チャート分析

チャート分析とは株価の動きをじっくり見て予測を立てる手法です。このアプローチの理論的根拠は経済学の完全競争の下では、すべての現在ある情報は価格に反映されているというものです。経済理論は比較均衡分析で、新しい情報が入った時、どのように次の均衡点に移るかは何も言っていません。こう考えれば株価が変化するのは新しい均衡点への移動途中ということになるでしょう。経済理論はさておきチャート分析アプローチの下では株価には現在知るべきファンダメンタルスの情報はすべて入っているということです。ですからわざわざその会社の収益状況、見通しを調べることはないとなります。テクニカルアナリストが株価をじっくり見ればいいという根拠はここにあります。ただ新しい情報は常に入ってくるのでそのたびにに新しい情報はどのような影響を株価に及ぼすかは考えなければなりません。

私の理解では茶=と分析にはだいぶ違った三つの方法があります。ロウソク足、Point and Figure(P&F), とストックチャートです。ロウソクは短期、P&Fは長期、ストックチャートは一般と解釈しています。ここでは主にストックチャートの話をしますが、ほかの二つも簡単に触れておきます。

ローソク足は日本に昔からあり、今や世界中で使われています。朝星とか坊主とか流れ星とか楽しくなる名前の付いたパターンがありますが、要は或る期間、ほとんどは3日までですが、終値が始値より高ければ当該株は強く、逆も言えるということです。一般的には非常に短期(5日ぐらい)にしか使えませんが転換点を見るのに役に立つことがあります。例えばある株価がずーっと上がってきていて、ある日高く始まったが最安値で終わる場合、ローソク足に危険信号がともったところです。逆も言えます。

ストックチャートでは毎日、毎週新しいデータを付け加えますが、P&Fは新しいデータは或る決めた額だ以上変化がないと入れません。一般的に大きな動きを見るのに適していると言われます。分析法はトレンド、ブレークアウトなどがあり、チャートと似ています。私はP&Fはまだあまりわからないのですが、強烈なファンも多くいます。

ストックチャート(以後単にチャート)分析はいろいろな株価の動きを見るといくつかのパターンが見いだせ、いくつかの典型的なものに分けられ、このようなパターンは将来も繰り返されるという前提に成り立っています。すなわち新しい均衡点に移るときの株価の動きにはいくつかの癖があるということです。

これらの癖がチャートパターンなのですが、実際に行われていることは幾つかのローソク足を線で結び、そこから何かパターンが見いだせるかという作業です。問題は線の結び方が人によって違い、よほどはっきりしたものでない限り千差万別になります。これはちょうどいくつかの星を見て線を引き星座を作る作業に似ています。私は小さい時からなんでこれがおとめ座、大熊座、カシオペアになるのかわからず、私の想像力に欠陥があるのではないかと悩んだものです。

次からいくつかの実際のチャートパターンを調べていきますが、チャートパターンを見つけるのは多分にアートで科学的ではありません。インディケーターははっきりと数字で表されるので文句の言いようがないのですが、ある意味ではチャート分析は相当いい加減なものです。また、相当はっきりしたパターンでも予想に沿う結果は統計的にせいぜい70%という報告もあります。じゃーこんないい加減であまりあてにならないものに価値があるかという疑問が出るでしょう。私なりの結論はYesです。70%近くいけば上等だし、パターンを見つけるのは面白いからです。読者に価値があるかどうかは次から示す例を見てご自分で判断してください。

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