DuranDuran2017年来日公演の雑記
DuranDuranが2022年ロックの殿堂入りを果たしたという嬉しいニュースが入ってきた。
私にとってもDuranDuranは特別な思い入れのあるバンドである。
何故なら、人生で初めて観た洋楽アーティストのコンサートがDuranDuranだったからだ。
ちなみに私はまだその他の洋楽コンサートに行ったことがない。(2022年現在)
もう5年前になってしまう彼らのコンサートについて、既に朧気な記憶を頼りに、綴りたいと思う。
2017年9月20日武道館に着いた
大学生だった私は授業を終えるとすぐに九段下に向かった。
実は武道館でコンサートを観ることすら初めての経験だった私は、既に高揚感に包まれていた。
千鳥ヶ淵を見たり、
旧江戸城の田安門を見たりして、
武道館に到着した。
そして当日券を購入する列に並んだ。
無事チケットを購入。
続いてグッズ購入の列に並んだ。私はオフィシャル・パンフレットを購入した。
会場に入った。初めての武道館だ。
武道館に入る前にもお菓子や飲み物や「ホットサービス」なる温かいスナックが販売されているコーナーがあり、そのレトロさにワクワクしたのを覚えている。
それに、会場内には国旗が掲げられている。
日の丸の下で演奏するのか!?と時代錯誤な感覚があったが、それがまた昭和っぽかった。私にとってはタイムトラベルだった。
CHICを観た!
演奏が始まった。
まずは「ブルーム・ツインズ」という女性二人組の演奏があった。
次に、「CHIC feat. ナイル・ロジャース」が出演するという。
その時の私はCHICを知らなかった。それに予習もして行かなかった。
「DuranDuranの出番が早く見たいのになぁ」くらいに思っていた。
CHICの出番になった。私は度肝を抜かれてしまった。ものすごくかっこよかったのだ。
気が付けば、まるでディスコ・クラブに居るかのごとく、曲に合わせて踊りだすお客さんもちらほら見受けられた。会場はかなり盛り上がっていた。
その光景、そして流れてくる音楽から、「私は今タイムスリップしているのではないだろうか?」と目を疑った。
音楽史の中のCHIC、及びナイル・ロジャースがどのように語られてきたのか、その時の私には一切の知識もなかったが、その素晴らしいパフォーマンスに私は魅了された。
その時、特に印象に残ったお気に入りの曲は「I Want Your Love」だった。
※武道館での映像ではないが、演奏している顔ぶれはほとんど同じだと思うため動画を貼りたい。
こんなかっこいい音楽、武道館でこの先の人生、観られるのだろうか?
また日本で演奏してほしいと強く願った。
DuranDuranを観た!
そしてDuranDuranの出番である。ツアー・タイトルの「Paper Gods」から演奏が始まった。
新曲の「Pressure Off」(feat. ナイル・ロジャース)もいい曲だった。
※「Pressure Off」のミュージック・ビデオを貼りたいと思う。
とにかくメンバーの誰一人として、演奏力・動き・見た目共に衰えを感じさせないパフォーマンスだった。
特にサイモンのボーカルは常にのびやかでハリがあり、昔の歌声のままであった。むしろ、昔よりいい声に感じる。
「A View To A Kill」「The Wild Boys」「Notorious」(with ナイル・ロジャース)「Hold Back the Rain」「Ordinary World」「Hungry Like the Wolf」などが聴けたのは良い経験だった。
特に私は個人的に大好きな「Girls On Firm」「Save A Prayer」「Rio」これらの名曲が聴けたことが本当に嬉しかった。
しかし、最も聴きたかった「Is There Something I Should Know」「The Reflex」「Union Of The Snake」は演奏されなかった。
他にも、メドレーバージョンで「New Moon On Monday」は演奏されたが、私は一曲通して聴きたかった。
そのため少し心残りがあった。次があることを信じて、また来日公演で演奏してくれることを願った。
また、途中休憩で、DJすぬーぴーさんこと今泉圭姫子さんによる場内アナウンスがあり、会場は大いに盛り上がった。それが聞けて感激だった。
会場の外で海賊版グッズの販売
会場の外に人だかりができていた。海賊版グッズの販売である。現代でも存在することに驚いた。
海賊版グッズの販売も購入も違法行為だ。なのに堂々と明かりを焚いて販売している。
こういう光景が見られるのも時間の問題だろう。
今回の温故知新―男性客も多いDuranDuran
今回のコンサートを観て思ったことは、想像以上に男性のお客さんが多かったことだった。男女比はほとんど1:1だったように記憶している。
日本におけるDuranDuranと言えば女性ファンのイメージが強く、所謂「ワ―!キャー!」言われる存在だと多くの人が認識していたのではないだろうか。そのため、私は今回の来場者も若い頃にファンだった女性がほとんどを占めるのだろうと予測していた。
しかし、そんなジェンダー・バイアスは誤算だった。
お仕事帰りのサラリーマンから、年配の方まで男性客がたくさん居たのだ。
もし「DuranDuranは女性の聴く音楽だ」なんて思ってた人が居たなら、この来場者の男女比を以て否定したい。※
もし「昔はDuranDuranが好きとは言いにくかった」人が、偏見から解放された後に来場したのだとすれば、それほど喜ばしいことはない。※
(※あくまで筆者による仮定。「追記(2022年5月8日)」にて後述。)
好きなものを好きと言えるのが一番良いことだ。
偏見から解放されて、あるアーティストを“推す”瞬間が一番楽しい。
性別に関係なく愛されるDuranDuranが観られたことは私にとって重要な経験となった。
参照:DuranDuran来日ツアーオフィシャルサイト
追記(2022年5月8日)
前述した「今回の温故知新―男性客も多いDuranDuran」の項目で、DuranDuranに男性客が少ないイメージについて言及したが、80年代当時から「男性客が少ないということはなかった」というご指摘をいただきました。
これまでDuranDuran関連の情報に触れた際、「女性ファンからの(アイドル的)人気」が伝えられているケースが多かったように感じています。そのため「男性ファンが少ない」と私は解釈してきました。
しかし、「女性ファンが多かった」のは事実でも「男性ファンが少なかった」(もしくは世間的にファン層に対するジェンダー・バイアスがあった)とする裏付け資料は現段階で探せていません。
今回の「DuranDuranは女性の聴く音楽だ」「昔はDuranDuranが好きとは言いにくかった」という記述についてはあくまで私が仮定した内容で、当時の様子を証言するものではないことをご留意いただければと思います。
そして、ご指摘いただいた「男性客が少ないということはなかった」という話題についてはこれまで盲点であったため、本件に関する有力な情報がないか、今後の課題としていきたいです。