風来のシレン6 タグの廃止 〜ローグライクの根幹を支えるのは物質的な固執からの脱却だから〜
シレン6やってます。偉そうなことをいうと、すごく良くなったねと思っています。過去作までのシステムやアイテムの追加で曇らせてしまった部分を解消してくれてるのがめちゃくちゃありがたい。
特に、「タグの廃止」の英断にはコメントさせて欲しい!!
タグの廃止
前作シレン5では、お手頃価格で装備に「タグ」がつけられます。タグをつけた装備はロストしても、町で取り返せる仕組みがありました。ただで戻ってくるか、買い戻しかはランダムですが、買い戻しの場合で高額な場合でも工面できない額ではないため、装備のロストの重大度はかなり低くなっていたと考えられます。
この一見良さそうなタグですが、自分は、ない方が良いと思っており、シレン6では、廃止され別の形に置き換えられました。
や、わかるんですよ?
「タグは初心者向けの救済策だから、存続したほうが良かった」という意見も「使いたくないやつは使わないでプレイしたらいい」という意見も。
いや〜、ただ、やっぱり違かった!
難易度を下げるために、装備のロストの重大度を下げちゃダメなんだ。
ローグライクの根幹にあるのは、物質的な固執からの脱却だから・・・
今作では
まず、今作シレン6でどうなったか解説します。
タグはなく、ロストした装備で強化したものは、始まりの街で買い戻せるようになりました。買い戻しでき、タグをつける手間がなくなったので、より初心者向けになったとも言えそうです。
ただし、その販売価格は、超高額で一回くらい冒険クリアして戻ってきたくらいじゃ賄えない額なんです。一桁違うなという感じ。
これが良く出来てる。
前作で提示したのは、タグを使う / 使わない という選択肢で、タグを使ったほうが難易度が下がるので、使うプレイにプレイヤーは誘導されていました
今作では、まじめに稼いで買い戻す / 買い戻さず冒険に行く、という選択肢で、買い戻し額が超高額なので「買い戻さずに冒険に行く」方向に誘導されます、というか、まじめに稼ぐなら冒険に行って稼ぐので同じになります。その過程で、実質ロストした冒険と同じように、改めて強化した装備を手にすることになるんですよね。それは前回とは違った特性をもった装備になるでしょう。このバリエーションはローグライクならではの楽しさです。
それに気がついたプレイヤーは、「無くした装備を買い戻す努力より、次の装備を作る方が早いし楽しい」となるので、さっさと冒険にでるようになります。
ローグライクの本質的な要素に「パーマデス(恒久的な死)」というのがあって、死んだら、レベル、アイテム、フロアの進行状況などすべてをロストするというものです。
この強烈なペナルティを理解し、楽しむにはプレイヤーのメンタルがよりローグライクライクである必要があると思っています。要するに「負けてしまったが今のプレイで学びがあり、次はもっとうまくやれる、もう一回やるぞ」です。
プレイヤーがどのように遊ぶかの自由はあるうえで、楽しい方のプレイがローグライク的になるような設計になってるのがすごい。これによって、初心者とベテランに寄り添った設計になると思います。
使いたくないやつは使わなければいい / 使いたいやつは使えばいいという設計のときに、ゲームのコンセプトに寄り添うほうに淘汰圧がかかり、より良い方法にプレイヤーが気がつく設計になっているので、コンセプトにあったプレイ感がうまれるのだと思います。