あなたに届いていますか
最近ずっと聴いているAile The Shota『Epilogue』について、
聴きながら考えていたことをつらつらと書いてみます。
Epilogue
2023年11月にリリースされたAile The Shotaのシングルです。
音楽的な注釈は省略しますが、
この歌が聴けば聴くほど本当にいい曲。
時にはBPMの速い曲やダンスポップも歌う彼ですが、
一番の彼の魅力は「J-POP STARとして、優しい愛情を音に乗せる」ところだと思います。
Shota曰く「死」という”普遍的”なテーマで書いた曲。
「終わりっていうものを描きたい、なんか歌いたい、あなたに対して何かを言いたい」(encoreオリジナルインタビューより)
という、優しく、そして強い想いで書いた曲です。
人間であればしつこく何度も通る道
会うこと・連絡がつくこと・話すこと・声が聞けること・一緒に笑うこと・一緒にご飯を食べること・触れること・ただ隣にいること。
何気なく過ごす瞬間は当たり前のように感じるし、それが永遠に続くか突然終わるかなんて、誰も想像していない。
でも、人間は失ってからしか気づけない。
あれだけ大切なのに、必要だったのに
なぜ、いとも簡単に手放してしまったのか。
歌詞の通り、それでは本当に「遅い」のです。
または「誰かにとっては当たり前で、誰かにとっては特別だったこと」。
自分にとっては当然であっても、目の前の人には特別に見えることもある。
この曲を聴くたびに、「当たり前の尊さ」に胸が痛みます。
別の曲ですが、Show Minor Savageの『Ocean』でもその節を感じるような歌詞があるので紹介します。
大切な人との時間を愛おしく歌う曲です。
この曲もとんでもなく神曲なので聴いてみてほしいです。
素直に生きる尊さ
「好き」という気持ちはいろんな形があります。
一番言えなくなるのは、どんな時なのか。
その2文字を伝えた、たったそれだけで人間の関係性はどうして大きく変わってしまうのか。
それは良くも悪くもの話で。
私には怖くて言えなかったときがありました。
その時言えていたら、どれだけ良かったか。
私の大切な友人が以前、私に伝えてくれました。
「これからも自分が伝えたい言葉を、伝えたい相手にだけ使ってほしい」
「相手にどう扱われるかは自分で決めていいことだからね」
彼女が彼女なりに精一杯生きてきた一つの答えを、私にこうやって伝えてくれました。
自分が大切にしたいと思う人に対して、
何かの形にして大切にできることもあれば、
それが叶わず、見えないところで、自分の中だけでしか大切にできないこともある。
形にできることが、どれだけ幸せなことなのか。
「”好き”を伝えることに限らず、相手に形にして届けられること」
Shotaの言葉と彼女の言葉が、少し重なるような気がしました。
その尊さに気づいていた”あなた”は確かに何も悪くないと、
心が痛みながらも、私も強く思ったのです。
Shotaの愛情と同じ熱量で生きる難しさ
彼の音楽を聴いていると、「人としての愛情」って何だろうと、
よく考えます。
世の中にはいろんな人間がいますが、Shotaと同じくらい愛の尊さに”毎日”気づいている人は、この世にどれだけいるだろうか。
忙しくて、日々は当たり前のように流れ、今つながっている人たちとの縁がいつ切れるかも知らずに淡々と生きている。
そんな毎日は当たり前ではないのに。
彼の言葉は、私に「人間としての愛」を注いでくれます。
独りで枯れそうな時に、いつも私という人間を復活させてくれます。
Aile The Shotaという存在がどのようにして生きて、一体どんな思いで、
数ある語彙からこんな素敵な言葉が生まれるのか、
想像しながら聴くだけでも、やはり彼へのリスペクトは止みません。