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お盆休みの出来事

もう時期やってくるお盆休みでは、それぞれの実家に2人でお泊まりします。今年は家族に囲まれるお盆を堪能するのですが、今回は数年前のお盆のある日を紹介したいと思います。

暑くてたまらないお盆休み。何も予定がない日の朝、布団の中でナマズ(=旦那)が「庭の湯」に行こうと提案してくれました。

ただ、私はアツアツの外に出ること自体が億劫であったため、庭の湯に行くことすら渋ります。庭の湯の滞在時間を考えると、家を出るなら早い方が…と考えがよぎるのですが、なんせ腰が重い。

というか、正直、私はナマズと家でだらぁ〜とする1日を過ごしたかったので、今布団から出て準備する気持ちになれませんでした。そして、庭の湯計画の阻止を試みます。

「きょうはお家にいようよ」

「でも、庭の湯でゆったりする
 お盆休みも良くない?」

「行くまでに疲れちゃうよ?」

「でも、庭の湯で疲れが取れるよ」

布団に横たわりながら、わたしは説得を続けましたが、意外にもナマズの庭の湯への思いが強く諦めようとしません。

「ナマズは庭の湯で
 ゆった〜りしたいんだよね?」

「そうだよ。
 リクライニングで漫画読みたい」

「じゃあさ、
 その夢今ここで叶えようよ」

庭の湯でのんびりしたいナマズと、家を出たくないわたしの折り合い地点として『家で庭の湯を再現する』という結論に到達しました。

スマホでリラックスミュージックをかけ、布団の周りに漫画を置き、空調を整えます。2人で目を閉じて「いま、ここは庭の湯だよ」と言って、鳥の声や水の音を聴きながら、一度も行ったことのない庭の湯にいる自分を演じました。

しばらくして目を開けると、そこはやっぱり家で、庭の湯ではないのですが、家を出たくないわたしの心は満たされます。要は、ナマズを説得するための手段で「擬似・庭の湯」を無理矢理やりました。

ナマズの気持ちは、というと、意味わからない状況が好きな彼は、あれほど庭の湯に行きたかったのにも関わらず「擬似・庭の湯」で落ち着いたようでした。

あれから、数年。今回の記事を書く上で、昔の庭の湯のことを持ち出したら「あれさ、全然庭の湯じゃなかったよ。温泉は入れないし、サウナもないし、いつもと変わらない布団だし。うまく誤魔化された気がする」と言われ、爆笑してしまいました。

私のこじつけがバレていたことも、それに付き合って「ここは、庭の湯だよ」と目を閉じたことも、全部ひっくるめて面白おかしく感じます。

これでこそ、なまずねこのオリジナルエンターテイメント。去年引っ越したことで、物理的に「庭の湯」から遠ざかってしまったので、二人で訪れる日は当分こなそうです。

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