クリスマス短編集:すてきなプレゼント
ある街に一人の貧しい子供がいました。
彼に親はなく、道端で物乞いをして生活をしていました。
いつか物乞いでもらった古着を着込んで今日も物乞いをしに大通りへ向かいます。
風が冷たく彼は上着を固く締めます。
彼の親は病気で亡くなって親戚に頼ることもできずストリートチルドレンとして生活することになりました。
一人で生きていくのは大変でした。
周りの人からは笑われるし、暴力もふられることもあります。僕がせっかく稼いだお金を持ち去られたこともあるし、酔っ払いに酷く扱われたこともありました。
夜は暗くてさみしいし、雨が降れば仕事を中断して雨宿り。
寝床は公園でした。
今日もいつもと変わらず物乞いをします。
物乞いをしていると、おばさんが大きなお金を入れてくれました。
そして今日寝るところはあるのかとかいつも食べ物は何を食べているのかとかいろいろ質問してきます。
僕はそれにこたえるとおばさんは帰っていきました。
しばらくそんな日が続ました。
そして今日はクリスマス。
街はライトアップされ光輝きます。
それは僕にはよけいにさみしくさせるだけでした。
その日の夜。僕はいつも通り公園のベンチで寝ました。
次の朝、起きてみるとプレゼントが置いてありました。
なんだろう。誰かの置忘れかなともってみると僕宛の名前が書かれていました。
僕はいそいでふたを開けるとそこには一枚の手紙と針と糸が入っていました。
その手紙にはこう記されていた。
「
メリークリスマス。
君にもプレゼントを
その使い方を知りたければ
ここに書かれた住所に来るといい
きっとその使い方を教えてくれるだろう
サンタ
」
彼は住所の場所に行ってみました。
すると、そこは裁縫店でした。
こじんまりとした小さなお店でおばさんが一人で経営しています。
「あの」
「あら、どうしたのかしら」
「その、手紙にここにって」
「どれ、その手紙見せて頂戴」
おばさんはその手紙を見ると
「あなたで間違いないわね」
「さあ、まずはお風呂に入りなさい。沸かしておいたわ。それと着替えもね。おようふくもここに。それが終わったら食事よ。」
少年はきょとんとして言われるがままに風呂を済ませ食事も済ませました。
そこで
「あの、サンタにこれをもらったんです。」
「それね。教えたいところだけどとても時間がかかるの」
「そのためには今日からこの家に住み込みよ」
「それでもいいなら教えてあげるわ」
「え。」
「そして、今日から私のことはお母さんとよびなさい」
「それが食べ終わったらあなたの部屋に案内するわ」
「こっちよ。」
「今日の夜ご飯は何がいいかしらね。好きなものを言いなさい。」
「あの、、、、」
その後、僕はその家の子供となりました。
とある少年に訪れたとあるクリスマスの日のすてきなプレゼント。