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20年ぶりのポワント変更とポワントレビュー

去年(2023年)は7年ぶりくらいに発表会に出演することになり、真面目に(?)ポワントクラスを受け出したのですが、10代の頃からずっと履いていたはずのものが合わない…という結構深刻な問題に直面しました。試行錯誤とかなりのお金を注ぎ込んで良さげなポワントに出会うまでの道のりです。



ポワントはとにかく種類が多い、そして今はものすごく値上がりしているので、履いていたものを変更する、というのは経済的にもリスクが高いです。 足に合ったポワントに出会えれば相当パフォーマンスにも影響することは間違いありません。いろんな人のYoutubeをみましたがプロのダンサーもあれこれ替えながら試行錯誤されていたりされてきたようです。 100円とかで買えるなら全部試すとこともできますがそうはいかないので、まずは自分の足の正確なサイズと特徴、踊りで求められることを見極めることが大事であると感じました。     

10代の頃から履いているポワントで思考停止

バレエ少女だったはるか昔、私の足は幅広、甲高で、おまけに筋肉質で足が強く、当時バレエ教室で「最初のポワント」として先生が生徒に履かせていたアビニヨンはすぐに潰れてしまいました。そこで色々試した結果出会ったのがJR大塚駅のTOMONというバレエショップで見つけたロシアのポワント、Rclassでした。

Rclassの良いところは硬さがいくつか選べ、硬いものはかなりもちがよく、おまけに値段が他のポワントと比べて安かったということです。この安さが決め手になってそれ以来Rclassを履き続けていました。

突然内反小趾になる

発表会にむけて何十年かぶりに真面目に週に何度かポワントクラスを受け始めると今まで感じたことのない痛みを左足の小指に感じるようになりました。 よく見ると、左足の小指の付け根がちょっと飛び出している…いわゆる内反小趾の状態。これは驚きました。子供の頃からバレエをずーっとやっていてこれまでこんな状態になったことはないのです。

これのせいで足が痛くて仕方がない。これは困った。ポワントが足に合わなくなったのだろうか、と考え初め、難民の始まりとなりました。

10代でRclassに出会ってからただの一度もポワントを変えよう、と思うことがありませんでした。Rclassに満足していましたし、何しろ安くて硬い、だったので(もちろんかつ踊りやすい)。しかし多少の経済力がついた今、もしかしてもっと自分に合うポワントがあるのであれば見直してもいいのではないか、と考えました。Rclassはロシア産のため現在の情勢のこともあり、とりあえず試しに別のポワントも視野に入れようと考え始めました。


おばちゃんたちの余計な助言 - 本当に余計なおせっかいはやめてほしい

ここでまた大人バレエの愚痴になりますが、基本的に私は先生の助言を求めます。今の先生のことを信頼しているのです。なので、先生にポワントの相談をしていました。するとわらわら寄ってきていらん助言を下さる大人バレエの生徒の皆さん。

「あなたは私と同じような足をしているからー、グリシコのフェッテがいいわよ」とか言われる。確かに彼女も甲があって厚い足をしてますのでそうなのかな、とも思ったのですが、よく考えると彼女がしっかり踊れているわけもなく、バレエ経験も異なり、甲高で肉厚なだけで足の形は違うかもしれない(そこまで聞いてない)、発表会のためにポワントに求められることも違うわけです。その人がめっちゃ綺麗でぐるぐる回れて尊敬するような生徒なら話は別ですが、そうではない。

私は先生に聞いているのであってあなたたちには聞いてない。てか人のことに口出す前に振り覚えろよ。

と、思いました。振り付けとかレッスンの時でもそうですが、基本聞かれてないのにあれこれ言うのはやめた方がいいと私は思っております。というかやめて欲しいです。なので私も聞かれない限り答えません。その辺のことは下記の記事に書いています。

チャコットでフィッティング

大人バレエおばちゃんたちよりはプロを信用したい私はチャコットで事情を話し、勧められたのがベロネーゼll、24cmでした。とりあえず買ってみたのですが、詳しいレビューは後述するとして、バリエーションを踊ると足についてこないような。先生にも、「ポワントがついていってない感じがする」と言われて見た目と自分の感覚が一致しているのだな、と思いました。

後から考えるとこれはサイズが合っていなかったせいだと思うのですが、この時点では気づかず。足に合わないのかなと思いました。またフィッティングの時は良さそうと思ったのに実際踊るとやはり内反小趾が痛い。

またここで気づくべきでしたが、実は大人バレエおばちゃんとバレエ用品店のフィッティングの人、そんなに差がないのかもしれません。後述しますがバレエ用品店の人はシューズの専門家ではない場合の方が多いのです。

シルビアでフィッティング

それはさておきとりあえず、チャコットのベロネーゼがイマイチだと感じた私は長年のバレエ友達からゲイナーが良いと聞いたので試しにゲイナーを扱うシルビアに行ってみました。

ゲイナーも出されたものはポワントで立つと内反小趾が痛いと感じたのですが、ジェルが入った厚めのパッドを出されて、これで緩和できるのではないかと提案されました。なるほど、とその時は思ったのですが私、ジェルぱっと好きじゃないのです。パッドは薄めが好みです。 ここでも実は要注意ポイントが。パッドとか、何かを変えろ、というお店の人、本当に信用していいのか。

ゲイナーって超高いんですよね。でも、「Rclassの3倍もつ」と言われてコスパはいいのかしらと思いました。洗濯機で洗えるらしいし。とりあえずその日はゲイナー1足と、Rclassのこれまでより一つサイズと幅が大きいものを購入しました。

フィッティングでは、痛みを感じると基本的にはワンサイズ上のものを勧められます。これも実は要注意ポイントです。

まさかのゲイナー禁止令

ゲイナーを履いてレッスンに出たら先生に、ゲイナーは履かないでほしいと衝撃の禁止令…。高かったのに!

購入後にゲイナーについて調べてみると、確かにゲイナー嫌いの先生たちが存在することを知りました。ゲイナーの特徴として、ソール部分の素材が他のポアントと異なりプラスチックで、立つのを補強してくれるような効果があるようです。なので特にこれからの未来がある若い子には足裏を使う練習にならないからと使わせない先生がいるとか。

私のような未来は全くない婆婆バレエの生徒でも、先生としてはドゥミを使えなくなるからゲイナーはだめだと…買う前に言ってくれと思いました。まぁこれがなくてもゲイナーはバッチリ合っている、とは感じられなかったのでこれっきりにしたもしれません。立ちやすくはあるのですが、やはり下からぽんと支えられて立つような感覚はあります。ゲイナーから他のポワントに履き替えるとバイーンて感じのジャンプアップになってしまいました。

Rclassにも問題発生

さてゲイナーと一緒に購入したワンサイズ上のRclassですが、こっちも問題が発生しました。ろくに使っていないのにまっすぐ立てなくなってしまったのです。中途半端なところで止まってしまうというか、上から潰されたようになっていると言うのか、これは初めての現象。

問題点の整理

チャコットのベロネーゼも、ワンサイズ上げたRclassも最初はいいのですがだんだん足に対してソールが横にずれているような感覚がありました。回転の練習をすると、軸足の先がついてこないような、グリングリン回ってしまっているような感じがしました。

ここでようやく、サイズが合っていないのではないか、ということに思い至ります。特に、内反小趾が痛い -> 大きめのサイズになっている、で、左足にはいいのかもしれないけど右足には合っていないのでは?など考えました。

素晴らしいサイトを発見。自分の足の形と合うポワントの傾向をようやく知る

悩みまくって検索しているうちに見つけたのがこのサイトです。昔から合って有名なサイトのようです。これは素晴らしいサイトです。

http://www15.plala.or.jp/miagolare/index_pointe.html

 

自分の足のサイズと形を知る

自分の足のサイズを誤解していたことに気づく

まずはこのサイトにあるように、フィッティング前に自分のサイズを改めて測定しようと思いました。私は普段24.5cmの靴を履いています。Rclassだと、38というサイズ。シルビアで勧められたのは38のワンサイズ上の39です。

衝撃的なことですが、家で測ると足の長さは23cm程度しかありませんでした。信じられず、何度か測ったのですが何度やってもそのくらい。24.5cmとは1.5cmも違います。Rclassの39なら25cmなので2cmも大きいポワントを履いていることになります。そりゃソールもずれるわ。

またこのサイトを読むと、外反母趾や内反小趾だからとどんどんサイズを上げるのは間違いであることがわかります。むしろ大きいから擦れていたいのです。ピタッとホールドしてくれるようなちょうど良いサイズが最適なのです。

自分の足の形を知る

このサイトによると私の足は「ギリシャ型、先広」となるのではないかと思っています。人差し指が親指よりほんのちょっぴり長いのですがほぼ同じです。また、幅は広く甲は高く足は分厚い。

という条件を踏まえてサイトにある「ぴったりトウシューズ早わかり表」をみてみると、私はグラフの右上の方にあるポワントが合うはずです。しかし実際履いているのは左下に位置するポワントなのです。

なんてこった。

これでようやくBlochという選択肢が浮上しました。ゲイナーを勧めてくれた友人が、Blochの話もしてくれていたことを思い出したのです。Blochも硬くておまけに軽いと言っていました。

 Blochの試着

早速チャコットにブロックを試しに行きました。今回はセルフフィッティング。サイズは23cm - 24.5cmくらいまで、幅も普通幅、広幅とこれまでよりも範囲を広げて試してみました。グラフに記載されているのはセレナーデ、ソナタ、スープリマ、リハーサルですが、チャコットにあったのはセレナーデとソナタと何か別の種類だったので、セレナーデとソナタを試着。

ソナタはボックスが大きすぎて下に沈む感じ、セレナーデは見た目は薄そうに見えるのですが履いてみるとちょうどいいホールド感!

ちなみにいきなり分厚いパッドを入れずにパッドなしで試着し、ちょっとパッド部分の余裕があるなくらいのでパッドを入れて試しました。

また、足がむくむので午後3時以降にフィッティングすべしとどこかにあったので忠実にそれを守って大体3時くらいに行きました。死ぬほど悩んだのですが購入したのはブロック、セレナーデ、サイズ3の幅E。

サイズ3はなんと23cmです。幅Eは一番広い幅。

足のサイズの誤解がなぜ起こったか

硬くて安いRclassのみで考えていた私がRclassを履こうとした場合、Boxが狭いところに足が入らずにサイズと幅を上げることになり、結果的に自分の足は24.5cmである、と誤解したのだと思います。

Rclassのドルチェを履くとこんな感じ

みるからに窮屈。また今回変な風に潰れてしまったのですが、それがこんな感じ


これで精一杯立っているのですが、トウ先から数センチのところに横に線が入っています。ここで折れた感じになってつまって立てないのです。

Blochと比較してみると


白い方がRclass,ピンクっぽい方がBlochです。



重ねてみると、ボックスの厚みが結構違います。Rclassは私の足には狭すぎたのではないかと思っています。

Blochセレナーデの使用感

まず、Bloch買って家に帰ってビール飲んだら入らなくなりました。足のむくみ恐るべし。ちょっと不安になったのですが、最悪パットはストッキングにしようと思ってストッキングを切って準備。次の日のポワントクラスで使おうと持っていき、バレエシューズでのレッスンの前に履こうとしたらギチギチ。でもレッスン終えてポワントクラスの前になるとすんなり入りました。レッスンでむくみが取れるのでしょう。足のサイズが1日でかなり変動することがわかります。

Blochはボックス部分のホールド感がしっかりしていて安定。ソールは硬いですが切るのは怖いので、4/3くらいの位置(踵のほう)をグイグイ曲げてみました。

Rclassより軽く感じます。踊りやすい。幸いリハーサルの前に2回ポワントクラスを受けることができたので、一応ベロネーゼとBlochを持っていき、Blochでリハーサルに挑んだところ、リハーサル中にポワントのことを考えることがなかったです。気にせず踊れるって素晴らしい。

一番広いE幅を買いましたが、馴染むと一つ狭いD幅でもいい気がします。

途中でへたることもなく、ただパドドゥだったのでかなり柔らかくなった印象を受けました。もう一足くらい買って交互に使うのがいい気がしています。

難民脱出?

とにかくポワント問題が解決してホッとしました。パドドゥに間に合って本当に良かった。

2024年。再びRclassへ

 ここから今年(2024年)の話になるのですが、またRclassに挑戦しています。理由としては単純で、Rclassの見た目が好きでできれば履きたい、と思ったことです。Rclassもどんどん新しいシリーズが出ており、友人に教えてもらったRCシリーズを試してみると、RC32という製品がかなり足にも合い、軽くて良いです。
また、ドルチェの最近の製品が立ちやすいように先の方のソールに切り込みが入っていること、おそらく私が昔使っていたのはその切り込みがない製品で、なので逆に変なとこでひしゃげるようになってしまったのではないか?と思いました。昔の切り込みがないタイプが受注生産で注文できたので10月にシルヴィアで頼んでみたのですが来るのは半年後と言われてしまいました。4月?!

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