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NO C&A, NO LIFE no.028 ~駅前の店通い~

高校生になった私は、隣のH市の高校まで自転車通学を始めた。
片道約30分。
行きも帰りもウォークマンでC&Aを聞いていた。

私の住む町とH市との境には小高い丘があり、鉄道のトンネル脇の坂道を自転車を押して登る。
朝からいい運動になるのだが、登り切った丘の上の畑の中にアサヒ飲料の自動販売機があり、そこにはCHAGE兄とASKAさんが赤と青の缶コーヒーとともに佇んでいた。
J.O.のCMが放送されなくなってしばらく経っていたが、畑の中の忘れ去られた自販機はその後もしばらくチャゲアスのままで、毎日朝と帰りにCHAGE兄とASKAさんに会えるのを楽しみにして、自転車通学を続けた。

自宅の最寄り駅とH市の駅の中間に、私の通う高校はある。
H駅前にはレコード屋とレンタルCD屋、そして本屋があった。
部活を終えて、自宅とは反対方向のH駅前に向かう。

そのレンタルCD屋には、これまでのC&AのCDやコンサートのビデオが置いてあった。
過去のCDを片っ端から借りて、テープにダビングする。
これが高校生の私の日常となった。

コンサートのビデオも借りた。
中でも印象に残っているのが、CONCERT MOVIE GUYS だ。
2本組のビデオだった。

家族が寝静まった後、いそいそと居間へ降りていき、イヤホンをつけてビデオを再生する。
Love Affairの大人すぎる歌詞、終章(エピローグ)の切ないメロディに夢中になった。
CATCH&RELEASEは怪しくて、やはり理解できなかった。

本屋には「10年の複雑 PRIDE」が置いてあった。
ハードカバー上下2巻。
買うお金はないので、立ち読みするため書店に通った。
授業と部活を終えて、自宅とは反対方向のH駅前に向かい、立ち読みをして、自宅へ帰る。
そんな生活が苦ではなく、むしろ幸せな時間だった。

レコード屋は、長髪のちょっと怪しげなオヤジが営んでいた。
C&Aファンになって初めてのNew Single「On Your Mark」が発売になったときから、このレコード屋の常連になった。

CDが発売になるたびに、しかもチャゲアスしか予約しないと、オヤジも顔を覚えてくれていろいろと情報をくれるようになった。
ちょうど15周年の記念の年。
デビュー記念日の8月になると、ジャケット写真のパネル(A3サイズくらい)をプレゼントしてくれた。
no no darlin' と迷ったが、大好きなCONCERT MOVIE GUYSの、2人が仲良くくっついているパネルを選んだ。
部屋には少しずつC&A関連のものが増えていった。



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