Dicey Dungeons はサイコロを振らない
ゲーム自体の魅力についても話したいのだけど、今日は一点、魅力的なインタラクションデザインの話をします。
ざっくり Dicey Dungeons の説明
Dicey Dungeons はターン制のデッキ構築型のゲームです。
基本ルールは手元に3〜6枚のカードでデッキを作り、攻撃や防御などを行って相手と対戦します。ただしカードを出すには「偶数」、「3以上」、「ゾロ目が2個」といった条件を満たすサイコロの目が必要です。
Dicey Dungeons はサイコロを振るアニメーションがない
たとえば桃鉄はすごろくのゲームでサイコロを転がすアニメーションがあります。サイコロの目の大小で一喜一憂するので、サイコロが転がる様子を見守る時間がある方が楽しいです。
一方 Dicey Dungeons はダイスロールにアニメーションがありません、それどころかサイコロがキューブ状であることも意識させない、真上から見下ろした、出目だけがよく分かる正方形です。
きっと、これはこういうことじゃないかな。
Dicey Dungeons は運の要素が低い!
Dicey Dungeons は サイコロの目を見守るような運任せのプレイ感のゲームではなく、それよりは出た目を早く把握して、どういう手順で行動していくかを頭で考えたいので、アニメーションの時間は不要なのです。サイコロが立方体という美しいビジュアルをもってることもさっさと捨てているのもそういう判断に違いない。グッドだ。
・・・でも、そうすると
じゃあなんでサイコロをモチーフにしたのか?
きっと、それはこういうことじゃないかな。
デッキ構築系のゲームのハードルを下げるため!
デッキ構築系のゲームって、相手のHP残を見て、次の攻撃で倒しきれるかや、自分のHPを見て防御しないでしのぎ切れるかといった簡単な「暗算」を脳内でちょこちょこやるんです。
そちらに脳内のブドウ糖を割いてるので、カードの効果や使用条件は簡単な方がありがたいんです。
サイコロの構造は馴染み深いもので、サイコロをひっくり返すという説明で「1⇔6」「2⇔5」「3⇔4」とすぐわかることや、奇数や偶数といわれたときに、全体像[1・3・5]や[2・4・6]の3つずつだなと、ほぼ考えなくても”知っている”。
このため勝利に向けて集中できるんです。
まとめ
戦略を考えることに集中できるように、排除したものがいっぱいあるのがよく分かるゲームで素晴らしいのです。