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NO C&A, NO LIFE no.006 ~宮古島その6~
bar 潮は、ファンキーフラミンゴから歩いて5分ほどの、さとうきび畑の中にポツンとある、小さな建物だった。
看板などは何もない。
おそらくFellowsさんたちのために急遽場所を設けてくれたのだろう。
入口で添乗員さんに料金を払い、カウンターの中のお兄さんに泡盛を注文する。
真四角の空間に椅子とテーブルが並べられていた。
奥のテーブルには、かつおの刺身や島豆腐、チャンプルーなど、島のご馳走が並んでいた。
そして店の片隅には椅子とマイク、スピーカーが準備されていた…!
(まさか、ASKAさんが来てくれるの!?)
妄想は止まらない。
参加者は30名ほど。
夕食時のアルコールがほどよく回っていて、いくつかのグループごとに盛り上がっている。
さながら2次回のようだ。
私たちも一緒に歩いてきた男性3名と会話を楽しんだ。
それぞれ1人参加で、夕食のテーブルが一緒だったようだ。
やはりここでもファンになったきっかけや、好きな曲の話で盛り上がる。
すると突然、
♪ 酔い覚めのような気分で 夜明けに仕事が終わる~
とある男性がマイクを使いアカペラで歌いだした。
みんながはやし立てる。
そして一緒に歌いだす。
店内は大盛り上がりだった。
次から次へと歌のリレーが続いていく。
それは何とも不思議な光景だった。
見ず知らずの、名前も知らない人たちが、ASKAさんの曲を通してひとつになっている。
笑顔で、大きな声で歌って、ハモって、踊って…。
南の島の解放感と、お酒のせいもあったかもしれない。
でも、楽しそうなみなさんの顔を見ていると、とても幸せな気分になった。
店の片隅でその様子を見ていた添乗員さんに、
「(この様子を)動画に撮って事務所のスタッフさんに見せてください」
と話すと、
「もうすでに動画を送ってASKAさんが見てるそうです」
!!!
こんな酔っ払いたちの様子を見て、ASKAさんは笑ってくれたかな。
もう閉店です、と言われて時計を見ると、日付が変わるころだった。
真っ暗な夜道をホテルへと戻る。
空には満天の星。
夜空を見上げるのはいつ以来だろうか…と思っていたら、視界の隅で流れ星が落ちていった。