オラがグランドガンポート構想はこう!
シュネッケ社製グランドガンポート構想対応機体「ヤークトシリーズ」
※4thに登場する同社製脚部パーツ「ヤクトハント」との関連性は無い。
同社で先行開発されていたWAP型大型機動兵器ゲパルトシリーズの生産・運用を経て発覚した問題点を解決する為にスタートした開発計画。
「通常WAPと比較し約40%の高性能化および、それを維持したままの徹底したコストダウン並びに発展途上国や、非正規軍規模の集団における恒常的運用を可能とする整備性の達成」
ゲパルトシリーズ、というより大型機動兵器全般に共通していた、生産台数の少なさに由来する価格向上や高性能化・大型化を原因とする整備性の低さ、機体重量の肥大化による機動性能の低下を解決するべく提案された機体コンセプト。
上記コンセプトを実現する為に、大型機の特徴とも言える内装兵器の採用は見送られた。
また、基本的にMULS-P規格未対応である大型機の各部パーツ価格を抑える為に、機体設計内でのパーツ規格共通化が採用され、上腕部から前腕部中央と、大腿部から下腿部中央までの構造を完全に同一のものとした。
各装甲も生産性・整備性を優先された形状に設計されたが、大型機特有の余裕ある積載量に物を言わせた単純な装甲圧の増加や、MULS-P規格未対応故の装甲形状の自由度の高さにより防御力の低下は免れた。
それ等は本機の外観を特徴づけるものとなった。
コストパフォーマンス・整備性の向上をさらに推し進める為、機体に採用される主な関節構造を統一する「ユニバーサルアクチュエータージョイント」の採用が決定。
最も過負荷のかかる脚部股関節を基礎とし開発が進められた。
完成した関節構造から機体全体の構成を導き出す計画は最初期のWAW開発を想起させた。
電装・内装関連はほぼ全て信頼性の高い同社既存製品を採用。
ジェネレーターは支援機仕様WAPの採用される高出力型を両脇部にそれぞれ一基ずつ配置。
武装に関しても専用品の新規開発は行われず、代わりに通常WAP用汎用武器マウントラッチを改良したアタッチメントを下腕部に採用し、通常WAP用メインウェポンを連結(基本二基・両腕装備で最大四基)装備することにより、グランドガンポート構想機に求められる火力を達成した。
下肢をベースに設計された頑強な腕部構造を持つ事により可能となった方式。
また同ラッチに、大型機の質量を最も効率よく破壊力に変換出来る格闘兵装も装備可能である。
肩部にももちろん従来機同様の武装マウントラッチを採用している。
大型機の宿命ともされる機動性の低下を補うために、下腿部後方にクローラー式の補助起動装置を採用。
これは同社製品である「ビザント」シリーズの脚部から流用し開発された。
同装備により支援型通常WAPと同程度の機動性を維持することに成功。
この機構もユニットごと着脱可能の為、整備性の向上に寄与している。
これらの仕様により本機は社内で「枯れた技術の集大成」とも評されていた。
大型機動兵器最大のネックとなる機体価格の高騰化を生産ラインからどこまで抑えられるか、限界まで追求した本プランは偏執的とも評されたが、考案者は「機械工作の基本に立ち返っただけ」と後に述べた。
結果的に本機は大型機の中でも特にフレーム構造が頑強となり、積載量・戦闘続行能力に優れた機体と評価される。