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短編小説🍸映画BARローマの休日(6)

ホテルの前に着くと、彼女が待っていた。

「入る?」

勇気を出して言ってみたが、予想外の答えが返ってきた。

「映画BARローマの休日に行こう。」

彼女はそう言うと奉還町へ歩き出した。

「ちょっと待ってよ、僕、腹減ってるんだけど…」

またこのパターンだ。
一応、自分のことも主張していかないと、すぐに彼女のペースにのまれてしまう。彼女は振り返って言った。

「じゃ、きずなでラーメンだね。」

僕の行きつけの店だ。覚えてくれていたのか、と一瞬じーんとしてしまう。いかんいかん、また彼女の罠にハマってしまう。気を引き締めねば。

「私、初めて行くから楽しみだな〜何ラーメンがおすすめ?」

「自分で決めるんでしょ、どうせ。」

そんなやりとりをしながら、きずなの前にたどり着いた。時間は夜8時。ちょうど映画BARローマの休日も開店した頃だ。

「そういえばとっきー今日はステーキ食べてたね。」

「あぁ、Twitterにあげてたね。」

(7)へつづく。


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りおたろう
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