7月の白昼
PM 0:42
午前中に本命を射止めた私は、
標高を上げて美脚を確認しに向かった。
ヤナギが点在する地に車を停めて
枝を注視する。
空の青、ヤナギの瑞々しい緑
そして美脚の黒のコントラスト、
この3つが揃った時の高揚感は
ヒメオオクワガタ採集に携わった方なら
首を縦に振る筈だ。
黒い物体に目掛けて網を伸ばし、
枝を揺する。
全体的に華奢なヒメオオクワガタ♂が
網に入った。
7月のこの時間帯でも採集出来る事を
頭の片隅に置きながら、車を走らせ、
停車し、ヤナギやダケカンバを見上げ、
乗車し、車を走らせる動作を繰り返す。
すると明らかに美脚のシルエットではない
物体が張り付いていた為、
角度を変えながら見方を変えると、
金色王冠の彼だった。
右後脚欠損しており、
すぐ様リリースし、先程の一連の動作を
継続させた。
私の網には入らずにドロップする
ケースが殆どであり、網から溢れる度に
センスの無さを感じ、卑屈に考えてしまう。
ヒメオオクワガタは2頭確認し、
それ以上探す事が出来無かった為、
再び本命採集モードに切り替えた。
樹液が出ているのかを
GPSに記しながら、熊除けの鈴を
鳴り響かせて歩いて行く。
暑さで汗がダラダラと垂れ落ちては
グローブで拭い、ラダーを担ぎ歩く。
PM 4:04
足下に絡みつく草木に足を捉われ出すと
HPが失い始めた証。
足を上げるのを躊躇うなら
突き進んでしまえとパワーで
進もうとすると、態勢を崩して転倒した。
膝を抜きながらも本命を探すも
見つけられず、小ぶりなカブトムシに
愛着を感じながら、
本日の樹液採集にピリオドを打ち、
汗を流そうと温泉へと向かった。
PM 7:00
外灯で本命を拾った事が無く、
急いで夕飯を食べ、車を降りて探してみた。
ミヤマヘッドは確認したが、
やはり外灯採集にセンスは無く、
さっぱり見つけられずにいた。
明日の本命樹液採集に備えようと、
PM 10:09
小腹が空いた為、
レッドシーフードヌードルを食し、
プレミアムモルツを飲み干し、
明日の採集に備え、
睡魔がやってくるのを待ち、
記憶を無くした。
To be continued.