日直

わたしはわたし語で話しています。

ほかの誰にも完全に通じることはないのかも

しれません。

私語はやめてください、

日直の私が大声を張りあげる。

クラスメイトたちの私語はやまない。

私語はやめてください、

再び叫んでも、やっぱり、私語はやまない。

誰もきいていない、

(わたしの言葉を)

かなしみでいっぱいになり

教卓の前で涙目になる。

笑い声が響く。真面目だね、朝の会なんて

適当に終わらせればいいのに、の空気が

許せずにいたのだった。

模範的な日誌を書いて、下校する。

くたくたになる集団生活。

小学四年のわたしの安らぎは
お気に入りのビニールカバーのかかった日記帳を開く時間だった。