栗と柿と冷静な査定20
20時が過ぎ、映画BARローマの休日の開店時間となった。2人は店の外から中の様子を伺った。
「こんなとこなかなかこんから緊張するわあ」
「大丈夫、マスター20代やし、かわいいよ」
「そうなんかあ」
彼女がドアを開けると、そこにはマスターのとっきーがいた。
「いらっしゃいませ。お久しぶりですね(^^)」
「いつもたまにしか顔出せなくてごめんね。彼を連れてきてみたよ(^^)」
「あ、例の(笑)」
「こんばんは~いつもうちの彼女がXでお世話になってます(*´ω`*)」
「いえいえ(^^)いつもお店の宣伝していただいて助かってます。こちらのお席にどうぞ。」
2人は言われるがまま、一番奥の席に腰掛けた。
「なんや雰囲気のある店やなあ」
「せやろ?開店当初からずっと応援してきてん。」
「ほな、なんか頼もか」
「ノンアルコールカクテルも豊富やからこの辺から選べばいいと思うよ(^^)」
彼女と彼は1枚のメニュー表を眺めた。
「あ、ここ、タバコ吸える?」
彼がマスターに聞くと、彼女が口を挟んだ。
「あ、ごめん、禁煙なんやわ。」
「せやろなー。ちょっと外で吸ってくるわ。」
「うん、待ってるね〜」
彼が店の外へアイコスを吸いに出ると、彼女ととっきーは仲よさげに話し始めた。
「ねぇ、どうかな?彼。」
「いいんじゃないですか?優しそうで。」
「映画は全然観ないらしいから、逆にそれが新鮮で興味そそられちゃってさ」
「あーそうなんですね。じゃあこのBARに来るの微妙だったんじゃ?」
とっきーは少し心配になった。
(このお客さん、思い込み強くてちょっと突っ走るとこあるからなあ、、、)
「うん、でも私の人生にとってこのBARは大事なポイントだから、連れてきたかったんだよね。」
「そこまで言っていただいてありがとうございます。」
そんなことを話してるうちに、彼が店に戻ってきた。
「こら、何話しとったんや」
「ひみつ(笑)」
そして2人はそれぞれノンアルコールカクテルを注文した。
彼女は、夜は短し歩けよ乙女、を彼は、チャーリーとチョコレート工場を頼んだ。
「さすが甘党やね(*´ω`*)」
彼女が茶化すと彼も笑って答えた。
「おこちゃまやからな(^^)」
つづく
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