戦争を考える 018 報道の真偽とは

戦争、紛争、事変が始まると、宣伝戦、プロパガンダの応酬となる。第二次世界大戦中も激しかったが、日本人は他民族に比べれば、正直さ、潔さを重視するので、どうも分が悪いように見える。しかしネットの普及によって、日本人もようやく偽情報に慣れて来たが、それでも詐欺に引っ掛かる人が後を絶たない。やはり相手を信じたい、そこまで悪いことを考える訳が無いという性善説が前提であり、確かにそこが島国日本の良さなのかもしれない。

さて今回の侵攻に関する報道の信憑性、中立性、公平性はどうなのだろうか?マスコミは偏向していないのか?感情的になってはいないのか?日本の報道では、まずロシア側と欧米側の情報量を比べれば、どうやら圧倒的に欧米側に軍配が上がるようだ。英語とロシア語の国際的地位の違いによるものだとしても、報道機関が善悪を判断しているということなのだろうか?報道機関に、そんな権限があるのだろうか?どちら側を善意で報道しているのか、どちら側を悪意で報道しているのかの判断を、受け手に丸投げしているだけなのか?次に、報道されている内容の質、真偽はどうなのか?その内容が正しいのか、間違っているのか?もしかしたら海外報道機関からの情報を、ただ流しているだけに過ぎないのか?現地で日本の報道機関は、どれだけのリスクを冒して取材しているのか?報酬が高いのは、それなりのリスクを負う仕事なのだから、妥当性があるのではなかったのか?

情報の選択は極めて重要であるが、さらには何が正しくて、何が間違っているのかについては、悲しいかな、神ならぬ人間では、ただちに判断できるとは到底思えないので、報道機関には、一定の謙虚さと努力が求められるのではないのか。いずれにせよ戦争報道の内容については、日本の報道機関だけに依存しすぎては、一人ひとりの判断を間違わせることにもなるので、充分に注意する必要があるだろう。

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