子どもでもすぐに取り組めるSDGs! 京丹後で夏休みと環境学習を全力で楽しんだ
2022年8月20、21日の2日間で京都府京丹後にて開催する丹後エクスペリエンス×SAGOJO スクールのワークショップツアーにモニターとして参加してきました。
京丹後ってどこ?
京丹後市は京都府の北部、日本海側に位置します。近い名所ですと天橋立が有名ですね。天橋立から1時間ほど西に向かったあたりが今回の舞台である網野地区です。公共交通機関のみでも行けますが、エリア全部を楽しみたければ車の利用がおすすめです。
今回の案内人のみなさま
八隅さん(通称やっさん)
2019年に京丹後市へ移住。現在はeバイク(電動アシスト付き自転車)を活用して丹後の自然を五感で感じるサイクリングツアーなどをされています。移住をきっかけに海ゴミ問題を知り、「誰でも楽しく参加できる環境活動」をモットーに清掃活動や講演会なども行っています。
岡村さん
ツアーのコーディネーターとして、細やかな心配りをしてくださいました。
英語教育やプログラミング教育などにお詳しく、子どもの教育にとても力を入れていらっしゃいます。フィジカル的な遊びは八隅さん、頭を使った遊びは岡村さんと、お二人のタッグが最強すぎます。
with
地元の子どもたち
今回一緒に海で遊ぶ楽しさ、そして自然の大切さを教えてくれました。
プレシャスプラスチックとは?
さて、今回のメイン目的は「プレシャスプラスチック」のワークショップに参加すること。なのですが、そもそもプレスプラスチックとはなんぞや?という方も多いと思います。
Precious Plastic ここではPrecious Plasticとはどんな取り組みなのか?なぜ丹後エクスペリエンスがPrecious Plasti tango-exp.com
簡単に言えば、自然を汚すゴミ(プラスチックなど)を回収し、再利用していく取り組みです。と表現すると、「要はSDGsってやつでしょ?よくあるやつじゃない?」と思われがちですが、そんな単調な取り組みにしないのが、八隅さんのユニークなところ。「海と密接に関わり、海洋ゴミ問題を自分ごと化する」ため、さまざまな年代が興味を持って、楽しめるよう工夫したプログラムを提供しているのです。それが今回私が体験したツアーでした。
実際のモニターツアーの様子
今回は1泊2日+αで参加した様子をレポートします。というのも、天候不順でプログラムが少し後ろ倒しになってしまったのです。もともと予定されていた内容から変更されましたが、全く問題なく楽しんできました!
1日目:プレシャスプラスチックワークショップ
まずは「そもそもプレシャスプラスチックって何なの?」という説明を受けます。そのためにも、海ゴミの問題などについて学ぶところからスタート。
参加者の年代、理解力に合わせて八隅さんが噛み砕いて教えてくださるので、6歳児でもしっかり理解しながら話を聞けました。
ミズドリのヒナは体重の10%ものゴミを食べていることもある
ペットボトルは土に還るまでに400年かかる。
などなど衝撃的なワードが次々と飛び出します。
海にゴミがある状態は良くないから、海にゴミがたまらないように集める活動をした! でもゴミの集積場にもっていったら、山(集積場)だってゴミがいっぱいだった!
つまり、ゴミをださないようにしたらいい!(マイボトルやマイバック)
あとは再利用できるものは再利用していけるといいよね!
などなど……。
息子はまだ6歳。「環境問題やSDGsのような話題は途中で飽きるのでは?」と見ていましたが、八隅さんのテンポよいトークで20分ほど集中して聞けていました。
最後に出た八隅さんの宿題
「自然の中でいっぱいあそんで
海、山、川、土、花、草、虫、動物を大好きになってください」
これならできる!!
生き物とたくさん触れて、名前を覚えて、より近い存在に感じることにより、もっともっと自然を大切にしようと考える。この気持ちが大切なんですね。
一通り説明が終わったら、いよいよプレシャスプラスチックの生成開始!
しばらく置いて冷却したら……。
美しいマーブル模様のコースターが出来上がりました。これが海に捨てられていたペットボトルの蓋だったなんて信じられないですよね。
この後も、自宅でできるプラスチックリサイクルの方法を教えていただきワークショップ終了。ちょうど八隅さんと岡村さんの子ども達が帰宅してきたので、息子と一緒に遊んでくれました。ワークショップも楽しいし、地元の子とお友達になれるのも貴重な体験だと思います。
初日の行程はこれにて終了。夜は雨でBBQが中止になったので、地元の美味しいピザ屋さんを案内していただきました。食後は岡村さんのお子さんたちと一緒に遊んでもらい、息子大満足で宿にもどります。
今回のツアーのオプションとして、『TENJIKU京丹後』が使えたので、宿泊させていただきました。
2日目:海を好きになろう! 海で遊びまくった1日
「朝は曇り模様だが徐々に回復の見込み」ということで、天気と子どもの体力を見て若干プログラム内容を変更。予定していたeバイクツアーは中止し、ドローン海上散歩と水晶浜ビーチツアー(徒歩)のセットに変更してアレンジいただきました。まさに昨日八隅さんがおっしゃっていた「海でたくさん遊んで海を好きになる」の実践です!
ドローン海上散歩とビーチツアー
小浜駐車場から10分ほど歩いて「水晶浜」という景勝地へ向かいます。あまり人が出入りしないところと聞き、さぞかし美しいプライベートビーチだろうと想像していたのですが……。
確かに水はとても綺麗だけど、とにかく浜辺のゴミの量がとんでもない。(曇っているので暗い色ですが晴れるとエメラルドグリーンの美しい海です)水晶浜は人の出入りが少なく、清掃の頻度を上回って海ゴミが堆積してしまっている状態なのです。昨日八隅さんが話していたので分かっていたつもりだったけれど、実物をみてその量の多さに衝撃を受けました。
私たちは誰かが綺麗にした海しか見ていなかったから。
周囲の浜も、まだ夏だから状態がいいけれど、海水浴客が少なく清掃の頻度が下がる冬場は無数の漂着ゴミで溢れかえるそうです。
浜の現状を見たところで、磯遊びとドローン操作体験をスタート!
岡村さんのサポートを受けて、ちょっとだけドローンを操作させていただきました。移動も含め1時間ちょっと海で遊んで体験終了。このプログラムを「浜で遊んでドローンも飛ばしました」と簡素に表現することができますが、実際は一言では言い表せない体験でした。
子どもたちの「海と共に生きる」姿
このツアーで印象的だったのが、一緒に遊んでくれている地元のこどもたちが、さりげなく海に落ちているゴミを拾っているところ。
彼らの遊び場だから綺麗にして当たり前。ただゴミとして拾うだけでなく、拾ったものからさまざまな着想を得て、おもちゃにしたりアートにしたりもしているのです。
八隅さんのお子さんたちの夏休みの自由研究は、全て海洋ゴミでつくられた力作! テーマといい、完成度といい賞がもらえちゃいますね!
海から流れ着く海洋ゴミだけでなく、浜に不法投棄されるゴミも大問題。想像つかないようなものがたくさん捨てられています。(一部は忘れ物もあると思いますが……。)
たとえばテント。
他にも水中眼鏡、BBQの道具なども!!
「自分だけはいいだろう」という気持ちがこれだけ自然を汚していく……。これまでも海で遊んだら持ち込んだものは持ち帰ることは意識していましたが、あわせて片手分だけでいいからゴミを拾って減らしていくよう心がけます。(ワンハンドクリーンと呼んでいるそうです)
やはり「百聞は一見にしかず」こうした現状をみて、学び、行動に変えていくことがなによりも大事ですね。
朝の活動の後は昼食休憩。京丹後で人気の農園カフェについれて行っていただき、素敵なランチタイムを過ごしました。
休憩時間:本気の、海遊びタイム(プログラム外)
これはプログラム外なのですが、八隅さん親子が海で遊ぶ時に息子も一緒にまぜていただきました。よし、もっと海で遊んでもっと海が好きになるぞ!
息子は波が怖くないようで、「がっつり八隅家と遊ぶコース」でちょっと波の高めのところで、一緒に遊びました。
午後からは前日までの曇天が嘘のような快晴。海も本来のエメラルドグリーンを取り戻しています。波打ち際だとわかりづらいけど、奥はこんなに美しい緑色です。
今回は海に慣れた大人(八隅さん)がしっかり付き添い、かつ息子もライフジャケットをつけて遊びました。個人で入るときは、波が穏やかなエリアをおすすめします。
夕日を見ながらアジ釣り
夕方はみんなでアジ釣りに挑戦! サビキ釣りに初挑戦しました。子どもも大人も同じ条件で楽しめるので、釣りもいいですよね。
この日は全体的にイマイチ釣れない日だったようで、息子はちょっと途中から飽き気味。釣りって忍耐力が鍛えられるなぁ……。と思いながら眺めていました。自然を相手にするということは、必ずしも思い通りにならないということ。「思い通りにならない時に、自分の気持ちをどう落ち着かせるか」も自然を通して学べますね。
さまざまな手法を試しながら1時間弱経過。気になる結果は!
小さいフグとアジが何匹か釣れました!
たくさん遊んで砂と塩汗まみれなので、休憩を挟みます。夕日を眺めながら地元の温泉で一休みして、夜のプログラムに備えました。
夜だって楽しめる! ナイトウォーク
京丹後最後の夜は、八丁浜のナイトウォークツアーを組んでくださいました。ただの散歩でなく、スナガニを捕まえます!
砂浜を、各自ヘッドライトを用意してスナガニハントスタート!
スナガニがとにかく動きが早い! ナイトウォーク=のんびりした夜のお散歩、というイメージとは裏腹にみんな汗だくで砂浜を走り回り、もはや立派なスポーツです(笑)
まだまだ獲りたかったけれど、なにごとも「ほどほど」が大事。ビーチをに往復しておしまいにしました。
十分遅い時間でしたが、息子のアツいリクエストにより、岡村家のお兄ちゃん、お姉ちゃんと少しだけゲームで遊んで就寝。みなさん遅い時間までありがとうございます。
そして翌朝、
なんと、昨日捕まえたスナガニたちがカラッと唐揚げになっている!!
朝早い出発だったのですが、八隅さん親子と岡村さん親子が見送りに来てくださいました。本当に最後までありがとうございました。
新しい価値観に触れられる「SAGOJOスクール」
網野の子どもたちの逞さに触れ、あっという間に過ぎた二日間。息子は体にも脳もたくさん刺激を受け、とても楽しかったそうです。
全体を通して「むずかしいことをわかりやすく」「誰でもとりくめる」ことばかりだったので、付き添っている私もとても楽しめ、学びになりました。
都会にいなくても、好きな場所で好きに生き、子どもたちに10年先を見据えた必要な教育を受けさせている。そんなイキイキした人たちと繋がれたのが今回のワークショップでの最大の収穫でした。京丹後で魅力的な自然と、魅力的なヒトたちがまっていますよ。
今回私が体験したのは「SAGOJOスクール」のプログラムでした。今後もSAGOJOスクールはさまざまな “新しい価値観と出会う旅” を提案していく予定があるそうです。単なるワークショップでは終わらず、地域の面白い人たちと繋り、自分の価値観を変えてくれる旅は、ぜひ子どもにも体験して欲しいと思います。