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暴落!別の超長期の株価動向分析

今日は(2020/3/24ニューヨーク時間)は株価は大きく反発しました。DOWで2,113ポイント、SP500 で210ポイント上昇で、2,400を超え、2,447まで戻しました。多くの個別株や株価指数に「売られすぎ」のサインが出ていたので、反発は想定内ですが、大きな反発ですね。この反発がどこまで行くのか、少なくともあと数日のデータがないとわかりませんが、半値返しだと、2,700から2,800ぐらいが目安です。RSIを注意してみるべきでしょう。ここでもRSIが30以下、また70以上になると、少なくとも短期の転換期が近いことをよく示していますね。

今回は私自身の分析ではなく、ウェッブで見つけた面白いと思う記事を二つばかり紹介します。これらは超長期での株価の分析ですが、現在進行中の暴落時に株価を冷静に見るのに役立つと思います。

ウェッブを見ると、非常に多くの株に関しての投稿であふれています。私のところにもメールでたくさんの「分析」が届きます。前にも少し話しましたが、これらの多くは怪しいものです。中にはある程度有名で過去それなりの実績があったアドバイザーが2月中「もうすぐ株は上がる、ここはちょっと我慢のしどころだ。」と言っているのも見ました。彼らのサービスは有料で、彼らのアドバイスに従って投資してきた人は相当の損を出したことでしょう。彼らの2月中のアドバイスの根拠は金利の低下と、主要な企業の収益増加予想です。また、長期のチャネルがまだ破られていなかったので、上昇機運は続くと判断したのでしょう。

きちんとしたデータを使って株価を分析した記事は少ないのですが、そのなかでもロバート・シラーはノーベル賞を受賞したこともあって有名です。上にあるグラフは1880年からのシラーPERで普通のPERと違うのは収益が過去10年のインフレを考慮した,即ち実質の収益だということです。最後のデータは21.7を示しています。中央値が16ぐらいですから、このグラフからはまだ株価は落ちる余地があるように見えます。。

次にシラー氏のデータを使いBoston Consulting GroupのNewfound Researchが行ったブルとベアマーケットの研究からの二つのグラフを紹介します。

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上のグラフは1903年から2016年までのブルとベアマーケットの時間的な長さ、それぞれの株価の全機関及び年率の変化率を示しています。今回のベアマーケットは入っていませんが過去のデータを調べるのも興味深いです。ここでまず気が付くのはブルマーケットのほうがベアより圧倒的に多く、期間も長く、変化率も多きいことです。戦後のベアマーケットの長さは0.3から2.5年で変化は20から49%です。一方ブルは10年以上が多々あり、変化率も600%以上のものが多くあります。

次のパイチャートはブルマーケットの要因を分析したものです。インフレ(青)、配当(オレンジ)、収益(灰色)、平均のPE への戻り(薄い緑)、PEの増加(濃い緑)に分けています。平均のPEへの戻りというのはブルマーケットはベアが終わった時点から測るので、その時点ではPEが歴史的中央値より相当低いことが多いので、まずそこまで戻るという意味合いがあります。

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1987年からのブルマーケットではPEの回復と増加が最も重要な要因であることがわかります。2016年までのデータしか使っていませんが、2009年から始まり今年の2月に終わったブルマーケットはPEの回復と増加が60%ぐらいの要因と分析されています。多分2020年2月までのデータがあれば、これらの要因はより大きいでしょう。PEの増加は主に投資家の企業の将来の収益変化への期待で決まります。私が今回の暴落が相当大きくなるのではと心配するのは、コロナのため厳しい大不況になり、PEは大きく下がり、収益も下がるということです。そうなると2009年からの株価の上昇分はすべて吹っ飛ぶことになる可能性があるということです。そうなるとSP500が少なくとも1,500、下手すると1,000まで落ちるかもしれないのです。こうならないことを願いますが、一応その可能性も頭に入れておいたほうがいいかもしれません。

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