいんだ。
死についての曲でジュリ扇が華麗に舞っている会場。異様な光景に見えた。
『いつも踏み出す 01』
叫びのような歌声。やっぱりアヴちゃん怖いよ。私と生きる覚悟が段違いだよ。
凄まじい歌声にやられ私は脳がぶっ飛ぶかと思った。
歌い切った後、メンバーの方々が挨拶している。そうだよ、私にとっては初めてだけど皆さんにとっては最後も最後。素敵な拍手に包まれる会場。
終わりか?と思ったのも束の間。
アヴちゃんが衣装を変え私たちの元へ再びやってきた。後から知ったが、あの衣装はアルバム『十二次元』の衣装。
奥から歩いてやってくるアヴちゃん。だが、先程のアヴちゃんとは何かが違う。普通の人間なら出せないオーラが漂っている。
ステージの真ん中に胡座をかき、私たちを見て笑う。少数のお客さんもそれにつられて笑っていた。
何がおかしい?おかしいことなんか何一つ無い。
この状況はどうするのが正しい?
頭をグルグル回していたが、無理矢理笑うことなんか出来ない。私に今出来るのはこの異様な空気の中立ち尽くすのみだ。そう思ってただ黙っていた。
すると、客席から「アヴちゃん大好きー!」の声が。そしてそれをぶった斬るかのように「ありがとう。」とすぐさま立ち上がりながら背を向け言葉を放つ。
すると、ステージの周りを覆っていた鯨幕がバンッと落とされる。圧巻の演出だ。演劇部だった私は(東京の有名な施設の裸のステージが見られるなんて!レアだー✨)と変なことを考えていた。
全体を通して
最初、私はジュリ扇を使うことも出来なかった。ただジュリ扇を握りしめ、自身の心を落ち着けるための道具と化していた。
そしてジュリ扇を握りしめている時、こんなことを考えていた。
「こんなセンシティブな曲でジュリ扇をぶん回すなんて、変だ」
私にとって、心の内を明かすようなパフォーマンスと、ジュリ扇を使って舞うという行為が頭の中で結びつかなかったのだ。異様な光景。最初見た時にそう思った。
だが、公演が進むにつれて(私もこのジュリ扇の波の一部分として加わってもいいのかな)と思い、失礼します!という気持ちで拙くはあったがジュリ扇で舞わせて頂いた。
終盤になると、
「私も皆さんと一緒にジュリ扇の一部分になりたい」
「アヴちゃんに感動したよと伝えたい」
という前向きな思いに変化し、新参者なりにコツを掴みながら一生懸命ジュリ扇を回していた。
本当にアヴちゃんの歌声、アレンジ、一つ一つにビクッと驚き、一気に受け止め切ることは出来ず胸にしまえるだけしまいこんでいっぱいになる時もあった。隣の人からしたら怖かったろうな。
今回、十二次元+01というライヴで十二次元は歌われなかった。なのに十二次元に私は入っていた。
アヴちゃんに見えない手で連れて行ってもらったような感覚だった。
あの世界はとても不思議で、少なくともこの世に存在するものでは無い。
ここからは龍宮城と結びつけて考えるオタクの話をちょっと聞いて欲しい。
アヴちゃんのパフォーマンスを見ながら、龍宮城のメンバーそれぞれと重ねて考える時もあった。
ITARUはもちろん回春・売春。
龍宮城冬ツアー、SHORYUでは『キスだけで』を披露したITARUくん。ITARUくんの歌声で表せるものは際限がないと思い知らされた。だが、あくまでITARUくんの中で使い分けていたという表現が正しい気がする。
アヴちゃんの回春・売春は本当に2人いた。その違いなのかなと思った。比べるのも無粋なのかなと書きながら思うが。
KEIGOくんが冬ツアーで披露していた『ロープ』。あの時、会場にいた私は全身を針で刺されているような、一刻も早く終わって欲しいという身体があの空気を受け付けないという感覚。あの感覚の片鱗をアヴちゃんからも感じた。ただ、ロープでは対象が客席に向いていたが、今回の公演では歌に対象が向いていたから命拾いしていたのかもしれない。
冨田くんの狂暴さ。あれもアヴちゃんから受け継いだものなのだろう。
怪物が独り歩きしているような怖さ。いざとなったらすぐさま食われてしまいそうだと感じる。そんなオーラが重なった。
特にこの3人には重ねてしまうことが多かった。KENTくんは狂犬さ、Sくんは静の美しさ。そこが似ていると感じた。
Rayくんはねぇ...考えても似てる所が出てこないんだよね。なんでだろう。似てない所が一番弟子たる所以なのかなとも思ったり。
HARUKUくんも似てない。あの器って全世界でHARUKUくん1人しか持っていないものだからなのかな。
ここまで書いてもまだ全て書き切ってない感じがするが、ひとまずこの辺で。思いついたらまた追記する。