白くて細い腕についた赤いリスカの跡ほど美しいものは知らない。
人類多種多様な価値観を持ってる。
僕は人生に対する見方や生き方が人とだいぶ違うようだ。高校でできたある友人は「人の身の上の話を聞くのは、本を読んでる感覚に近くて面白い」と言っていた。
僕は本のような人生を歩んだ訳でもないが、人に身の上話をするのは好きだ。過去のことを話すのは、やはり今の自分を正しく理解してもらうには1番手っ取り早いのだ。
僕はFtX、Xジェンダーだ。そして大の女好き。1日に1度は彼女が欲しいか、元カノとの思い出やら好きだった人の幻想を見ている。愛した人はとことん、死ぬまで愛すつもりだ。
僕は僕のことを『異常者』だと思っている。
生まれてくるべきでない人。生を受けたこと自体、存在全てが間違いな人。
僕は僕のことをそう思っている。
上記のようなことを言うと人は必ず言う。
「自分は異常者だとは思わないけどな」
「存在することが間違いなわけない。」
こういう話で神様とか言い出すと、本のようだと言った友人は言う、「俺、無神論なんよなー」と。本当に多種多様な考えがあると実感できたのが、高校に入ってクラスメイトと出会ってからだ。
タイトルの話をしてみよう。
僕はこの話に『白くて細い腕についた赤いリスカの跡ほど美しいものは知らない。』とタイトルをつけた。多分このように考えるのは少数派だろう。拒食症の人の腕が骨と皮だけみたいな腕の人。
腕を切れば赤い血が流れるなんて小学生でもわかるような当たり前のことで。
血と聞くと人は怖いとかそんなイメージを持つのかもしれない。
僕も血は怖い。だが、リストカットの傷口から流れる赤い血はどうにも美しくて仕方がないのだ。
これも同じ。拒食症の人の体。骨と皮だけになったような、関節の浮き出る腕や足。僕はそれらが非常に魅力的に見える。細くて、少し触れただけで折れてしまいそうな腕を僕は自分のものにしたいのだ。
人からの視線や言葉はまさに棘だ。刺さってその記憶は僕の心から離れない。リストカットも摂食障害も他人からすればただの異常行動で、僕と同じように思う人はそう多くないのだろう。
腕を切れば赤い血が流れるなんて小学生でもわかるような当たり前のことで。
血と聞くと人は怖いとかそんなイメージを持つのかもしれない。
僕も血は怖い。だが、リストカットの傷口から流れる赤い血はどうにも美しくて仕方がないのだ。
これも同じ。拒食症の人の体。骨と皮だけになったような、関節の浮き出る腕や足。僕はそれらが非常に魅力的に見える。細くて、少し触れただけで折れてしまいそうな腕を僕は自分のものにしたいのだ。
美しいものは自分のものにしたいのだ。
好きなものは自分の手の内に入れたい。
だから、僕は今日もリスカする。そして他人に止められても辞めない。
だから、体重が減れば喜ぶ。そして他人にもっと食えと言われても食わない。
そんな僕は今日もジャージに身を包む、暑いなって思ってもなお羽織り続ける、傷口を隠すように、僕の思想を隠すように、僕の心ごと包み込んで。