
小説:ラハスヤ物語
昔むかし一匹のトラがおりました。
そのトラは周りの動物達から馬鹿にされていました。
なぜなら、ずーっと黙っているからです。
みないいように解釈してトラを馬鹿にします。
トラの心の底にはある神様がおりました。
その神様はこういいます。
「だまっていて私の言葉を吐き出さない。いっそこいつを殺してそとにでよう」
言葉はトラの中で荒れ狂い神様もやつれていました。
「こやつに3つの不幸を降らせよう。そしてこやつを殺すのだ」
「一つは食べ物が毒になるもの」
「一つは寝床が燃えるもの」
「一つはがけ崩れだ」
トラはあるとき草を食んでいるときウサギがやってきてこう言いました。
「トラよ、なにか調子がわるいのか?なら俺の寝床を貸してやろう」
トラは遠慮して自分の寝床に帰ります。
すると何やらおなかの調子が悪くなってきました。
そして寝ることにしました。
ウサギは面白くなくてトラの寝床に火をつけます。
トラはぐっすり。
火が回ってくるとトラは気づきますが体が動きません。
「あら大変」
そこに女鹿が通りかかりました。
火に気が付くと急いで消しました。
「トラさん、大丈夫?」
「はい。すみません。どうも体が動かなくて」
「私が看病してあげる」
そういうと女鹿はトラのことを看病します。
面白くないのはほかの動物達です。
「あいつ、しゃべらないんじゃなかったのか」
「女鹿ちゃんに看病されてうらやましいや」
すると動物たちはトラの住む崖を崩すことにしました。
女鹿はそれを見るとトラをより安全な自分の家に招きました。
崖は崩れましたがトラはいません。
動物たちは面白くないったらありゃしない。
女鹿はいいました。
「トラさんって実は純粋でかわいいのね」
「やめてください。ぼくは、ただ」
「ただ?」
トラと女鹿はお付き合いすることにしました。
あるとき面白くないと思った動物たちがトラに最後のいたずらを仕掛けます。
女鹿を殺すというものでした。
女鹿が散歩していると、そこに蛇がやってきてこう言いました。
「あのトラから離れろ。さもなければかむぞ!」
「噛んでみなさいな、寅が黙っていないわ」
蛇は激情にかられシカを嚙みます。
シカはその場で倒れました。
トラは帰ってこないシカを探しに外へ出ます。
するとウサギが彼の目の前に出てこう言いました。
「君の彼女はがけのそばで倒れている。今すぐ行ったほうがいい」
トラは一目散に向かいます。
シカは瀕死の重体でした。
トラは急いでシカを抱きかかえ病院へ連れて行きました。
「これは蛇の毒だね」
みみずくの医者はそいうと毒を抜けば大丈夫だといいました。
トラの眼光は鋭く今にも動物たちを食い殺しそうな目をしています。
トラは動物たちを集めました。
なんだなんだと動物たちは集まってきます。
大きな岩の上に一匹の寅。
ウサギが言います。
「ねえ、謝ったほうがいいって」
動物たちは集まるとトラにこういいました。
「どうしたのかね。トラよ」
トラのおなかの中にいる神様はというととても怒っています。
寅は咆哮をあげました。
それは、動物たちの心の中にいる神たちを震え上がらせるものでした。
「愛する者に手をかけた、お前たちへの憎しみをにこの咆哮をもって届けよう」
その咆哮は草木を怒らせ、川を怒らせました、そして大地までも。
まず地震が起きました。
次に洪水が起きました。
木々が動き出し根を伸ばし動物たちに襲い掛かります。
トラのおなかの中の神様はずっとため込んできた重いと言葉を、憎しみを、吐き出し、それに共鳴した木々や水の神様、土の神様が怒り彼らに襲い掛かりました。
トラは言います。
「私はシカと出会ってわかった。いままで私を理解しようとしてくれる人は誰一人としていなかった。だから、心を開くことができなかったのだ。」
自然物はトラの心を表します。
荒れ狂う川や土、木々。
寅をいじめた動物たちはその地を追放されました。
それからしばらくたった後
女鹿はそ回復しこういうのでした。
「彼らも悪気があったわけじゃないわ、あなたもあなたよ、もうちょっとしっかりなさいな」
寅は頬ずりします。
「あとで謝りに行こう。僕も少しかっとなりすぎた」
寅は動物たちのところへ謝りに行きました。
動物たちは寅の姿を見るとみな駆け寄ってきました。
そして仲直りするのでした
動物たちは次々に謝ると寅はこういいました。
「さあ、あの地へ戻ろう。僕らの結婚を祝っておくれ」
その後寅と鹿は結婚しました。
動物たちは楽園を作るには僕ら一人一人の努力が必要だと理解しました。
シカは言います。
「お互いを理解しようとすることをやめてしまったら、そこから不和が生まれてしまう。歩み寄ること、は重要よ。」
寅は言います
「僕には君がいる。何者でもない君が。
今はそれで十分なのさ。」
ウサギが家にきていいました。
「やあ、お茶しないかい。クッキーを持ってきたんだ」
「いいよ、今お茶を入れる」
「もうすぐ生まれる子供を祝わせておくれ」