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みそきんと未来の職業
昨日は0時を回るまで読書に耽っていたが、目が覚めてスマホを叩くと午前6時だった。もう一度寝入るには時間がかかりそうだったので、子供達に布団を掛け直し扉をそっと開け階段を降りる。
毎朝のルーティンである愛犬リリーからの熱烈な挨拶を受けた後、うがいをして白湯を飲み、顔を洗ってコンタクトを入れると、一日の始まりを告げるようにクリアな視界が広がる。
休日はあらかじめ決まっている予定がなければ、起床、リリーの散歩、そして軽食を摂りジムに行くのが習慣になっている。ジムは通い始めて約四年になるが、とあるデータでは1年以上継続してジムに通える人は2〜3%しかいないらしい。国家資格よりも狭き門をくぐり抜けているのだから、誇ってもいいのかもしれない。
1時間半のトレーニングを終えてコンビニに立ち寄ると、子供が食べたがっていたあのみそきんがちょうど無骨なプラスチックの箱から品出しされているところだった。喜ぶ子供の顔を想像してしまっては、もう買わずにはいられない。
わざわざ説明する必要もないと思うが、みそきんは大人気YouTuber、ヒカキンがプロデュースするカップ味噌ラーメンで、人気すぎて中々手に入らない代物である。
そんなヒカキンに憧れ、子供がなりたい職業ランキング1位にYouTuberがランクインするなどと10年前に誰が想像しただろうか。TikToker、インフルエンサーなども存在すらしていなかった。動画配信によって、より個の能力や容姿、個性が評価され、それをマネタイズ出来る仕組み(プラットフォーム)ができたのが大きいのだろう。
そう考えると、今の世の中は5〜10年スパンで新しい職業が生まれるのかもしれない。いや、AIの進化で近い将来、数年スパンで職業が生まれては消える世界になる事も考えられる。"今後なくならない職業"という見出しの記事が乱立するかもしれないな。
そんなことを考えていると、Siriに頼んでセットしてもらった5分のタイマーが鳴り響き、みそきんが完成した。甘めの味噌の香りが漂い美味しそうだ。
YouTuberが子供がなりたい職業ランキング1位になることを予想出来なかったように、凡人の私に先の事を予見する事など不可能。私が今できることは、みそきんを笑顔で食べる子供たちを見守るだけだ。
Hey Siri, タイマーを止めて。