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天職が見つからない本当の理由とは?10%しか知らない自己認識の話(6)
はじめに:理論から物語へ―「天職活動」を実践するために
本書は、「何のために働いているかわからない」状態から抜け出し、自分が本当に輝ける「天職」を見つけるまでのプロセスを、理論と物語を交えてまとめたものだ。単なる理論書でもないし、小説でもない。両方のエッセンスを組み合わせることで、読者がより実践的に「天職活動」に取り組めるようになることを目指している。
ここでいう「天職活動」とは、「就職活動」とは異なる。「天職」とは、やりがいを感じ、楽しく没頭でき、成果を出せる仕事のこと。そして、それをただの運任せではなく、意図的に見つけ出す取り組みこそが「天職活動」だ。本書では、Z世代が抱える停滞感やミスマッチ感の背景を踏まえ、どうすれば自分に本当に合う職種や業界を発見できるのか、そのプロセスを物語形式で描いていく。
天職研究所へようこそ
自己分析に取り組んでから二日後の夜、仕事終わりに約束通り月山明のオフィスを訪れた。
オフィスといっても、そこは都内の閑静な住宅街が並ぶ中でひと際目立つ大きな家だった。いわゆる有名な建築家が設計してそうな雰囲気を感じるコンクリートでできた建物だった。玄関の表札には大きく、「天職研究所」と書かれていた。
優子は勇気を振り絞り、インターホンを押した。しばらくして、秘書と思われる女性が現れ、中に迎え入れてくれた。
優子はそのまま会議室へと案内された。優子は緊張した様子で席についた。会議室には、大きなホワイトボードと落ち着いた木目調の家具と、適度に配置された観葉植物が置かれていた。
さっそうと明が現れた。「こんばんは。自己分析について考えてみた?」明が尋ねると、優子はノートを取り出し、優子は少し間を置いてから答えた。
「はい…自分なりに書き出してみたんですけど、正直、自信がありません。行動力とか対応力が強みだとは思いますが、それが本当に私にとって重要な強みなのか、よくわかりません。あと、ミッションの方もまだぼんやりしていて…」
優子はノートを開き、そこに書き留めた「嬉しかったこと」や「苦しかったこと」を明はノートをじっくりと見ながら、軽く頷いていた。
「なるほど。意外と多くの人は、自己分析の時間を取って書き出すことまでやらない。社会人は忙しいし、休日にやるにしても疲れ果ててできない。だから、ここまでやってきただけでも私は安心した。」
結局みんな天職を見つけていない
「でも、せっかく40万円も払って覚悟を決めたのに、あまり前に進めている気がしません...なんでこんな課題を出したんですか?」
彼女の表情はどこか憤りを含んでいた。自分なりに頑張って取り組んできたつもりだったが、それが結果に結びついているとは思えなかった。その感情が抑えきれず、言葉に出てしまったのだ。
明はその言葉を受け流すことなく、静かに優子の目を見つめながら答えた。
「それは、『天職は自分じゃわからない』ことに気づいてもらうためだ。」
その言葉に、優子の頭は混乱した。
「天職は自分じゃわからない?」
心の中でそのフレーズを何度も反芻する。じゃあ、私は何のためにこの講座に40万円も払って、天職の見つけ方を学ぼうとしているのだろう?明の意図が理解できず、胸の奥に苛立ちと疑念が渦巻いた。
明は彼女の表情を見て、静かに話を続けた。
「書店に行けば、自己分析、適職の見つけ方を解説した本はいくらでもある。YouTubeにも、それをテーマにした動画が山ほど転がっている。けれど、どうだろう?世の中の人たちはそれを見て、本当に天職を見つけられているのだろうか?」
優子は返事をすることなく、じっと明の顔を見つめた。彼の目には何か確信めいた光があった。
「結局、みんな天職がわからないまま悩んでいる。そして中には『天職なんてない』と話す人もいるだろう。」
明の声には、どこか冷静な説得力があった。
自己認識できている人は10~15%しかいない
「それはね、自分のことは自分ではわからないからだ。人は客観的に自分を見られないし、思い込みが邪魔して自分を正しく見れない。
アメリカの心理学者ターシャ・ユーリック氏の研究では、95%の人々が自己認識ができていると信じているものの、実際に正確な自己認識を持っているのは10〜15%に過ぎないとされている。
考えてみてほしい。そもそも自分の才能を自分で見つけて、それを伸ばせるなら、みんな何かのプロフェッショナルになれるはずだろう。じゃあプロフェッショナルとして活躍できている人の共通点は何か。それは、周りの人に自分の才能を見出してもらった経験があるということだ。」
優子はその言葉を聞きながら、何か腑に落ちない感覚を抱えていた。それが何なのか少し考え、ぶつけてみた。
自己分析には限界がある
「そしたら、自己分析をする意味なんてないですよね?自力では天職にたどり着けないということでしょうか。」
明は穏やかな笑みを浮かべながら、首を軽く振った。
「それは違う。自己分析は意味があるんだ。ただし、限界があるというだけだ。その限界を補う方法を知ること、そしてそれを正しく導いていく人がいることが重要なんだ。」
明の目が優子の手元のメモに落ちた。それは彼女が自己分析として書き出してきたノートだった。
「君の書いてきた内容を見る限り、まだ始まったばかりだよ。ここからさらに深掘りしていく作業が大事なんだ。」
(続く)
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