親子ワーケーションはいいぞin隠岐の島(前)
山陰が好きだ。おそらく知名度的には全国でワーストの部類に入るだろうけど、鳥取と島根が好きだ。
なにが好きって、あまり知られていないとこが好きなんだと思う(山陰の方すみません…) 鳥取と島根の区別がつきにくいところも好きだ。なんでこんな隣り合ってるのに名前似てるん。ちなみに「神様がいるのが島根で、妖怪がいるのが鳥取」なので、とりあえずそれだけ覚えておけばオッケーだと思う。
※八百万の神が集う出雲大社が島根県で、水木しげるさんの出身地の米子妖怪ロードがあるのが鳥取県です。
今回は私の愛してやまない山陰愛の中から隠岐諸島での親子ワーケーションについて熱く伝えたい。訪れたのは2019年9月だけど、内容はさほど変わらないと思うので、いつか、誰かの参考になれば嬉しい。
隠岐の島へのアクセスは飛行機か船
島根県の隠岐の島は、島根・鳥取の県境から北方約60kmに位置し、約180の島と4つの有人島がある。4つの島の名称は下記の通り↓
■島前(どうぜん)3島
①西ノ島町(西ノ島)②海士町(中ノ島)③知夫村(知夫里島)
■島後1島
④隠岐の島町
隠岐諸島へ行く手段は、フェリー/高速船/飛行機の3パターンある。ただし島同士を結ぶ手段は船のみ。今回は松江〜(フェリー)〜西ノ島町〜(フェリー)〜隠岐の島町〜(空路)〜羽田のルートで回った。
それぞれの交通手段のメリットデメリットを紹介すると、
①フェリー
メリット:安い、沢山の荷物(車も)運べる、全ての島を回る
デメリット:時間がかかる
②高速船
メリット:早い、全ての島を回る
デメリット:荷物に制約あり
③飛行機
メリット:早い
デメリット:高い。島後にしか空港がない
子連れで長距離フェリーははじめての私は、ビビりまくって早めに港に到着。用紙に氏名、簡単な住所、等級を記入しチケット購入の手続きを行なった。今回は西ノ島で降りる二等客室(ごろ寝)なので、大人1名3240円なり。息子は3歳だったから無料。
張り切って早めに並んでいたら、これから島に帰るらしいおばあちゃんにヤクルトをもらった。さっそく人の温かみに触れる。おばあちゃんと話しているうちに、西ノ島への2時間半の船旅が始まった。
9月の平日だったため、フェリー内はさほど混雑していなかった。あまりタブレットの類をやらせると船酔いするかなと思い、息子と船内を探検してすごす。さして広い船内でもないので、早々に飽きてしまった。
どうしたもんかと悩んでいる私を尻目に、ネパール人のご家族と仲良くなって、一緒に遊んでもらうムスコ。こういうとき、子供は言語の垣根をたやすく超えるなぁ……としみじみ思っていたら、がっつりと日本語が通じる方々だった。 お互いのことを話しているうちにあっという間に西ノ島に到着。旅はこうした出会いがあるからおもしろい。
西ノ島に到着
松江から2時間半の船旅に耐えようやく初日の宿泊地、西ノ島町の別府港へ入稿した。ようやく……とはいうが、船はほとんど揺れなかったし快適な船旅だった。
島へ到着したのが12時半、宿へのチェックインは15時以降。時間があるので、島の中程にある「浦郷港」から出発するバスツアーに参加することにした。隠岐諸島ではレンタカーが基本のようだけれど、なれない島道を車で行くよりもバスのほうが安心と思う。
実際、道中で狭い道で切り返しができなくて大渋滞を引き起こしたレンタカーをみかけ、しみじみ「バスでよかった」と噛み締めることになった。
浦郷港観光交流センターで国賀めぐりツアーのバスに乗り込む。私たちを乗せたバスは、山道を通りながら大山隠岐国立公園の「魔天崖」に到着した。
国賀海岸は日本海の激しい海食作用を受け、東西に約7kmにわたり「断崖・絶壁・洞窟」続く。高さ100mを超える断崖が続いている中で、一番圧巻なのが「摩天崖」
絶壁×馬=非日常感がてんこもりで、もはや感情処理が追いつかない。
これだよ、これ!! 観光パンフレットに載っている「隠岐の島」といえばこの景色が多いかもしれない。断崖絶壁を優雅に闊歩する馬の写真に惹きつけられ、いつか隠岐諸島に行きたいと思い続けていたのがようやく叶った。
(それにしても都井岬といい、東崎といい、なぜ馬は絶壁にいるのか……そして似合う……)
子連れ旅行のメリットは、なんといっても子どもに沢山の体験をプレゼントできる点だ。本で「うま」という生き物を知っても、どのくらいの大きさなのか、どんな動きをするのかまでは知り得ない。
息子はこの旅で動物特有の臭いがあることや、野生生物は気性が荒いから容易に近づけないことなど、一度にたくさんの情報を吸収した。覚えたばかりの情報を生々と語る子どもをみながら、「連れてきてよかった」としみじみと思う。この瞬間が一番好きだ。
ビーチから5分のゲストハウス「だるまや」
約1時間半のコースを終え、出発した浦郷港ターミナルに到着。ターミナルから、今度は別の路線バスに乗り、宿泊先の「だるまや」がある「中学校」バス停に降り立った。
島で唯一のーーー!信号ーーーー!!!
だるまやは表が商店、裏がゲストハウスの作りだ。オーナーは商店の店主もやり、海にも入るし、なんでもやっている不思議な人だった。
だるまやの売りは、なんといっても海水浴場が徒歩5分圏内というところ。ついて荷物を置き、海へダッシュ! 9月の平日だったので、海は貸切でのびのびと遊ぶことができる。離島万歳!!既に西日が傾いてくる時間帯だったが、海は暖かく、2時間ほど海水浴を楽しんだ。
離島で気になるのが、食事問題。例に漏れず西ノ島も商店が少ないので、あらかじめ用意しておかないとなきを見ることになる。
朝食は自分で用意したが、夕食はゲストハウスにお願いすることにした。だるまやでは、あらかじめお願いしておくと、オーナーが美味しい海鮮料理を振る舞ってくれるので安心(時価)
このカラフルな貝は、「ひおうぎ貝」という隠岐諸島周辺の代表的な海産物。こんなに色鮮やかだが、全く着色していない。
ほかにもサザエ、クエなどを網焼きにして頂いた。やはり新鮮な海産物はシンプルな調理法が一番だと思う。ただ焼いているだけなのに、甘味すら感じるから不思議だ。つまり、めっちゃ美味しいです。
色々出してもらってドリンク込みで3,000円。幼児と二人の夕食代にしては少々値が張るけれど、出てきた食材の希少性を考えると安いもんだろう。
あとは部屋に戻って仕事タイム。いつもは寝るのが遅い息子も、なんだかんだで21時前には撃沈していた。なれない船旅からの海遊びコンボは、かなり体に堪えたようだ。
PCを開いたけれど、一気に眠気が押し寄せて作業はあまり捗らなかったように思う。上陸してから捗らなかったけれど、フェリーでたっぷり仕事ができたからよしとしよう(就寝)
中編に続くーーー