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プロダクト開発やシステム開発の会社・ベンダー・発注先・委託先の選び方を解説

はじめまして。
株式会社riplaで取締役CTOを務めている寒川(そうがわ)と申します。

弊社は「事業成長に伴走するプロダクト共創パートナー」として、IT事業会社出身のBizDev、PdM、PM、デザイナー、エンジニアによる専門チームが、プロダクトの立ち上げから成長まで包括的に支援する「Product Lab」や、SaaS事業を低コスト&短期間で立ち上げる「SaaS Box」というサービスを展開しております。

riplaのサービス「Product Lab」
riplaのサービス「SaaS Box」

私は、これまで数々のプロジェクトに "クライアントワーク" という形で携わり、大小さまざまなアプリケーションやシステムを開発してきました。本記事では、システム開発の外注を検討している方に向けて、私自身の経験を基に、外注先の選び方のポイントについて解説していきます。システム開発をどの会社に外注するか検討する際の参考にしていただければ幸いです。


外注先を選ぶためのポイント

システム開発を外注する際、最適な外注先を選ぶことはプロジェクトの成功に直結します。そのためには、「実現可能性」、「コスト」、「進めやすさ」の3つの要素を総合的に判断することが重要です。以下に、それぞれのポイントについて詳しく説明します。

システム開発の外注先選びのポイント

実現可能性

外注先を選ぶ際、まずはその会社が本当に自社のやりたいことを実現できるのかを確認することが重要です。実現可能性を確認するには:

  • 経験と実績の確認:実現可能性を確認するために、外注先の経験と実績を調べることが不可欠です。過去にどのようなプロジェクトを手掛け、その成果をどのように収めたのかを具体的に確認しましょう。具体的なプロジェクト名や成果物を提示してもらい、実際にどのような結果を生み出したかを評価します。

  • 技術力と専門性の評価:次に、技術力と専門性の評価も重要です。プロジェクトに必要な技術を保持しているかどうか、チームメンバーのスキルセットが適切かを確認します。これにより、外注先が求める技術要件を満たし、期待される成果を提供できるかどうかを見極めることができます。

  • 業界での評判:また、業界での評判も調査します。他社からの評価や口コミを確認し、その企業が信頼できるパートナーであるかを判断します。知人の紹介で見つけた会社であれば、紹介してくれた知人に詳しく聞いてみましょう。

コスト

コスト面の確認も欠かせません。ただ金額が安ければいいという訳ではなく、いくつか確認すべきポイントがあるので説明します。

  • 相見積もり:まずは、複数の業者に見積もりを依頼し、比較することで適正価格を把握することが重要です。

  • 見積もりの内訳と透明性:見積もりの内訳を詳細に確認し、要求の伝え漏れや認識の齟齬がないかを確かめることが重要です。見積もりの内訳の確認を怠ると、後から要求の追加や要件の変更が発生し、実際にかかる費用が見積もりを超過する恐れがあります。見積もりの内訳が透明でないと感じる場合は、要求の詳細が正確に伝わっていない可能性があります。どの部分にどのくらいのコストがかかるのかを明確にしてもらうよう依頼しましょう。

進めやすさ

プロジェクトの進行を円滑にするためには、コミュニケーションの円滑さも確認すべき重要なポイントです。コミュニケーションの円滑さをどのように確認すると良いか解説します。

  • 理解力の高さ:商談の時点で、外注先がこちらの要求をどれだけ早く理解してくれるかを確認しましょう。およそ商談の際のコミュニケーションの進めやすさが、プロジェクトを進める際のコミュニケーションの進めやすさと比例すると考えてください。また、その際に、前提知識の共有がどれだけ必要かも確認しましょう。開発会社が自社の状況や事業固有の知識を持っていることは期待すべきではありませんが、もしその説明を省略することができるのであれば、その後のコミュニケーションを円滑に進めることができます。プラスアルファの要素として確認しましょう。

  • 洞察力の高さ:こちらのビジネス上の要求を理解をした上で、開発会社として、技術的な立場からどれだけ鋭い洞察を与えてくれるかも重要です。プロジェクトを進める中で、どの要求を実現するのは難しいとか、代替案としてこういう形であればパフォーマンスを落とすことなく実現が可能であるなどの提案がある会社は、評価すべきです。

  • 言語の壁:オフショア開発については後でも触れますが、言語の壁は明らかにコミュニケーションの円滑さを阻害します。オフショア開発を選択する場合は、言語の壁が及ぼす影響を正確に理解しましょう。

  • 連絡手段と頻度:どのような連絡手段でどの程度の頻度で連絡を取りながらプロジェクトを進めるのかについてもあらかじめ確認しておくと良いでしょう。特に自社の担当者が忙しい場合、開発会社が想定している連絡頻度を実現できない可能性があります。その場合は見積もり通りのスピードでプロジェクトを進められない恐れがあります。

その他

  • 開発後のサポートとメンテナンス体制:プロジェクトが完了した後のサポートや保守契約の内容を確認し、必要なサポートが受けられるかを確かめましょう。

  • 契約内容と法的要件の確認:契約内容と法的要件の確認も欠かせません。NDA(秘密保持契約)の内容や契約書の細部と条件を詳細に確認し、法的に問題がないかをチェックします。

外注先選びの失敗例

相見積もりをしない

一つの失敗パターンは、相見積もりを取らないことです。特定の外注先だけに見積もりを依頼すると、その外注先の提示した価格や条件が適正かどうかを判断する基準がありません。結果的に、過剰なコストを支払ったり、必要なサービスが含まれていない不完全な見積もりに依存してしまう可能性があります。複数の外注先から見積もりを取り、価格や提供されるサービス内容を比較することで、適正な条件を見極めることができます。これにより、プロジェクトの予算内で最大の価値を提供できるパートナーを選定することが可能です。

要求を正確に伝えられない

次に、要求を正確に伝えられないことも大きな失敗の原因です。開発プロジェクトでは、要件定義が不明確なまま進めると、最終的に期待していた成果物とは異なる結果になりがちです。特に、要求が曖昧だと、外注先は自分たちの解釈で開発を進めるため、予想外の方向に進んでしまうことがあります。要件を正確かつ詳細に伝えることで、外注先が明確な方向性を持ち、期待通りの成果物を提供することができます。また、定期的なコミュニケーションを通じて進捗を確認し、必要に応じて修正を加えることも重要です。

価格の安さだけでオフショア開発を選ぶ

最後に、価格の安さだけでオフショア開発を選ぶことも失敗につながることがあります。オフショア開発はコスト面で魅力的ですが、言語の壁や文化の違い、タイムゾーンの差などがコミュニケーションの障害となることがあります。これにより、要求が正確に伝わらず、期待外れの成果物が納品されるリスクが高まります。また、安価な外注先は経験や技術力が不足していることがあり、結果として品質の低い製品が提供される可能性があります。手戻りが発生し、結果的に期待していた期間で完成せず、人件費も嵩み、成果物も使い物にならないという状況に陥る恐れがあります。価格だけでなく、技術力や実績、コミュニケーション能力も総合的に評価することが重要です。

外注先選びの実際のステップ

外注先を選ぶ際の実際のステップは以下の通りです。

  1. 実現したいことの整理

  2. 候補となる開発会社の調査、問い合わせ

  3. 面談

  4. 最終決定

それぞれ解説していきます。

1. 実現したいことの整理

最初に行うべきは、自社が実現したいことを明確に整理することです。これにより、開発会社に対して要求を正確に伝えることができます。ただし、社内に専門知識やスキルを持った人材がいない場合、時間をかけすぎるのも問題です。できる限りの範囲で要求を整理し、まずは面談を通じて具体的なニーズを伝えることが重要です。面談中に有益な助言を得られる場合もありますので、完璧を求めず、適度なタイミングで次のステップに進むことが推奨されます。

2. 候補となる開発会社の調査、問い合わせ

次に行うのは、開発会社の洗い出しと問い合わせです。知人や業界内のネットワークを活用して紹介を受ける方法も一つの手です。また、特定の専門知識や技術が必要な場合、その対応が可能な開発会社を絞り込むことが重要です。インターネットでの調査や各社のホームページを確認し、過去の実績や技術力、対応力を評価します。問い合わせを行い、初期段階での反応や対応も重要な判断材料となります。

3. 面談

候補となる開発会社が見つかったら、面談を実施します。この段階では、要求を正確に伝えることが非常に重要です。その上で、前

述した外注先を選ぶ際のポイントである「実現可能性」「コスト」「進めやすさ」を評価しましょう。具体的には以下のポイントを確認します。

  • 過去のプロジェクトとその成果

  • チームメンバーのスキルセット(技術力と専門性)

  • 見積もりの内訳

  • コミュニケーションの円滑さ

  • 開発後のサポートとメンテナンス体制

これらの項目を詳しく確認し、開発会社が自社のニーズに合致するかどうかを見極めます。また、商談の中で要求を理解し、高い理解力とビジネス視点での洞察力を示してくれるかも評価ポイントです。

4. 最終決定

面談を終えた後は、最終決定のステップに移ります。この段階では、コストとパフォーマンスを総合的に評価します。複数の開発会社から見積もりを取り、それぞれの内訳を詳細に比較することが重要です。また、見積もりだけでなく、面談で得た情報や対応の質も考慮します。契約内容と法的要件の確認も重要です。

最終的には、コストの安さだけでなく、技術力や実績、コミュニケーションの円滑さなど、総合的な判断材料を基に最適な外注先を選びます。これにより、プロジェクトの成功率を高めることができます。

よくある質問(FAQ)

どのくらいの期間で外注先を決めるべきか?

外注先を決める期間はプロジェクトの規模や緊急性によって異なりますが、一般的には1ヶ月から3ヶ月程度が目安です。この期間は、情報収集、問い合わせ、面談、そして最終決定のステップを踏むために必要です。急ぎすぎてしまうと、十分な評価ができず、不適切な外注先を選んでしまうリスクがあります。一方、時間をかけすぎるとプロジェクトの進行が遅れてしまいます。したがって、計画的に進めることが重要です。

1ヶ月目は情報収集と候補となる開発会社への問い合わせを行います。知人や業界内のネットワークを活用して信頼できる会社をリストアップし、各社のホームページやレビューを確認しましょう。2ヶ月目には、候補の開発会社との面談を実施し、具体的な要件やプロジェクトの詳細を伝えます。面談を通じて、技術力やコミュニケーション能力を評価します。3ヶ月目には、テストプロジェクトを実施し、最終的な判断材料を集めます。このステップを経て、最適な外注先を選定します。

外注先との契約期間はどのくらいが適切か?

外注先との契約期間は、プロジェクトの性質や規模、長期的なサポートの必要性によって異なります。一般的には、初回の契約期間を3ヶ月から1年程度とし、その後の成果や協力関係を見ながら延長を検討するのが適切です。

初回の契約期間が短すぎると、プロジェクトの途中で契約を更新する必要が生じ、進行に支障をきたす可能性があります。逆に、長すぎる契約期間は、外注先のパフォーマンスに問題があった場合に解約が難しくなるリスクがあります。そのため、初回契約は6ヶ月から1年程度に設定し、プロジェクトの進捗や外注先のパフォーマンスを評価しながら、必要に応じて契約を延長するのが望ましいです。

契約には、プロジェクトの納期、成果物の品質基準、支払い条件、サポート体制などを明確に記載することが重要です。特に、成果物の品質や納期については具体的な基準を設定し、双方の認識を一致させることが求められます。また、契約期間終了後のサポートやメンテナンス体制についても取り決めておくことで、長期的な協力関係を築くことができます。

最後に

システム開発の外注先選びのポイント

システム開発の外注先をどう選ぶかについて解説してきました。外注先選びで失敗しないための第一歩は、要求を正確に伝えることです。まずは実現したいことを整理し、それを候補となる開発会社に正確に伝えることを意識しましょう。その上で、面談では実現可能性コスト進めやすさの3点を評価するための確認事項を明確にし、総合的に判断します。

改めてではありますが、株式会社riplaでは、IT事業会社出身のBizDev、PdM、PM、デザイナー、エンジニアによる専門チームが、プロダクトの立ち上げから成長まで包括的に支援しております。IT事業会社出身のプロフェッショナルなメンバーを集めているため、プロダクト成長を第一に伴走いたします。

riplaのサービス「Product Lab」

また、SaaS事業を低コスト&短期間で立ち上げる「SaaS Box」というサービスを展開しております。

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