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ショートショート:小鳥のさえずり

  • 夫が死んだ日、夫は仕事を早上がりした日だった。

  • ソファーの上でそれはそれはまるで寝ているかのように死んでいた。

  • それから数日夫の腕枕で寝ていた。

  • その時はそれで、夫に夢で逢える気がしたからだ。

  • 最近、久しぶりに夫の夢を見た。

  • 私は、泣きながら、夫の顔を見て、頬を、髪を、耳の後ろを撫でまわした。

  • 嬉しくて、嬉しくて、悲しくて、悲しくて、

  • 夫は

  • 「くすぐったいよ」

  • といいはにかむ

  • それから夢で税金の話とか意外と普通の話をした。

  • 私は夫が大好きだ。

  • 夢が覚めると私は泣いていた。

  • 夫の夢はやけにリアルで、におい、肌触りまで本当なのか夢なのか区別するのが難しい。

  • 私は夫に会えればそれでいい。

  • そして、今日また夫の夢を見た。

  • なんだか、最近あっちの世界から会いに来てくれてるんじゃないかと思うようになった。

  • そして、久しぶりに”した”。

  • やっぱり夫だった。

  • いつもと同じ順序で、いつもの指使いで、やっぱり優しくて。

  • 体ではなく、心と心同士が触れ合うそれは、、、

  • 私はもう離したくない

  • 話したくない。

  • 夜に向かっていくたびにまた夫に会えるのではないか

  • と。

  • なぜなら夜になるしかもう夫に会うことはできないのだから。

  • あなたが大好きで

  • 大好きで。

  • 私は夫が大好きだ。

  • そして、また泣きながら目を覚ます。

  • 小鳥のさえずりとともに私の一日は始まる。

  • 私は夫が大好きだ。

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