きずあと

僕の左腕には切った跡がたくさんある。
半袖を着れないくらいたくさんある。
この2ヶ月でできた傷ばかり。
もともとケロイド体質のぼくはリストカットの跡が少しケロイド化してしまってる。
てかてか光ってる。

僕は僕の傷を気持ち悪いなって思う。
人間として不完全だから完璧じゃないから生きてたら良くないってずっと思ってる。
ごめんなさい。

僕のきずあとは記憶の中にある。
指を突っ込んで嘔吐したこと、親に怒鳴られたこと、気持ちが落ち着かなくて自分のことを散々殴ったこと、スマホを地面に投げつけたこと、腕にカミソリの刃を突き立てたこと、なにもかもが僕の記憶でありたくない。
僕は記憶をなくしたい。

僕はもっと明るくて誠実で賢明で尊敬される人になっていたのだろうか。
今の僕に分かることなんか何も無い。

日本語も分からないこの頭を働かせるだけ可哀想だ。
文章にまとまりがないときは頭のおかしいときで、頭のおかしいときは病んで落ちきったとき。世界は怖いのだ。