
第3回: 業務委託で経理を整備するためのポイントと注意点(3/4)
1.はじめに
スタートアップにおいて、経理業務は会社の成長を支える重要な要素です。しかし、自社で経理人材を雇用するのは特にコスト面で難しい場合が多いです。こうした課題を解決する手段として、業務委託で経理業務を外部の専門家に依頼する方法があります。本記事では、スタートアップが業務委託を通じて経理を整備するためのステップと、スムーズに進めるための注意点について解説します。
2.業務委託で経理業務を整備するポイント
① 委託したい業務の範囲と目標(目的)設定
まず、委託する業務の範囲を明確にし、何を達成したいのか目標を設定しましょう。仕訳入力や決算サポートなど日常業務を外注したい場合は、どのタスクをお願いしたいのか、どのタスクは内部に残しておきたいのか、また業務プロセスの構築支援をお願いしたい場合は、それにより何を達成したいのかを予め考えておく必要があります。これらが不明確なままだと、委託した業務の成果が思うように出ない可能性があります。
② 適切なパートナー(外注先)選定
経理業務を委託するパートナーを選ぶプロセスも重要です。経験豊富な経理人材を選定することで、業務の質を確保し、効率化を図ることができます。選定基準としては、業務内容に合ったスキルを持つか、過去の実績や評判、さらに料金面などがポイントになります。ただし、経理業務に馴染みのない方が経理人材を選定する際、どういった経験やスペックがあれば期待した質のアウトプットが得られるのか判断が難しいことがあります。そのような場合は、経理業務に精通している専門家の協力を得ながら人材を選定することを検討してください。
③ 定期的なコミュニケーション
業務委託で経理業務を進める上で、定期的なコミュニケーションを図ることは不可欠です。進捗状況や課題を定期的に確認し、情報共有を行うことで、業務の遅延やミスを防ぐことができます。たとえば、毎月の報告会やメールでのフィードバックなど、定期的な連絡を取る体制を整えておくことが成功の鍵です。
3.注意点
① 進捗や成果物の確認と適切なフィードバック
外注した経理業務の進捗を定期的に確認し、必要に応じてフィードバックを行うことが重要です。業務や成果物のクオリティ、また納期の遵守をチェックすることで、業務がスムーズに進むことを確認します。コミュニケーション不足によって外注先と認識のズレが生じることを避けるためにも、進行状況をこまめに確認することが大切です。
② 柔軟な対応と改善策の導入
業務委託のもう一つの重要なポイントは、柔軟な対応と改善策の導入です。スタートアップのニーズや業務環境は常に変化するため、業務委託先に対しても柔軟な対応を求めることが求められます。例えば、新たな業務の追加や業務プロセスの変更が必要な場合でも、迅速に対応できる体制を整えておくことで、業務委託の効果を最大限に引き出すことができます。
4.さいごに
スタートアップが業務委託を通じて経理業務を整備する際には、慎重に進める必要がありますが、適切なステップを踏むことで、その効果を最大化することができます。結果として、コスト削減や業務効率化を図ることができ、スタートアップの成長をより強力にサポートする体制が整います。業務委託をうまく活用して、効率的に経理を整備していきましょう。
次回の記事では、経理業務を業務委託することで生じるリスクとその対応について詳細を説明していく予定です。
P.S.「スキ」、フォロー、大変励みになります!
ウェブサイトもご覧いただけるとありがたいです!
https://gyotak.com/