
ノンキャリ外交官ヒロじいの面白スペイン語勉強法②便利な表現
ヒロじいがスペインに語学研修生として在マドリッド日本国大使館に着任して最初に覚えた便利な表現についてお話しします。
駆け出し外交官の私が苦戦したのは、電話の応対でした。日本語でも電話の応対というのは、簡単なようでなかなかコツがいります。
外部の方からの電話をとると、「どちら様でしょうか?」と丁寧に尋ねる表現があるはずですが、みなさんは大丈夫ですか?英語ではどうでしょうか?英語の話はさておき、スペイン語についてお話しします。英語は申し訳ありませんが、ご自分でチェックしてみてください。
ヒロじいが、スペイン語での電話の応対で一番重宝した表現、それは、¿Con quién tengo el gusto? です。コン キエン テンゴ エル グスト ↑ です。スペイン語でも疑問文は語尾が上がります。直訳すれば、「私は、どちら様と喜びを共有しているのでしょうか? 」といった感じで、少し型苦しい表現のように思えますが、ヒロじいの訳は、「お電話をいただきありがとうございます!どちら様でしょうか?」くらいだと思います。
どんなにランクの高い人からの電話かわかりませんので、この表現には重宝しました。丁寧すぎて悪いはずがありません。
私の訳は、状況によってどんどん変わります。レセプションやパーティで、見かけたことはあるものの、これまできちんと話していない方を見つけた時も、ニコニコしながら ¿Con quién tengo el gusto? です。「失念しているかもしれませんが、どちら様でしたでしょうか?」の意味で使えます。もちろん、初対面の方に先ずこちらから自己紹介して ¿Con quién tengo el gusto? というと、相手はとても愛想よく自己紹介してくれることでしょう。
スペインのサラゴサ Zaragoza 大学で約1年の語学研修を終えて最初に赴任した国は、メキシコでした。
中南米で「もしもし」は、 「アロ Aló!」です。なかなか聞こえないときは「アロ!アロ!」、アロ!アロ!というのは、英語の hello! hello! から来ています。スペインでは 「オィガ Oiga!」、返事がないと「オィガ!オィガ!」といいますが、これは「聞いてください」という意味です。
当時のメキシコの電話は、こんな感じでした。答える方は、「ディガ Diga!」で、「どうぞ言ってください」の意味です。ちょっと解説します!oiga とdiga は、聞くoir と 言う decir の接続法現在形を使った丁寧な命令形!直訳では、それぞれ、「聞いてください」「喋ってください」でしょうか。当時の電話の回線状況の悪さが思い起こされます。
問題は、誰からの電話かがよくわからない時です。よく使われているのは「キエン アブラ? ¿Quién habla?」、「誰が話してますか?」なのですが、日本語にするととてもぶっきらぼうですね。
キエン アブラですが、Quién は疑問詞で英語の who です。habla は 話す hablar の三人称現在形、「誰が喋っていますか?喋っているのは誰ですか?」という意味になります。かなりぶっきらぼうな感じですが、これで普通は大丈夫です!
初めてのメキシコ在勤時には、大使館や大使公邸で数えきれないくらいの大規模なレセプションやブッフェ、食事会がありました。駆け出しの私の役割は、玄関先で全ての来客に ¿Con quién tengo el gusto? と名前と所属、職名を尋ね、高官がお着きになると、走って大使に耳打ちして知らせることでした。いつも汗だくでした。
みなさんも是非使ってみてください!¿Con quién tengo el gusto? きっと役に立つと思います。
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