【Mr.オレンジに愛をこめて】
クエンティン・タランティーノのデビュー作 「レザボア・ドッグス」
およそギャング映画とは思えない無駄だらけの
愉快な会話、「Little Green Bag」が流れる
伝説的なオープ二ング、バラバラの時系列で徐々に
明らかになる魅力的な登場人物などなど・・・
当時革新的な衝撃をもって紹介されたこの映画は、
過去の映画のオマージュやシーンの意味についての解説など様々な検証や評価がされてきた。
だ・が・し・か・し!
ティム・ロスファンである当ブログは、
この傑作映画をティム演じるMr.オレンジ君にしか
焦点を当てない!というミーハー過ぎる宣言を宣誓。なお非常に偏愛の強い垂れ流し感想及びMr.ホワイトとの関係性について腐った視点が入りまくりなので、そういうの無理ー!な方は申し訳ありませんが、GoBackで!
(最初から最後までずっとネタバレ全開なので、
まだ見てない方は鑑賞後にどうぞ。)
【冒頭のダイナー】
まずタラちゃんの無駄話で幕開けのシーン。
オレンジ君はMr.ホワイトの隣に座って話を聞いているのだが…。んー君ら・・・何か距離近くない?
他のメンツと比べてみても明らかに二人だけ近い。
オレンジ君がホワイトの椅子に手を掛けてるくらい
近い。既にニコイチレベル。ピンクがチップは払わねえーとゴネてるのに便乗して「じゃ俺もー」と
払うのを止めようとするオレンジ君。
親玉に怒られて、ちぇっ!て感じでお金を投げる。 はい可愛い。
【Mr.ホワイトと逃避行】
場面は変わり、車の後部座席で「俺は死ぬ-!」
とギャァギャァ喚いてるオレンジ君。 血まみれなのに申し訳ないが声がやたら高いのが
面白可愛いくてしょうがない。それを大丈夫だー!
と慰めるホワイト。
はいストップ。えーもう情報量が多いなー?
まず何でお前ら手をつないだ???しかもホワイトは ここでオレンジ君に向かって「buddy boy」と呼びかけてる。つまりこの段階で打ち明け話が出来る相棒レベルという事が判明。マジっすか。痛みに我を忘れてもんどり打ってるオレンジ君だが、ホワイトに 「ほら!俺は助かるって言えよ!」と煽られると 「俺は助かる・・・」と従う素直さ。可愛い
(こればっか)
【倉庫で二人の世界】
倉庫に着いて横たわらされるオレンジ君。
「死ぬのが怖くてたまらないよ。抱えていてくれ。」
ってこんな血みどろの子に上目で懇願されて断れる
人間がいるだろうか?いやいない。(断言)
ホワイトがオレンジ君の髪を櫛で梳きながら耳元で
何か囁くのだが、ここ英語だと何て言ってるのか
全く分からない。
(字幕は「こうしてやろう」としか出てない・・・)
ただ日本語吹替えでは、ホワイトが「何だか変な気分になっちまいそうだ」って言ってて「ほえ?!」って なったんですけど!ねぇどういうこと!(落ち着け) オレンジ君笑ってるし、野郎同士の性的なジョークを言ってるのでは?と予測している方がいて自分もその説が濃厚だと思うが、後々の俳優陣のインタビューでも確か「想像に任せるよ」と言ってたか「忘れた」
だったか・・・とにかく判明してない。頼むよタラ坊。私が死ぬまでに教えてー(気が長い)
そしてこのシーンは下からオレンジ君の顔超アップ
なので視覚的にも最高。
バシバシのくるりん睫毛。
三白眼で透き通った薄緑の綺麗な瞳。
白い肌に飛び散った血と、笑った時に覗く可愛い歯。
そりゃホワイトも心奪われるよね、と納得。
現れたピンクと話し合いする為に離れようとすると、
「行くな」とすがるオレンジ君。
いやー母性本能が刺激されまくり。
ここからオレンジ君は長い時間気絶。ホワイトが他の メンツと喋りながらも、何かとオレンジ君の処遇や
生死をずっと気にしているのが尊い。
【反逆のオレンジ君】
ブロンドがジッポに火を付けた瞬間、突如復活した
オレンジ君。さっきまでの喚きっぷりが嘘のような
冷静かつ的確な連射に初見は呆然としましたよ。
ど、どういうこと?!その豹変っぷりに見事陥落。
惚れない理由がない。と思ったら一転
警官がこぼす愚痴に対しては、
「ファッ○ン俺は死にそうなんだぞ!」
って口から泡飛ばしながらキレてて面白過ぎる。
【警官オレンジ君のお仕事ターン】
ギャングになりすます為に用紙4枚分の作り話を
覚えさせられる。最初はマジか?って反応をするが、しっかり練習してるのめちゃくちゃ可愛い。
話のディティールまで自然で細かい。
この辺りティムの演技力の高さに感心(何様)
謎なのがエディ達に呼ばれてアパートを出ようとするシーンでわざわざ指輪をはめる所。
結婚してる設定があったのかな?
ドアを閉める指がー・・・良いー・・・(性癖)
鏡に向かって気合いを入れる。
カッコ良いけど微笑ましい。
後部座席でピンクと笑い合ってるの可愛い。
【ホワイトと仲良く銀行の見張り】
倉庫で親玉の説明を聞きながら、
オレンジ君はかすかにニヒルな笑みを浮かべる。
アイドル並に美し過ぎて直視出来ません、神様。
見張りでいかに場を制圧するか熱弁するホワイトに
苦笑いしてるけど、実は感心してるよね?
場面転換。オバサンにお腹をドーンと一発。即反撃。ここ警官である自分が一般人を撃ってしまった後悔がグラサンの奥の瞳に一瞬かいま見えて、
オレンジ君・・・何て可哀想な子なんだ・・・。
と守りたい欲が倍増。
ちなみにこのシーンには裏話があり、
撃たれたオバサン役の人がティムのアメリカ英語の
発音の先生だったそうで。無茶苦茶厳しかったから
ティム自身が役に推薦して復讐してやった☆
って話してて笑った。
【伝説の血みどろラスト】
倉庫に戻ってきたエディとピンクとホワイト。
ここ他の二人は撃たれたブロンドを見るのに、
ホワイトはそっちには目もくれずにオレンジ君の
元に一目散に駆け寄るの凄い。
オレンジ君を救うことで頭いっぱいなのね…。
エディと口論になる血だまりオレンジ君の肩を
さすったりなんかして、どんだけ愛しいの。
3つ巴の睨み合いから撃たれたホワイト。
もうここからは血みどろ二人だけの世界。
オレンジ君最後まで仲間のフリをしてれば助かった
筈なのに、ここで思わず「俺は警官だ」と告白。
「すまない、ラリー」と連呼。
敵なのに最後まで自分を守ってくれるホワイトの
人間性に惚れてしまったんだよね・・・分かる。
嗚咽をもらし、オレンジ君に銃口を向けるホワイト。悲しすぎて張り裂けそうです。
いや張り裂けた。頭パーン。無理-。
(閑話休題)
何度見返してもしんどい。ホワイトはプロだが、
仲間への恩義と情にとことん厚い昔カタギなギャング。その人の良さが彼の魅力でもあり、欠点だった。警官たちに踏み込まれて銃を向けられ、
もはや逃げる術はなし。
ここのシーン、カメラはずっと嘆き悲しむホワイトしか映してなくて見てる方は完全にホワイトの気持ちになって没入してしまう。
そして轟く二発の銃声。ジ・エンド。
【最後に】
今回はオレンジ君ピンポイント視点で語ってみた
けれど、他にもブロンドのサイコなカッコ良さとか、ピンクの不憫な可愛さとか(ブシェミ大好き)
エディとブロンドの関係性とか、
ムダ話してあっけなく死ぬタラ坊の面白さとか
好きな所を上げればキリがない。
もしオレンジ君が本当に仲間だったなら生きて一緒に捕まって、ムショに入って、きっとこれからもホワイトはオレンジ君を見守って何かと世話を焼いてくれている未来があったかもしれない・・・。
そんな夢想を抱きつつ、決してそうはならない。
どこまでも不器用で美しい男たちの世界に乾杯!