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【洋楽聖地】デュラン・デュランゆかりのナイトクラブ「ラム・ランナー」跡地

本ブログでは、現在イギリスに長期滞在中であり、洋楽ファンである私が、洋楽に関するあらゆる聖地に赴いてレポートしています。

今回はバーミンガムにあるデュラン・デュランゆかりのクラブ「ラム・ランナー」に行ってきました。


ラム・ランナーとは

ラム・ランナー(The Rum Runner)は、1964年から1987年まで営業していたナイトクラブであり、当初はカジノでしたが、70年代に一般的なクラブへ転換し、地元のバンドや音楽愛好家の集う場として知られるようになりました。 常連客には、ブラック・サバス、ロイ・ウッド、クォーツなど、バーミンガムの有名バンドが地元でのライブの後に訪れていたといいます。
70年代後半、オーナーであるベロー兄弟がニューヨークのスタジオ54から着想を得たデザインにクラブを改装。
この時期、地元のバンドであるデュラン・デュランがデモテープを持ち込み、クラブをリハーサルスペースとして使用していました。また、ニック・ローズ、アンディ・テイラー、ロジャー・テイラー、ジョン・テイラーの4人はスタッフとしてもここで仕事をしていました。
1980年、ロンドンのヴォーカリストだったサイモン・ル・ボンは、ラム・ランナーで働いていた当時のガールフレンドから推薦され、デュラン・デュランのオーディションに参加し、バンドに加わることになったといいます。
また、このクラブではデキシーズ・ミッドナイト・ランナーズやUB40などのバンドにクラブの部屋を無料のリハーサルスペースとして提供したとも言われています。
1987年、ラム・ランナーは取り壊されたため、当時の建物は残っていませんが、その跡地は現在パブが営業されているとのことです。
まさにデュラン・デュランの原点となるこのナイトクラブ跡地は洋楽史においても重要な史跡と言えるでしょう。

バーミンガムへ

ロンドンから、鉄道もしくはコーチ(長距離バス)を使って片道約2時間30分。日帰りでお出かけが可能な場所です。
バーミンガム・ニューストリート駅に到着したら、バーミンガム美術館の方角へ進みます。
私が行ったのは11月下旬でしたが、ちょうどクリスマス・マーケットが開催されており、屋台や美しいデコレーションを楽しむことができました。

クリスマス・マーケットメイン会場のヴィクトリア広場。奥の建物は美術館。
ヴィクトリア広場から望む大きなクリスマスツリー

美術館を通り過ぎて、ブロードストリートを目指します。

路面電車の線路沿いを歩いていきます。

路面電車の線路沿いを歩くと、「ソロモン・カルタ―」という大きな建物のパブがありました。ここがもともと「ラム・ランナー」のクラブがあった場所です。現在の建物はかつての「ラム・ランナー」とは全くの別物になります。

「ラム・ランナー」跡地の現在

「ソロモン・カルタ―」の右脇を見ると、なんと「ラム・ランナー」の文字を発見!

少し坂を下ったところにモダンな建物の「ラム・ランナー」がありました。
この建物「ラム・ランナー・ワークス」はオフィス・ビルとして、現在複数の企業が入居しているようです。もちろん、かつてこの地に存在していたナイトクラブの「ラム・ランナー」から名前が取られたとのことです。

オフィスビルの「ラム・ランナー・ワークス」

また、同建物にはイギリスの史跡案内板「ブルー・プラーク」が設置されていました。
「ここが”デュラン・デュランの故郷”であり、何世代にもわたるバーミンガムのバンド、ミュージシャン、ファッションデザイナー、クラバーたちが集まり、踊って、遊んだ場所」(※ざっくり意訳)だと書かれています。

2022年に設置されたブループラーク

さらに建物の裏側へ進むと、水路となっていました。
2018年、デュラン・デュランのロジャー・テイラーがラム・ランナー跡地を訪れたというSNSの投稿がありましたが、その写真と同じ景色を望むことができます。


番外編:ブラック・サバスやUB40の聖地

先ほどのブロード・ストリートをさらに進むと、「ブラック・サバス・ブリッジ」と呼ばれる橋に辿り着きました。ブラック・サバスの4人の顔が描かれたベンチが置かれています。

近くの案内板には、かつてこの運河は原材料や完成品を市内外に運び出しており、そして何世代にもわたり、船乗りたちはロープと馬を使って運河沿いに船を牽引してきたこと、またよく見ると現在でも石造りの壁や手すりにロープの跡が刻まれているのが確認できるという説明がありました。

そして、バーミンガムの伝説のヘヴィー・メタル・バンドとしてのブラック・サバスの功績を称え、2019年にこの橋は「ブラック・サバス・ブリッジ」として改名されたと記されています。

私が訪れたときも、観光客がちらほら写真を撮って楽しんでいました。

また、同じブロード・ストリートにはUB40の功績を称える巨大な案内板もありました。

デュラン・デュランに限らず、ブラック・サバスやUB40など、この土地で生まれたミュージシャンの功績を称えるバーミンガム。この地もまた「音楽の街」であることに気づかされました。

聖地を巡った後は、クリスマス・マーケットの屋台で温かい”Red Red Wine”を飲んで、暖を取りました。

クリスマス・マーケットのコップは持ち帰り可能。
夕方16時の様子。イルミネーションがきれいでした



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