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家電好きだった父の思い出
好奇心旺盛と言えば聞こえはいいが、とにかく興味を持つととりあえずやってみたい、もしくは買って手元に置きたい。
中途半端に終わってしまったものは数知れず、大金ではないにしろムダ遣いは多々ある。
でも私はこの『好奇心旺盛』という自分の性格が好きだ。
父親とそっくりだから。
父はもう少し派手にお金を使っていて、とにかく家電が大好きだった。
テレビも冷蔵庫も洗濯機も、わが家はいつも町内で1番に買ったので、近所の人がよくテレビ番組を見に来ていたし、洗濯機も隣のおばちゃんが借りに来ていた。
のんびりとした昭和の時代だった。
父も高齢になってからは、最新家電の取扱いに苦労するようになって、新しく家電が家に届くことはなくなった。
しかし父の部屋にはテレビが3台あって、それは父がベッドの上で体位をどう変えてもテレビが見れるようにするためだった。
電化製品好きは最後までだった。
父が亡くなった後、それらは近所の仲の良かったお爺さんたちに貰われていった。
うちにもテレビはあると、家人からお叱りを受けなかっただろうか。
そんな父親ゆずりのこんな私でも少しは成長して、ここ数年は興味を持っても一晩寝かすことを覚えた。
そのまま忘れてしまうこともあるし、思い出しでも、面倒くさくなってしまうこともあるけど。
そういえば、電子レンジや冷凍冷蔵庫(これらも当時の最新家電)がある日突然わが家に届いた時は、家計の切り盛りをあずかる母が耐えかねて、派手に夫婦喧嘩をしていたなぁというのは、懐かしい思い出。