
幻想詩:アルプスの羊
一面の緑に羊飼いと羊たちの群れ。
アルプスの山々のふもと。
子供たちが野原を駆け回って遊んでいる。
山の巨人は知っていた。
川の精霊は知っていた。
村娘のヨーデルの声は雲の上の原っぱに届き
そこにいる金色の髪をした妖精がその声をきき地上に降りてきた。
そして歌を習うのであった。
さあ、歌うのよ。
ヨーデルを。
ヨロロイヨ、ヨロロイヨ、ヨロロイヨロロイヨロロイヨ。
山から巨人が出てきた。
ヨロロイヨ、ヨロロイヨ、ヨロロイヨロロイヨロロイヨ。
川の精霊が面白そうと顔を出す。
ヨロロイヨ、ヨロロイヨ、ヨロロイヨロロイヨロロイヨ。
羊飼いたちがベルを鳴らして原っぱの上を行進する。
「こりゃ、すごいや」
雲の上のある妖精はアルプスの田舎の娘に恋をした。
ヨロロイヨ、ヨロロイヨ、ヨロロイヨロロイヨロロイヨ。
告白するってさ。
言った言葉はこうさ。
「君へ思いはこのアルプスを渡る山脈より偉大で、この丘に降る雨のように美しい。
僕のお嫁さんになって!」
少し考えたお嬢さん。
応えはこうよ
レイイロレイイロレイイロレイイロロ
二人で暮らすの。
レイイロレイイロレイイロレイイロロ
巨人が二人のおうちを立てた。
川の精霊は歌声となって小川に戻る。
さあ、終わるよこの物語。
さあ、始まるよこの物語。
お時間いただきありがとう。
最後に皆さんに祝福がありますように。
ヨロロイヨ、ヨロロイヨ、ヨロロイ、ヨロロイ、ヨロロイヨ。