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土萠めざめ
2021年1月28日 14:56
もし、あなたが「奇妙な恋人たち」の姿をその目で確かめたければ、午前七時一分にS駅を出る、とある鉄道の三号車に乗ればいい。その車両には、青いコートに身を包んだ魔女のような顔立ちの女と、黄色い帽子の年老いた男が、しっかりと手を握り合って座っているから。毎朝、同じ時間、同じ車両に、必ず。 初めて二人の存在に気づいた時、見てはいけないものを見てしまったような気がした。街中で、前を歩く女子高生のスカート