主要インディケータ3:ボラティリティインデックス VIX
この数年株価の変動が激しくなってきて、人気が出てきている指標がVIXです。VIXはVolatility Indexの略でSP500のオプションから計算される次の30日間の変動予想値です。Expirationが30日以内のオプションから計算されています。オプションはそれについている株価の変動が大きくなるとCallもPutも値が上がります。ですからVIXはあくまでも短期でしか使えません。どう計算されるかはさておき、VIXの別名は恐怖指数で、投資家の恐怖心を反映するとされています。下にグラフで表しますが、マーケットが下がってくると逆にVIXは上がります。ここで述べた他のインディケーターとの大きな違いはSP500全体に対するインディケーターで個々の株には当てはまらないことです。ただ大きくマーケットが動く場合、80%の個別株価はSP500と同じように動きます。すなわちほとんどの株とSP500 との相関係数は高いのです。そうなると個別の株だけではなく、マーケット全体の動きにも注意しなければなりません。
簡単にはVIXが上がってきたら株を売り、その逆をすればいいのですが、多くの場合、ある日突然VIXと株価が同時に大きく動き、行動をとるには遅すぎことがほとんどでしょう。そんなインディケーターなんか役に立つのかという質問が出ても当然です。私もだいぶ苦労していて現在研究中ですが、今検討しているのはVIXの動きを短期のインディケーターで予測することです。
上にVIXの2年間の日足と黒い線でSP500を反転させたものを載せています。赤い線はVIXの20日移動平均線です。SP500を逆転させたのはVIXとの相関関係がわかりやすくするためです。このようにするとVIXが上がるとSP500も上がるようになっています。30日間の平均相関係数(二つの相関の強さを表すもので値は‐1から1まで取り絶対値が高いほど相関が強いことを表す。負の値は負の相関、二つの変数が逆に動くということを表す。)は‐0.9で統計的にも非常に強い負の相関を表しています。つまりVIXが上がるとSP500は下がる傾向が強いということです。チャートの下にRSI(14),MACD(12,26,9)と新しいスローストキャスティック(Slow Stochastic)という指標を示しました。このインディケーターを出してきたのはMACDやRSIより反応が早いからです。これは無料で手に入るアプリに大体あります。0から100までの値をとり上昇しているときは株価も上昇、80以上は買われ過ぎ、20以下は売られ過ぎと解釈されます。上のグラフでスローストキャスティクスは10で底を打ち、70から80で頭打ちになっている感があります。少し遅れてRSIとMACDがついてきていて確認のためには役に立ちます。これらのパラメータを変えてみるのも面白いでしょう。覚えていてほしいのはVIXはあくまでも短期の動向を示すインディケーターで中長期の投資にはあまり役に立たないということです。
ほかの面白いテーマを話したいので、ここでいったんインディケーターの話は休みます。インディケーターの話は少し数学的すぎるきらいがあるので、今度はもっと目で判断するチャート分析について話します。私はこのほかにAROON, VTX, Accum/Distなども見ていますがあまり一般的には使われていなく多くのアプリにはないのでここではしません。
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