大人になってからの友達
大人になってからの友達、ひよちゃんのこと。
ひよちゃんは私より7歳年上で、友達の紹介で知り合い、家も近所なので仲よくなった。同い年か下手したら年下に見えるくらい若く見える(そしてかわいい)のがうらやましい。とはいえ、私は言葉を交わした相手の美醜がわからなくなってしまうビョーキなので、たまに写真に写る彼女を見てびっくりする程度で、普段はわかっているようでわかっていないけど。
ひよちゃんは面白い。繊細で気を遣うけど人懐っこくて、界隈のマドンナで、年上にも無邪気なため口で話す。明け透けなのに警戒心が強くて慎重で、私には突っ込んでばかりのしっかり者なのに、よそではいじられていたりする。
私はオープン!イエーイタイプのことは好きだけど、先方には私がはまらないことが多いのに、そして卑屈なのであまり信じていなかったけど、ひよちゃんは結構私のことが好きみたい。
この仲よくなり方が面白くも、この年齢ではレアで、そしてうれしいんだけど、趣味友でも推しが一緒でもなく、会社も違う。本当にただ、行き会っただけの同性、同世代(誤差の範囲内だよね、同世代と言うよ)。話す内容も、大半は本当に雑談、とりとめのない話。
なんていうか、子どもの頃みたいな仲よくなり方、友達の種類。
まあ遊び方は大抵、飲みごはんなんだけど。
待ち合わせることもあるし、出くわすこともあるし、どちらかがどこかのお店にいて、「今〇〇来てるよ」って言うときもある。で、行けたら行くし、無理なときも、連絡に気づかないときもある。
お互いの家で飲むこともある。
ふたりでのときもあるし、共通の(時にはそのときが初対面の)知人を混ぜることもある。
36歳を超えて、こんな友達ができるとは思わなかった。
私は「外で飲む作法」に疎いので、いろいろ小さなやらかしをしたりするので、突っ込まれることが多い。その場にいない人の「あれちょっとどうなん」なこと、ディスりみたいなことを私に言うときもある。
それでも不思議と、「あー私がいないときにも私のこと何か言ってるんだろうな、こわ」ってならない。
言ってないとは思ってない。言ってるときもあるだろう。
私はどんくさいし、気が利かないから、「もうまったくりこちゃんはー!」ってめちゃくちゃ言ってそう。
でも全然気にならない。言ってても言ってなくてもどうでもいい。
ここは子どもの頃とは違う。
いち度、ひよちゃんが、共通の飲み友達のことをすごくダメ出ししてたことがある。ああいう子無理、こんなことがあった、ごめんねりこちゃんは仲いいのに、と言いつつ。
まあ私はいいけどひよちゃんは無理なんだな、と思って聞いた。でもひよちゃんが無理と言っているポイントが私には面白くて、かわいくて、好きなのよ、とも。
そしたら数か月後、「あの子と一緒になったから飲んで話したら、なんか楽しかった!私にだってダメなとこあるし、大きく構えていこうと思う!りこちゃんにもいろいろ聞かせちゃってごめんね!」と。
このまっすぐさ、素直さ、好きすぎる。
面白いしありがたいよなーと、昨日(もお店で出くわして、途中まで一緒に帰ってきた)しみじみ思ったので、言語化しておきたくなった。