HUNTERxHUNTER 第405話(要は冨樫が凄すぎるって話)の考察メモ
0.ネタばれを含むので単行本派の方やまだ読んでいない方は読まないでください
1.ヒソカとクロロとポーカー
第405話はヒソカの「ワンモア」から始まります。
そもそも、天空闘技場でのヒソカVSクロロは「ポーカーをメタファーとして表現されている闘い」であることは、
・晒したカードで闘うよ
・ただのゲーム(殺し合い)
・スタイル(闘い方)
・コール(勝負)
といった表現から明らかです。
その観点で、ポーカーをしているヒソカが「ワンモア」と言っているのは、天空闘技場でのヒソカVSクロロの戦いが未だ続いていることを描写している思われます。
しかも、SQX(スクエアエックス)というゲームのルールの説明にあるとおり、これは降りることのできない「コール(勝負)」し続けるゲームということを表現していると思われます。
そしてSQXの解説にあるとおり、「別名GTH」とは一見、「昇天」という字面とおりなのですが、これは闘いの舞台がブラックホエール号でいうところの第1層に昇天してくるという表現かと予想しています。
SQXのルール(手札を揃えること)やヒソカが見せた手札に意味はあるのか、今のところ詳しくはわかりませんが、冨樫さんは数字や暗号に拘りがあるように思うので、きっと後々あの手札は〇〇を意味していた、なんて話にもなるかもしれませんね。
2.ヒソカの癖(へき)
いたってノーマルとのこと。一部、ゴンに興奮している時点でノーマルではないという意見はありますが、ちゃんとヒソカはゴンが成長してから美味しくいただくことを求めているので、結論ノーマルでおかしくないと思います。
777が出て、そのまま立ち去る描写から、VVPエリアでもひと際有名人になっていくのでは、と思います。
さて、癖についての「アニマルプレイ」や「パーティプレイ」に興味がないというヒソカですが、ここで言う「パーティプレイ」は王位継承戦は勿論、共闘説が正しいとするならば、クロロとの闘いについても言及していると読み取れるのではないでしょうか。
なお、筆者は共闘説否定派です。理由は、冨樫さんの癖で、ちゃんとわかりやすくミスリードをして、ちょっとズラすことで予測を超えてくる手法が構成の基本だと思うからです。つまり、誰もが考え付く共闘説はミスリードで、共闘ではないけれど、何等かの細工はあったのでは、と予想します
3.ヒソカは何がしたいのか
「哀しいけどまいっか、マスべ云々」は一体何を意味するのか。
ヒソカが旅団を狩りたければ、第5~3層に潜み、個別に襲撃すれば良いと思いますが、これはBHの秩序を乱すことにつながることから、接触している王子に制止されていると予想します。
つまり、狩りたいけど狩れない=マスべで済ます、ということだと思います。ということは、旅団が第1層に来ることを待ち続けるしかないという状況ではないかと思います(上で書いたGTHの比喩とも合致します)。
だとすると、ヒソカをそこまでコントロールできるクラスの上位王子か、あるいはヒソカにとって、待つメリット(旅団とは極力分散している状態で闘いたい)があるのか。
加えて、描写から読み取れることとして、偽ヒソカ=ボノレノフはヒソカに対し「本物か?」と疑っている描写が、ヒソカの怪我は完治していることを表現しているのでは、と思います。
天空闘技場での負傷は念でコーティングして「見た目復活」としていましたが、もし未だにコーティング状態ならば、ボノクラスの使い手がそれを見破れないとは思えないからです。(しかし、ヨークシンで団員が占いの上書きを読み取れなかったことと矛盾するので、ドッキリテクスチャーを見破るのは極めて難しいのかもしれないですが)
4.ボノレノフは第1層で待機する、つまり・・
ボノレノフは団長に「第1層でヒソカを見つけたら待て」と言われています。航海中なので、電話やメッセージでの伝達ができない前提なので、ボノレノフが戻ってこないこと=第1層にヒソカが居る、と判断し、団長は第1層に来ると思われます。
またまた、描写について考察ができる箇所がありました。それは、ボノレノフが変身する際に、目撃者がいるということです。
目撃者が「不審者がいる」と通報→「音を出して変身していた」と供述→ヒソカがそれを知る、となると
ヒソカは旅団の全員の能力を知っているわけではないので、ボノの能力を知らないとしても、変身できるのはイルミorその他能力を知らない団員、と予測し、その中でも「音を出して」でボノにたどりつくならば、これをキッカケにボノはヒソカに狩られるのでは、と予想します。
しかし、ボノは普段は包帯で姿を隠しているため、ヒソカはボノが音を出すこと自体知らない可能性はあります。
とういか、一緒にいたはずのシズクどこ行った??
5.ヒソカの変身に関するミスリードがえぐい
ヒソカに変身していた人物がボノレノフであったことは驚きでした。しかも、そのストーリーを成立させるために、リンチにも変装していたという裏付けを加えるというのは、脱帽でした。
筆者は化け合戦を予想させるミスリードで、誰も変装していない、という予想でしたが、ヒソカクロロ説、イルミヒソカ説等、ミスリード(しかも映画館の描写で遊星からの物体Xという化け合戦映画の看板の伏線も見事回収)が本当にうまい。
しかも多くの人が思い込んだヒソカクロロ説に対するアンサーかのように、最初のページで登場するヒソカの「掌」が見えるように絵を描いている。2ページ目ではしっかりと「掌」を見せることで、「コンバートハンズを使ったクロロではないよ」としっかり絵で表現している。これも凄すぎる。言葉を遣わずとも、読者と読みあいを楽しみ、答えを絵で表現する・・要は冨樫が凄すぎるってことです。
6.リンチが発見されたら
殺されたリンチが発見されたらシュウ組は報復すると思います。ただし、犯人が旅団員であると特定するのは難しいと思います。変装していたヒソカが誰か≠旅団とは直結しないからです。旅団側で変装できる能力を知っている人も少ないはず(ボノは団長に「実は」的な感じで変装の能力を打ち明けていたため)
そこで、4.で書いた目撃者につながるのでは、と思います。
シュウ組:変装できる能力者を探せ、第1層に居るはず
↓
第1層:報告があります
となると、シュウ組が第1層に来てボノを処分するというストーリーもあるかもしれません。ヒソカと獲物の取り合いになるかもしれませんが。
シュウ組がボノを処分すると、シュウ組VS旅団の構図が誕生します。すると、シュウ組とシャ組は連携、シャ組は旅団と連携、シュウ組は旅団と対立という矛盾が生じ、均衡(=バランス)は崩壊することとなります。
7.ジョーカー/シャ=ア一家のねらい
そもそも、シャ組は均衡のために、
①エイ組を一掃したい
②旅団は危険分子、潰したい
③ヒソカと旅団を会わせたくない
④そのためにシュウ組と連携する
という考えで動いていました。したがって旅団とエイ組で潰しあいをしてくれると助かる、という立場です。
これに基づくと、「こいつら思ったよし早くお前にたどり着く、ジョーカー云々」という表現が何を意味するのかを考えたいと思います。
シャ組の考えの中で、旅団に係るものは、①②③
その上で、①は旅団(3名)と潰し合いさせられそうであることを考えると②か③を達成するためのジョーカーと考えられます。
②の場合は、第3層以下にいる残団員を始末しておくジョーカー(この場合は組の構成員かと思います、薔薇のタトゥー入れてるシャ構成員の団体かもしれません)かな、と予想しています。
ジョーカーをヒソカとするという考察もありますが、これも「ジョーカー」という表現によるミスリードだと思います。そもそもヒソカには「旅団がエイ組をつぶすまで大人しく第1層で遊んでてくれ」というスタンスなのでわざわざ投入するメリットがないからです。そもそもシャ組が把握しているヒソカは偽物ですし、過去のオウさんの話ぶりからすると、本物のヒソカと裏で繋がっているとも思えませんし。
想像もつきませんね。旅団には上層でエイ組と潰し合ってほしい、でもヒソカがいるから第1層には行ってほしくない。ヒソカが殺されてしまうと、旅団にエイ組を始末させる建前がなくなってしまう。となるとヒソカと旅団を引き離すジョーカーが③の目的に合致しますが、これは想像することは難しいですね。
つづく
モレナのねらい、やリスノースの件も書きたいのですが、思ったよりボリュームがあったので、余力があれば書きたいと思います・・・
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