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詩集vol.2:二人の始まり

「はーと」
はーと。
僕らのはーと。
雨が降りそうな空に僕らのはーとを投げる。
すると雲からお花が降るんだよ。
僕ら二人で奇跡だって起こせると思わないかい?
僕らのはーとは悲しいあの子を笑顔にできると思わないかい?
君と。
君となら。
もうすぐ桜が咲くよ。
そしたら僕と君で桜の下を歩こう。
それでお花はみんな笑顔。
桜の下はみんな笑顔。
これはきっと僕ら二人のマジックだよ。
笑顔の人混みの中で僕と君。
天まで届け僕らのはーと。
2024/3/28

「ソーダ」
夏の日差しにめまいが
車の中でソーダのキャンディーころがして
海辺を走らせる
シュワシュワプチプチと溶けるキャンディー
夏の雲を横目に僕は君へと走らせる
太陽のようなギラギラ輝くイントロのスムーズな音楽とサマータイム
アイスコーヒーのカップにつく結露。
浜辺で遊ぶ人を流し見この夏を走らせる
僕は君の虜。
2024/3/27

「雨雲と僕ら」
今日は雨
傘の下で訝しげな顔をする
二輪並んで咲く花を見て
雨雲を見て
僕らのことを思う
何も無い僕らのことを
故に何かを作ろうとする僕らを
始めたばかりの僕らを
そうして今日の雨は降る。
2024/3/26

「カフェオレと」
お空の上で
柔らかくて
暖かくて
そんなものが生まれたよ
それは、ふわふわ降りてきて
君と出会う
かつて空の上には神様がいてそれらと人は交流していたというけれど
それはそんな大層なものではなく
それはカフェにあるカフェオレ的なもの。
そしてそばにシナモン
もん、も、もん、もん
シナモンロール。
2024/3/25

「友よ」
友よ
当たり前のように僕の前にる友よ
僕にはそれが儚いものに思える
それは去り際また会えるとでも言うように手を振る友よ
努力と機会とがなければそれは簡単に途絶えてしまうその関係を
君は去り際そんなにあっさりと
2024/3/24

「小雨模様」
小雨が降っている
湿った道に水たまり
脇を見れば小鳥が飛び立つ
薄い雲の後ろから
太陽が僕の後ろ首あたりを照らす。
小雨はこっそりとその思いごと包み込む
しとしとと。
若草の滴り落ちる雫と
太陽の小雨模様。
2024/3/23

「お父さん」
しみったれたシャツに
哀愁と頼りない背中
お酒は週末家で少し楽しむ程度で
ゴミの日になるとゴミ袋片手に家を出る
禿げ上がった頭に
加齢臭のする体
母の尻に敷かれ毎日文句を言わず家事を淡々とこなす
朝一番遅く起きてきてボサッとした「おはよう」
そしてまた家族を背にして今日も仕事に。
子供たちのために建てた家のローンはどれくらい返せたのかい?
僕のお父さん。
仕事に行くその頼りない背中が微笑んだ気がした。
かっこいいよ。
父さん。
2024/3/23

「恋愛論」
くだらない一般論を見て不安になったのかい?
そんなもの気にするくらいなら
彼女に会って、見て、話して、触れて、感じてそれを信じればいい。
くだらない一般論なんか二人の間には関係ない。
二人だけの道を。
それはどんな一般論よりも美しく、強く、輝かしい。
2024/3/22

「チョコ」
マラカスがなる。
ピアノの伴奏はズンチャズンチャと
あとは歌うだけ。
それは、ありのままの心を持って。
ぐるぐる回るライト。
次第と踊りだす人も現れて、
そして、僕らはほほえみ合う。
「ほらね。言ったでしょ」
マラカスがなる。
ライトが回る。
恋をしている。
チョコより甘い。
2024/3/21

2024/03/18
「四つ葉のクローバー〜ミツバチver〜」
君は世界で一番になりたい。
あの子を振り向かせたいから。
でもそれは本質じゃない。
あの子と君の間にあるものよく見れば
見栄でも、姿形でも、実力でも、お金でも、ましてや世にはびこるテクニックでもない。
そんなことより君が感じたあの子とのものを。
君の愛とか
君が見て感じたその子を本当に信じられるかとか
そういうささやかなものだ。
本質はそっちだ。
だから、そんなこと考えずに言っちゃえ
「好きだよ」
って。
僕は言ったぞ。

2024/03/17
「彫る」
木を彫る
時代を彫る
記憶を彫る
仄かな木の匂いと
ノミが進む音
あゝ、いぶかしげな私の故郷さえも思い起こされて。
ただひと彫り。
木に優しく寄り添って
木と僕の間に調和が生まれて。
ノミはただひと彫りと。
2024/3/17

2024/03/16
「真」
京都にて
庭園を見て
寺を見て
絵を見て
書を見て
像を見て
生け花を見て。
心の故郷を知る。
先人の見し風景を感ず。
日本のなんたるや
ここに感ず。
人のなんたるや
ここに感ず。
道のなんたるや
感ず。
我は違わぬ日本人なり。
2024/3/16

2024/03/13
ここはかつて彼等が逢瀬を重ねた場所
文は来るのかと
また明日も会いに来てくれるかと
今の私の気持ちと
何が違おうか
逢瀬を重ねる二人の
何が違おうか
京の都は時代を超えて
2024/3/12
takuto8995

「スカート」
オレンジの空間
コーヒーの湯気が立つ
観葉植物の置かれたシックな場所
タバコを一吸い
コーヒーの立ち昇る湯気はうずまいてたちまち絵になる
おしゃれした娘等は楽しそうに。
組んだ足にタバコの煙を宙に吐けば。
今日の暖かな午後のひだまり。
2024/3/8

「千波湖」
湖面にたわみはなく
平らかに広がる湖に
岸辺に葦がはえたるや。
色の違う水の色を見れば
そこに映る町並みが
長く伸びて湖面に消ゆる
波と言うにはささやかな
のこのゆらぎに
今一時の戯れとする。
2024/3/4

「四人席で」
おじいさん
話しかけていいですかと一言
向かいに座る母と娘
いいですよ。
今日はどこに行くんですか?
娘は照れてなかなか話さない
水戸です
母が答える
おじいさん話し相手を見つけて嬉しく嬉しくてお話が止まりません。
2024/3/4

「おじいさん」
歩くのがおぼつかないおじいさん
今日も道路を渡ります
自動車の切れ目を見て
よちよちと
よちよちと
それは道路の反対側にある一本の花に水をあげるため
反対側に渡ると大切になで
水をあげるおじいさん
だからね
だからね
私は生きてるのよ。
元気いっぱい花を咲かせて恩返ししてるのよ。
帰りもおじいさん。
よちよちとよちよちと
自動車の切れ目を見て歩きます
私の一番のファン。
私のおじいさん。
2024/2/20

「金色時」
夕暮れになる前の空
金色時
空が黄金輝くとき
家々と雲を遠目で捉え
枯れ草と金色と朱色の混じった光を浴びて
ノスタルジックに駆られる
心地よいハーモニー
近代的なビル街もこの時はホット一息
なんか嬉しい。
なんか生きてる。
そんな感じ。
のほほんとしたこの時間。
2024/2/20

「歌唄い」
あ〜と声を震わす
私が歌います
この言葉をあげる
貴方にあげる
そこでこれを見てるお前。
お前だよ。
受け取れコノヤロー!
「頑張れ」
と私は唄う。
2024/2/20

「僕は透明人間」
僕は透明人間。
はじめは色々悪いこともしたけど
もうあきた。
今は。
今は。
だから僕は本当の透明人間。
この感情を持つから
本当の透明人間。
2024/2/20

「機械のダンサー」
腰をフリフリ
踊るのよ
夢と夢をつなぎ合わせて
ほどけちゃいけないわ
悲しくっても
辛くっても
だって私はダンサー
機械だらけの不思議な世界で踊り続ける
私はダンサー
ほら謳歌する音が聞こえる
機械が崩れる音が聞こえる
私はダンサー
2024/2/20

「僕賛歌」
僕の背中に街が溶ける
坦々と時が流れる音がする
一人の悲しさも今なら少し紛れる気がする
なぜなら時間が僕に寄り添ってくれるから
この蒼く気だるげな空気もまた。
これは芸術
僕と時間がつくる芸術。
僕の世界とこの時間が
悲しい音楽が
今だけのものなのだから。
2024/2/20

「Lazy Sunday Morning」
日曜の朝のリネンのシーツ
白い光がベッドルームに満ちて
眠たげな目をこする
なにもない日曜の朝
ずっとねていられるこの幸せ
この白い世界に包まれていく
ぜった〜い離さないんだから
そう言ってこの時間を抱きしめる
2024/2/20

「梅」
まばらに
上品に
梅が咲きました。
昔話のような
祖母のような。
梅が咲けば
御殿様とお姫様がお見えになります。
2024/2/20

「赤」
踏切の音がなっている
雨が僕を打つ
周りの車は僕の気も知らずに通り過ぎる
車の信号、電車の信号
全部が赤
僕の信号も赤になって
2024/2/20

「川の流ほとりにて」
僕のあらゆるところから
湧き出る黄金の泉より流れる水を
両手で大事に大事に受け取って
僕と世界の狭間で
受け取ったものを
丁寧に丁寧に書き写していく
描き写していく
それはやがて君の川の流れに乗って
辿り着く場所にたどり着く。
それはやがてその一雫が色を変え
この地の上を流
そんな嬉しいことはない。
2024/2/14

「駅の人間模様」
高校生が帰宅の途につき始める
トットッと
太ったおじさんが仕事の帰りに
ドッテドッテと
おばあさんが病院の帰りに
テットテット
入り交じる人の中
色んな人が歩きます
行ったり来たり
駅の改札を抜けて
この人間模様。
2024/2/13

「コーヒーミルク」
甘くて温かいコーヒーミルク
淡く湯気のたつコーヒーミルク
向こうの景色がぼやけて見える
ほらできましたよ
冷めないうちにお上がりなさいな
2024/2/13

駅のホーム
老夫婦は旅先の話を
若者は髪をいじりこれからどこへ向かうのか
おばあちゃんはニコニコしながらホームの椅子で
陽の光をぼんやり浴びて
皆電車を待っている
ほらほら。来ましたよ。
僕らの電車が来ましたよ。
駅のホームに電車が来る。
2024/2/13

「スケッチ」
青空
おなじみの家々
体育館
このイヤホンから流れる音楽
使い古されたシューズ
誰かが私を描写する
そのほつれた糸のその先まで
自転車を押して
私の視線の先に
青春の雲
2024/2/12

「フロントメモリー」
私の首筋を風が吹き抜ける
足が弾む
景色が新しい
いつもの通学路の道端の旗が揺れてる
あ、アイスが食べたい
競争ね
あそこのコンビニまで
負けたほうが奢り!
足が弾む
空気が新しい
2024/2/12

「綿あめ」
綿あめを
指先ほどに
ちぎってちぎって
青空に
それは山々を
大地の雄大さを
空気の穏やかを
私の心の。
空にプカプカ浮いている
私の綿あめ
2024/2/11

「工場の煙」
青い空に白い煙
清々しかな
この空の
流れる雲の
香る山々の
あゝ白い煙
2024/2/9

「暖かな昼下がりに」
空気がポロポロと落ちていく
悲しみをおびて泣いている
この暖かな昼下がり
どうしてそんなに悲しいの?
ぼんやりとした午後の昼下がり
空気がポロポロ泣いている
2024/2/10

「松ぼっくり」
松ぼっくりが
コロコロと歩きます
すべすべもちもち
テッコテッコ
コッテンと転んでまた起き上がる
おじいさんとおばあさんは
ポッカポッカ
おちおちしてられません
陽の光に包まれて
3人揃ってテッコテッコ
2024/2/10

「河川敷で」
この気持ち
つらくて
抑えきれなくて
嬉しくて
切なくて
張り裂けそうで
今すぐ抱きつきたくて
この気持ち
思わず笑ってキミを見る
それが精一杯で
思わず涙が溢れて
それでもは君は笑顔で
河川敷で。
2024/2/5
「恋は雨上がりのように」映画 
小松菜奈のラストの演技に感動と感謝と敬意をもって

「瓦礫の中で」
瓶に写った空を眺めて
この惨めな瓦礫の中で僕の心は澄んでいる
この指の間に光る太陽
今日も寒空の下母と肩を寄せ合って暖を取る
でも惨めじゃないよ
空の神様にお願いしたんだ
2024/2/5
ファイナルファンタジーXIV アバラシア雲海にて

「テイルフェザーにて」
立ちはだかる岩山
一人の旅人はぽつりぽつりと話し始める
それは今夜の霧のように深く
それは今夜の闇のように暗い
一度迷い込めばそこは出ることはできない
だから旅人は向かう
そうと分かっていながら突き進む
己のうちに光を宿すその人を探して
2024/2/5
FAINALFANTASY14 テイルフェザー(フィールドの一つ)を散歩して

「埋め合わせ」
雨粒が見える
澄んだ冷たい空気
灰色の空
しみしみと落ちる雨粒
空虚さがこの世界と混ざり合って
少しマシになる
思わず自分が溶けてしまいそうになって
いっそ溶けてしまえたらと
しみしみと雨が降る
2024/2/5

「日立哀歌」
木枯らしが吹く
遠くの景色に霧がかかって
閉じた街の映画館
そこで買ってもらったメダルに
今亡き祖父を思う
閉じた小さな古本屋
そこで買ってもらった故人の日記に
今亡き祖父を思う
あゝ大煙突の寂しいことよ
オオシマザクラの寂しいことよ
2024/2/5
野口雨情を聞きながら
今は亡き祖父にむけて

「野焼き」
遠くの山々がぼやけて見える
かつての記憶を遡っているから
今日は野焼きもあって
焼ける匂いが心地よくて
畑道を遡るとそこは故郷
我が故郷
2024/2/5

「虹の彼方」
いつもの町並み
通りすがりの人
綿菓子のような雲
こんもりとした丘
四角く整えられた植木
「不法投棄ダメ絶対!」
穏やかな川のせせらぎ
ひび割れたコンクリート
ほら、
2024/2/4

「日常の彼方へ」
白いカーテンが揺れる
ポットにお湯が入って
テーブルの上に醤油が置いてある
ティッシュはさり気なく佇んで
テレビのリモコンはそこにあって
ストーブのあたたかな風が足に当たる
日常の彼方へ
僕を。
白いカーテンが揺れる
2024/2/4

「灰色記念日」
のほほんとした
灰色の世界
ため池の水にチョロチョロと水が流れて
立ち並ぶ木々もホットミルクをすすっている
時間が遅れて流れる
聞こえるのは水が流れる音と木々の息吹だけ
ため池にいた金魚はもういなくなっていた。
遠くに見える山々もただしんとして
不揃いな飛び石をちょんと飛ぶ
2024/2/4

「風車の上で」
風車の上に立つ
そこで風に吹かれる
そして僕は思う
世界の広さを
そして僕は思う
この風の美しさを
そして僕は思う
町並みの愛おしさを
そして僕は思う
故に僕ありと
2024/2/3

「迷い森に」
今迷い森にいる君に
冬の寒空の下雪が降るのにずっとこらえている君に
あたたかな毛布を
ひざ掛けをかけて
温めてあげたい
この手がどうか届きますように
時を時代を超えて
僕の手が
僕は君を思ってる
どうかどうか
故に曇りなき空が見えたら
それはきっと
それはきっと
2024/2/2

「君へ」
僕は知る
すべてを知る
たからといって何がどうなろうか
この僕の愛おしさを
この僕の温かさを
だから君に教えたい
君は君でいて
それでいて美しい
何を知っても
故に君にも教えたい
君がそう君が
それでいて美しい
2024/2/2

「やがておしまいに」
柔らかな汗が滴る
図書館のその本のような眺めは
いちづの希望さえ抱かせる
柔らかに滴る汗
ほがらに
ただほがらかに
ただ刹那に
そして刹那に
僕を乗せて。
2024/2/2

「走って走って立ち止まって」
走る
足早に
会いたい
その一心で
迫る思い
したたたる汗
やがて一匹のひな鳥を見て
僕の指先に
そうして言う
行方知れずの君
それは君
だからひとしきり泣いて
良く見たら独りで
2024/2/2

「冬の酔い」
すべての愛で包み込めたらと思ってるんだ
だから君に言えることはないもないよ
僕が落としたたくさんのものを拾って
拾い尽くしたら
こう言うだろう
好きだよ
そうしてこう言うだろう
ありがとう
故に一人でどこまでも
全盲の人がラジオを聞くように
そこにささやかな明かりが灯る頃
僕は調べを歌う
ここに歌う。
2024/2/2

「修論記念日」
僕の過去のすべてが愛おしくて
狂おしくって
やがてくるおしまいのときに
みんなに感謝できる
そんな日を夢に見て
やはりここで良かった
そう思える日を
お祝いしよう
今日の君に
なんでもない君に
ささやかな今日を
夢は夢で愛して
君は君のままで
だから今日もこのまま
缶チューハイでも開けて
だからここに記そう
君が君を愛した日を
2024/2/2

「かつての僕へ」
君がまだ若かった頃
まだ自分の扱い方もわからなかった頃
そのすべてに花束を送ります
そのすべてを抱擁します
チューして撫で回して
大好きです
大丈夫だよ。
2024/2/2

「陽だまり中で」
ギターをつま弾いて
僕の書斎においてある本たちに
君に
そして僕に
もたらしてくれたものを今思う
光に宙に舞うホコリがきれいに輝いて
でも僕はただギターを鳴らすことしかできなくて
それしかできなくて。
2024/2/2
「恋は雨上がりのように」サウンドトラックを聞いて

「雨あがり」
あまりにも切なすぎる思い出は
でも、二人で過ごした日々は確かで
また、二人で過ごした日々も確かで
だたそれだけで。
「恋は雨上がりのように」を見て

「恋は雨上がりのように」
僕らに。
2024/2/2

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