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5歳でローンを組んだ息子、コーヒー屋をはじめる。

遡ること4ヶ月前、伊勢滞在中に菊一文字(刃物屋)で鶴の手芸バサミに一目惚れした息子氏。なんとそのお値段2,000円。大人でも躊躇する価格だ。

確かにこれはかっこいい。

その場では、当然却下して宿へ帰ったが、彼のハサミ熱は冷めなかった。暇さえあればハサミを見に行きたがる。滅多に物を欲しがらない(執着しない)彼が三日三晩欲しいというので、折れて「後払い」で私からお金を借りて買うことになった。

買ってしまった。

この時点で「5歳で借金を覚えるのもなぁ」と、かなり悩んだけれど、「逆に借金の怖さを知ってもらおう」と、2,000円のローンを組んだ。1ヶ月すぎるごとに返済金額がプラス100円されるおまけつきだ。我ながらひどいと思う。


お金を使うのは簡単。貯めるのは大変。

最初はいつものお手伝いで小銭を稼いでいたが、一向に貯まらない。(夫ルールで洗濯畳み一枚1円、お風呂掃除20円)

そうなんですよ。お金を使うのは簡単だけど、得るのはマジ大変なんですよ。「安易にお金を借りることの怖さ」「お金を得ることの大変さ」を感じてもらったところで出した助け舟がタイトルのコーヒー屋な訳だ。

かつて佐藤ねじさんのnoteでみた、「当時小1の息子さんがお小遣いを稼ぐために家内コーヒー屋を開店させた話」を参考に年長向けにアレンジ。当時リアルタイムで読んで、自分の息子が小学生になったらやらせてみたかった取り組みだ。少し早いかなと思うけど、ちょうど良い機会なのでチャレンジしてみることにした。

※引用のために久しぶりにnote読んだら、めちゃくちゃ良いねが増えていたし、追記されていた…!

「インスタントコーヒーを彼のお小遣いで買い、それを入れてお父さんお母さんに販売するのだ!」

やること、やらないことを明確に決めて、5歳でもわかりやすい内容にする。

やること
・自分のお金で仕入れる
・売上管理(ホワイトボードに書くだけ)
やらないこと
・難しいことは教えない
・ドリップしない(インスタントコーヒーを使用)

本人が興味を示さないと意味がないので、難しいことはやりません!

この豆代は、彼が持っていたお小遣いから捻出することにした。この時点ではマイナスなので、ここから増やしていかないと自己資金が減るだけになってしまう。5歳の戦いが(半ば強制的に)はじまったのであった。

何かをはじめるということは、決断の繰り返しだ。

何は無くとも、お店を始めるなら原料の仕入れが必要だ。

「インスタントコーヒーを一瓶買っておけば、あとは楽勝」

などと思ってたけれど、いざ始めようとすると、結構考えることがある……。なかなか面倒だが、できるだけ息子と一緒にやるべきだと思い、スーパーへ仕入れに向かった。

まずは「どの豆を買うか?」を決めないといけない。インスタントコーヒーのコーナーを示して陳列から選ばせたところ、候補に上がったのは2つ。

A:298円で90g入り。品質はたぶん普通
B:428円で80g入り。たぶんちょっとリッチ

息子は「高いといいモノだよね?」と、即Bを選ぼうとしたが、いやいや、そんな単純なことではないのだよ。原価のことなど言いだしたらキリがないが、少しでも世の中の仕組みをわかって欲しいので説明できる範囲で説明を試みた。息子が興味を持って聞いている範囲で「なぜ高い商品と安い商品が存在するのか?」「この一瓶でコーヒーが何杯入れられるか?」などを話して、Aの商品を買って帰宅。

この時話しながら「まぁ、聞いてないよね。聞いてても覚えてないよね〜」くらいに考えていたが、のちに驚くことになるのだった……。

いよいよ息子コーヒー開店

値段に関しても息子と確認しつつ、基本はこちらで設定させてもらった。ホットコーヒーが1杯50円の設定だけど、淹れ方が下手なうちは30円で設定。「お金をもらう以上は完璧な商品を出さないといけない」というのだけは今のうちから覚えて欲しかったからだ。息子は思いのほか真面目に練習し、あっという間に50円(満額)をもらえるようになった。

そして、ある日彼は気づいてしまった。

「おかあさんいつも牛乳入れるよね。スタバで牛乳入ってるとたかくならない?」

チッ、察しのいいやつめ。そう、商品の値段は原価や付加価値の違いにより変わるのだ。説明したもんね、よく気づいたね。ということでカフェラテ、アーモンドラテがメニュー入りを果たした。

まずはここから。出納帳は小学生になってからね!

親からは淹れて、とは言わないので完全に息子氏のタイミングでおすすめトーク、アップセールスをしなくてはならないのであります。欲しければ自分の力で掴み取るのだ!

しかし5歳、けっこう頑張っていると思う。夫がコーヒーを淹れるタイミングを見ているし、顧客の好みもしっかり研究している! 夫はアメリカン寄りのブラック、私はコーヒー濃いめのラテを好むのだが、きちんとそれぞれの好みにあわせている。やるな!

5歳児のコーヒー店:その後

コーヒー店がスタートして2週間経過した頃、私単身で1週間ほど出張に行く機会がった。その間も着々とコーヒーを売っていた模様。

帰って進捗をみたら……。

夫に聞いてみたら「気がついたら値段が変わっていた」とのこと。

ね、値上がりしとる(笑)
謎のインフレが起きていて(しかも全て息子判断でやったらしい)大爆笑だが、全て店長判断でやったらいいんだよ!

しかしこれ……。

明らかに太さが違う

油性ペンで書かれとるやん……。

むすこは、すいせいぺんと ゆせいぺんの ちがいを まなんだ!

(チャララララーン)

おまけ:
その後、順調に全ての借金を返済したことを報告します。順調すぎて面白くない
色々工夫すれば、よりお金が稼げるのが面白かったらしい。がんばれば5歳でも成し遂げられるということですね!


(2022年末追記)

……と、美しく終わった1カ月後。
ムスコがやらかしました。母のiPad Air(2世代セルラーモデル)を角から落としてバッキバキにしてくれちゃいました。

基盤見えとるーーー!

幸いAppleCareに入っていたので、最低限の出費となりましたが、かかった修理額

4,400円

むすこの しゃっきんが 4,400えん になった!!

これは一杯50円でもなかなかキツイぞ!はたしてどうする?!!

折を見て続編書こうかと思います。それまではTwitterで垂れ流していくので、気長にお待ちください!笑

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