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短編小説🍸映画BARローマの休日(11)
「じゃあ、ゆきさんは今付き合っている人はいないんですか?」
元ダースベイダーの男が核心をつく。ゆきはなんと答えるのだろうか?ゆきにすすめられたラ・ラ・ランドを飲みながら、2人の会話に耳をそばだてる。
「ん〜そうですねぇ、好きな人はいるんですけど〜…」
とゆきははっきりしない。
「好きな人?」
元ダースベイダーは意外にも攻める姿勢を崩さない。なにがなんでも聞き出そうという強い意志を感じる。ゆきは自分への注目が集まっていることを察したのか、ふいに席を立った。
「あ、ちょっとお手洗い借りるね、とっきー。」
ゆきがトイレへ消えると、男たち3人が残ってしまい、しばし気詰まりな沈黙が流れた。
「お2人はゆきさんと、この店で知り合った…んですよね?」
とっきーが気を遣って話しかけてくれた。さすがはバーテンダー3年目、こういう間のもたせ方も上手いもんだ。
「そうです。僕がふざけてダースベイダーの格好をしてとっきーさんを驚かせた“あの夜”出会ったんです。」
元ダースベイダーの男は嬉しそうに語りだした。この男も彼女に夢中なのだろう。夜という言葉に、ホテルのことを思い出す。この男、彼女とはどういう関係なのだろうか。
(12)へつづく
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