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心の社会、”催眠療法”というアプローチ(1/2)

Rioです。

2018年10月に、脳科学的催眠理論をベースとした、ヒプノセラピーを学べるホリスティックアカデミーで、土日の2日間で学べる、催眠療法ベーシッククラスを受講しました。結論から言うと、受講して良かったと思います。思考の幅が広がったのは確かです。ベクトルが真反対に見える、科学とスピリチュアルの間(冷静と情熱の間とも言える)を知ることで、自分の振れ幅が広がったのかなとも感じます。HPで動画による解説を観ることもできるので、ほんのちょっとだけ興味があるって方には、オススメかもしれません。

個人的には、ここ数年、認知心理の分野に興味があります。「心」を扱う分野は、人間形成の教育分野だけでなく、ビジネスでの営業やITのユーザー体験、テクノロジーとしてのAIにまで、多岐に渡っていますし、何より、未だに解明されていない部分が大きい所に魅力を感じています。心は誰もが身体の内部に持っているにもかかわらず、時に遠ーく感じる箇所でもあるのではないかと思います。

ちなみに、催眠術と催眠療法には明確な違いがあるのですが、その説明は今回においては省略します。

DAY1 10:00~18:30(まずは座学)

このスクールでは、最新の催眠を実践的に、そして、主にブライアン・ワイズ博士が行う前世療法の手法を学ぶことができます。僕は、催眠術を3年弱やっているのですが、催眠療法の手法を学ぶのは初めてで、楽しみです。講座の参加者は12名。内、女性が10名、男性は僕と九州で開業医をしている医師の男性でした。また全体の半数程度が九州の出身の方でした。これは、偶然という訳でもないようで、比較的、九州の方の講座受講者は多いようです。反対に少ないのは、東北や北海道の方とのこと。すでに、ご自分で開業されているヒーラーの方もいらっしゃりました。

えっ?催眠療法って、なに?

催眠療法とは、ズバリ、人を催眠状態にして、その中で心理的な問題を解決する方法論。催眠療法では、主に脳の中(心)にある記憶を扱います。

一般的に人は、やるべきことを思い出すことができるのですが、言い方を変えれば、思い出せないことはやらないという特性を持っているとされています。思い出せる記憶は、ジョージミラーの法則によると、7プラスマイナス2とされていて、5~9個の記憶はすぐに思い出せますが、それ以上はなかなか思い出せないようです。そもそも、人の、意識と無意識の比率は、意識が1~3%、無意識が97~99%とも言われていて、自分が意識的に記憶している部分は、ほんの一部分。

大半を占める「無意識」によって、日常の多くのことがコントロールされていると言われています。心臓を動かす、呼吸をするような生理機能以外にも、「行動の決断」や「感情の表出」なども無意識の影響を受けています。実は、日常の何気ない行動の決断は無意識的に行なっていると言えます、例えですが、歯磨きをする時、歯の右側から磨くか、左側から磨くかの決定を意識しませんよね、それは無意識だからとも言えます。

今、催眠(ヒプノ)って必要なの?

催眠療法(ヒプノセラピー)と聞くと、とてもスピリチュアルなイメージを抱くかもしれません。そういう思考って、科学的な現代に必要なの?とも思うかもしれませんが、考え方の1つとしては、以下のデータを見ると、言えることがあるかもしれません。これは、NHK放送文化研究所のデータ(2009年)で、引用させていただきます。

[宗教的なもの”にひかれる日本人~ISSP国際比較調査(宗教)から~
http://www.nhk.or.jp/bunken/summary/research/report/2009_05/090505.pdf

個人的に思うのは、案外信じている人がいるということ。生まれ変わりを信じている割合は、女性が多いですね。輪廻転生を「ある」と答えた割合は以下。ここで輪廻転生を例に出したのは、催眠療法のテクニックの一つに、前世のヴィジョンを見せる「前世療法」があり、人のイメージの中で、輪廻転生を体験することが可能だからです。

「輪廻転生」があると思う人の割合
16-29歳       女性69% 男性52%
30-39歳   女性73% 男性37%
40-49歳   女性62% 男性37%
50-59歳   女性40% 男性38%
60歳-     女性30% 男性20%

実は、若い世代ほど輪廻転生を「ある」と答え、年齢が高くなるほど少なくなるという傾向で、男性より女性のほうが「ある」という割合が高くなっているのがわかります。マーケティング的に言えば、F1層(20歳から34歳までの女性)の割合が高く、消費意欲が旺盛で、新しいトレンドにも敏感、口コミなど情報拡散力を持つ層です。そう考えると、スピリチュアルっぽい考え方も日常的に持ち合わせておいても良い気がしました。以下の質問に対しても、F1層の割合が高い傾向にありますね。

催眠療法っていつから使われてる?

諸説色々あるとは思いますので、ざっと言うことにします。18世紀ころに遡ります。当時は、磁気睡眠(ここでは、催眠ではなく睡眠です)と呼ばれていました。この頃から、人の意識は、それこそ宇宙と繋がっているのでは?と考えるようになったと言われています。

19世紀にはフランスで被験者の意識を過去に行かせたり、未来に行かせたりする実験が行われました。前世はないという証明をするために、行われた実験もあったり(逆に否定できない結果になってしまったり)、様々な派閥もできたようです。前世に関しては、その後、1980年、ブライアンワイス博士が前世療法を確立して、自分の変化、他者の変化について研究を進めていきます。

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催眠療法の中には、前世療法だけでなく、死者とエネルギーの対話をする悲観療法、イメージワークなどあります。重要なのは、クライアントにとって、それが価値あるものなのかということ。つまり、必要ないと信じる人には、前世療法などを施術する必要はありません(これは催眠術と同じです)。昨今では、心理的な要因が脳や体に影響を与えること(もしくは反対に脳が心に影響する)がわかってきています。その一つはプラセボ効果。

プラセボ効果とは

プラセボとは、有効成分を含まない(治療効果のない)薬のこと。効果のない偽薬出会っても、効果を信じることで、体が効いているように反応するようです。とても興味深いのは、一度この偽薬を信じ込んでしまえば、脳が勝手に学習して、仮に嘘であると明かされても効果が持続するのが検証されている点。偽薬だ理解している患者にも、効果が出るというのは驚きですね。意識が及ばないところで、無意識的に脳が反応しているのかもしれませんね。ちなみに偽薬は、錠剤よりカプセル、小さいより大きい方が効果が高い傾向にあるそうです。

癒しの一つは「学び」である

講座の中で、「学び」についても述べていました。確かに、受講生の何人かは、自分のことをより知るために、この講座を受けているという方もいたので、学ぶことで自分を再発見したり、自分で導く癒し方もあるんだと言うことを理解しました。

イメージは記憶の再利用とトラウマ克服

催眠療法は人の記憶にアプローチする手法とも言えるので、記憶に関しても学びました。まず記憶のプロセスは、「記名」「貯蔵」「想起」という3過程となります。また、記憶は上書きされるようで、上書き前の記憶は忘れてしまうそうです。(そういや、女性の恋愛の話にこういうのありますよね。)

記憶には「記銘」「保持(貯蔵)」「想起」という3つのプロセスがある。「記銘」とは「覚える」こと、すなわち脳に情報をインプットすることだ。「保持」とは、脳がその情報を維持し続けることである。そして「想起」は、脳の中にある情報を引き出す「思い出す」ことだ。これはパソコンにファイルを保存して、活用するのと同じである。ここで重要なのは、記憶には「覚える」プロセスと「思い出す」プロセスとがあるということである。
http://www.dhbr.net/articles/-/3875?page=3(Harvard Business Review)

そして、人は成長するが、記憶は成長しない。記憶はその年齢の価値観で残ってしまう特性があるとのこと。「トラウマ」はここがポイントとなっていて、時間が経って、よくよく考えたら大したことないことでも、体験した当時の感情や感覚と記憶が結びついて残ってしまうので、なかなか解消できないようです。催眠療法なら、年齢退行療法などで、トラウマを受けた当時の記憶を呼び起こすことができて、現在持っている感覚と結びつけることが可能です。さらに、催眠療法では、本人が望む記憶に置き換える、つまり埋め込みが可能とのこと。

記憶の埋め込み、まるで『インセプション』

感覚を打ち消して、内なる感覚へアクセスすることができる催眠療法では、記憶の埋め込みができる聞いて、クリストファーノーラン監督の映画『インセプション』を思い出しました。あの映画では、主人公がターゲットとする人の無意識レベルにまで侵入して、アイデアを盗み、代わりとなる考えを埋め込むことがミッションでした。あんな感じでしょうか、まだ自分は催眠療法のセッションをしたことがないので、この辺り実感としては、わかりませんが。

DAY2に続く→

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