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《映画感想》かがみの孤城
夢のあるファンタジーの世界の話し。
それぞれがこうあればいいなという思いが叶う。
現実味のないファンタジー。でも、現実にそのファンタジーを熱望して、日々苦しみ闘っている子どもたちはたくさんいるのだとも思う。
不登校の子どもが増えている。学校に行きたくない理由はさまざま。大きな問題を抱えている子どもから、些細な気持ちの揺らぎで理由もなく通えていない子もいると思う。
でも、どの子も救いを求めてる。
何かとんでもないヒーローが現れて助けてくれないかな。世界が変わるような出来事が明日起こらないかな。
突然鏡が光って仲間が居るお城に着いて、何か願いを一つ叶えてくれる。なんてそんなことが起こらないかなとそう願いながら眠りにつく子どもたちが今この現実にどれだけ居るのだろう。
そしてそれは横軸の現在だけのつながりではなく、縦軸の過去や未来にも。今までどれだけ苦しんできた人が居た?これから先のまだ見ぬ未来にどれだけの子ども達が同じ苦しみを感じていく??
その数は計り知れないほどに、合わせ鏡のように先が見えないほど過去にも未来にも繋がっているのだろう。
過去と未来が繋がり、点が線となり、どこかで影響し合い、経験したもの同士が助け合い、支え合う。
それは決してファンタジーではなく現実の話。
経験した人にしか分かり得ない事はある。どんなに理解しようと思うっても、知識として学んでも、心の痛みとして経験していなければ分かり合えないことがあるからこそ、自分が経験した痛みや傷は次の鏡へ映し繋げることができる。
今苦しんでいる子どもたち、子どもだけではなく大人も、過去に傷ついた経験がある人たちへも、その傷は次の世代を救うための鍵なのだと。
それが伝えたいのことなのかなと感じた。
私の娘も今年小学1年生。まだまだ葛藤の中、行きたくないと渋りながらも小学校へ行っている。
幼稚園までは送り迎えも行い近かった距離も、1人で「行ってきます」と通うようになり少しづつ距離が離れていっていると感じる。
離れた場所でこれから様々な経験をして、傷を負い、時には傷を負わせながら日々を戦っているのだろうと思う。
その全てが無駄では無い。どんな事もいつか誰かの心に響く鍵になる。
たくさんのことを経験してきて欲しい。
私自身も。全ての経験や葛藤、苦しみは無駄なことなどない。
鏡が光り、願いが叶うようなファンタジーはこれから先にも起こり得ないが、自分の経験に向き合い、誰かに救いの手を差し伸べる事はもしかしたら出来るかもしれない。
暗闇の中でファンタジーの世界を切望する子どもたちに、光る鏡のような救いの手が届きますように。