ネットワールドアパートメント~301
いらっしゃいませ。
こちらの住人様方のセカイにどっぷりはまられたようですね。
いろんな住人様方を紹介していますが、その先も今後見ることができるようになりますので、準備が終わり次第お伝えしますね。
この度もこのセカイをお楽しみくださいませ。
隣の席で授業を全力で受けてるのは紛れもなく俺の小学からの幼なじみ。
同じ空間で過ごすのもあと少しなのに実感が湧かない。こいつは父親と一緒に暮らす為、小学生の弟と共に引っ越すとの事。
出会いは小学生。別の土地から越してきた俺は、隣の席になったあいつといつの間にか話すようになった。俺は仲良くなるきっかけ覚えてるなんてテレビの世界の話だと思っている。
「今日、帰りにうちで遊んでかない?」
「ごめん、学校終わりや休みの日は家で手伝いしなきゃ親父がうるさくて……」
はじめその話を聞いた時は厳しい家なんだなぁと思う程度だった。日によって眠い目をこすってくることもしばしば。そんな日は授業中も転寝することもあったなぁ。だからと言って詳しくは聞かないし、言ってこないから聞くこともしなかった。何年も何気ない友人として過ごしてきた。
何も多くは語らない俺たちだったが、何も言わずに俺の家に泊まりに来たときは親に頼み込んで泊めたりしたこともあったなぁと思いだしていた。その時は、なんとなく俺の中でこいつを今泊めないといけないと思った。泊めないとこいつが壊れそうとなんか感で思ったんだよな。
「おーい、次体育だぞー。はやくいかないと先生また説教だぜー。」
「おっと、ありがと」
あいつとまた高校生活も大学生活も満喫できると思っていたのにな。あいつだけでなく、あいつに好意を寄せる彼女とも楽しく過ごせる日が近づいていたと思っていた。あいつには1個下の両想いといっても過言ではない後輩がいる。同じ中学に通っていたが、今年から中学生と高校生という身分違いの恋が始まった。中学時代は第三者が見ても、それぞれ両想いであり、またお互い恋心に気づいていないことは俺でもわかるほど。でも二人が会話していると周りは微笑ましく見守っていたんだよな。
おっと、体育の先生の説教面倒なもんで、また今度あいつとの思い出話を話そうと思う。
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